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北海道「静養滞在の旅」 エピソード7 快適滞在 ヨーロッパムードの”かもいホッフ”

ヨーロッパアルプスの文化を持ち込んだ男

“かもいホッフ“には、スイスやオーストリーの雰囲気が漂う。なぜか? それはアルペンスキーの選手育成をする”かもい岳レーシング“主宰しゅさいの斉藤博君が、オーストリーのヒンタートックスをメインに、30年に亘り50回以上のレーシングキャンプをおこなってきたからだ。
ヒンタートックスはオーストリーのチロル州にあり、氷河スキーで有名な所だ。

かもい岳レーシングチームのポロシャツ


30年に亘りレーシングキャンプを行ったことにたいして貰った
ヒンタートックスからの感謝状


スキーレーシングキャンプは主に夏に行うが、続けて秋に行う年もあった。ヨーロッパでは氷河スキーが可能なので夏でも秋でも1年中滑ることができる。

ヒンタートックス氷河スキー場。
7~8月の夏休みを利用しての ”かもい岳レーシングスキー合宿” 標高は3,000mを超える高所。
合宿を主宰する斉藤博(奥の黄色いジャンパーの人物)
ヒンタートックスはインスブルックから車で約1時間30分のところにある。
後方の斜面にはTバーリフトが掛かっている。
毎日圧雪者でコースを整備する。練習バーンは世界から来る各チームごとに割り当てられる。
かもい岳レーシングは実績があるから、ナショナルチームよりも良いバーンを与えれていた。


1回のキャンプは約1ヵ月だから、通算50カ月は滞在したことになる。キャンプと言ってもテントを張るわけではなく、麓のペンション等に数十人のジュニア選手と長期滞在する。

彼はそのヨーロッパアルプスの村のたたずまいが好きだから、必然的にその文化を歌志内市に持ち込んだ。
市もそれに賛同し、歌志内スイス村構想を立ち上げ、地元のチロルの湯や、スキー場などの関連建物もスイス&チロル風にした。

かもい岳レーシングがヒンタートックスで定宿としていた
トクサスチューブル・ペンション。
各窓には花が咲き乱れている。
かもいホッフからスキー場を望む。窓には花が置かれて綺麗。
写真のほぼ中央にある茶色の看板にはスイス風リゾートの文字が書かれている。

あちこちにヨーロッパの雰囲気あり

そんな文化を持ち込んだ斉藤君が改装した建物だから、いたるところにヨーロッパアルプスの雰囲気を感じる。
窓には花が咲き乱れ、室内の装飾プレートもスイス、オーストリーのものが随所にある。見ているだけでも楽しい。半分はヨーロッパアルプスに来ている感じになってしまう。

オーストリーのチロルの風景立体画
ダイニングルームのカウンター上部にある装飾
2回のフリースペースに飾られた石井智也選手の
ワールドカップ出場時のパネル

100%スキームード

階段の踊り場には、昔のスキーやスキー靴が何気なく置いてある。私も最初に履いたのは、写真のようなスキーだった。懐かしさが蘇り、こころは60年にタイムスリップしてしまう。私の時代にはスキーズボンなるもものが出現していたが、その10年位前(つまり戦前)は、そんなものが無く、乗馬ズボンでスキーをしていたという。

昔のスキー。通称ヘソ付きスキー板

なるほど競技用の乗馬ズボンなら、裾が細まっていているので丁度良い。でも転んで雪まみれになったら、防水性はないだろうから、冷たいだろうなぁ~と思う。
今では考えられないが、当時のスキーには金属のエッジがなかった。ごく一部の上級者は、腕の立つ大工さんにスキー板滑走面の角を削ってもらい、そこに金属のプレートをビスで留めた。
その後、エラスチックエッジと言って、10㎝位の鉄プレートを、何枚も繋げてはり、スキーが弓の様にたわんでも、エッジがしなるようになるものが登場した。それでも留めているビスが取れて、無くなっていくこともよくあった。

それがつなぎ目の1本の金属エッジになり、スキー技術が進歩するにしたがい、アイスバーンでもエッジがよく切れるように、ヤスリで削るなどのチューニングの技術も進化した。
一般の人はあまりやらないだろうが、競技スキーの世界においてはチューニングは行うのが当たり前で、上位選手は毎日のようにおこなう。

そんなチューニングに必要な台や工具が、ここには全て揃っている。私もチューニングをおこなった板(スキー板)で滑るようになってから、もう手入れしない板では滑る気がしない。その位、チューニングしたものは違う。

スキーチューンアップコーナー

本当に上手くなりたいと思ったら、年に1~2回はチューニングすることをお勧めします。
エッジの立て方は、自分の技術に応じてリクエストを出せばよいのである。
だって、自転車に例えれば、空気は抜けブレーキが甘いものに乗るとの同じだから。

かもい岳レーシングの全国大会の優勝者やワールドカップやオリンピックに出た選手のプレート。世界ジュニアで優勝した伊藤敦、3位になった石井智也選手も名前もある。これだけで約80名。その他国体優勝やなども多数いる。その数は全て合わせると100名以上になる。因みにかもい岳レーシングから育ったスキー選手は3,000名を超える。

耐熱ガラス薪ストーブがお勧め

数年前、斉藤君が私に薪ストーブの助言を求めてきた。
私は約40年間、扉がフルオープンになる開放型を使用してきた。開放型のものは焚火のように直火となる。

左:開放型薪ストーブ
中央:開放型の前にファイヤースクリーンを置いたもの
写真右:耐熱ガラスの扉付薪ストーブ

ただ欠点があった。それは煙が室内に出てくることや、パチンと跳ねた真っ赤な木片が飛んで来て、服に穴が開いたり、床に転がり焦げることである。
だから、火が盛んに燃えだすと扉を90%位閉めて、使っていた。
でもこれだと、薪ストーブのか楽しみが削がれる。そこでストーブの前に置くファイヤースクリーンを探した。日本にはなかったので、アメリカから個人で直接取り寄せた。

これで、跳ねた木片が飛んでくるのは防げるが、煙はどうしても少しは室内にでてくる。

そんな経験があったから、彼には「耐熱ガラス付の扉があるものが良い。そのタイプの方が熱効率も良くて暖かいから」、と助言した。
彼は私の助言を参考に、国産の扉付薪ストーブを入手し、大人5~6人で運び込み設置した。重さは100㎏を優に超えるので、それに耐えるよう床も補強した。それらすべてセルフで行ったのである。大したものだなぁ~

実際使ってみると、この扉付は、極めて扱い易くグッドである。何しろ火は新聞紙数枚で点くし、煙も全く室内には出てこない。そして暖かい。斉藤君も気に入っているようだ。良かったー!

ただ,開放たき火型が良いか、耐熱ガラス扉型が良いかは、人の好みによると思う。

暑さ、寒さも楽しむ夢・・・

今回は8月の10日間の旅だが、とても蒸し暑いのは1日だけだった。後は全て、昼は暑くても、そよ風が快適だった。夜は気温が下がり、ぐっすり眠れる。

薪ストーブに火を点けた。実に簡単に燃えだした。
暖かい。北海道では冬でも室内は半袖が普通。
8月なのに、薪ストーブを炊き、石狩鍋を楽しむ。
右の鍋料理をしているのが片岸さん。
背中の人と正面の女性が木村夫妻。
左が、斉藤博さん

今度冬に滞在したら、午前中はスキーを楽しみ、昼食は薪ストーブの前で、少々のワインとイタリア領器(スパゲティ)を楽しみ、その後は午睡。
起きたらギターを弾き、夕食は日本酒と鍋・・・
そんな光景を描くだけで愉しくなる。♪早くこいこい冬シーズン~

以下、次号のエピソードに続く
#薪ストーブ    #スキーチューンナップ #斉藤博物語 #アルペンスキー #ヒンタートックス   


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