意志力がない時にがんばっても無駄って話|#734S

毎日投稿734日目。意志力が低下している時に人はデフォルトの行動を取ってしまうのだというお話、ふたたび。


サルベージいただいたことから

今日の話は500日くらい前の記事に書いたもののリバイバル。Sマリさんが過去投稿からサルベージしてくださって、ご自身のXでも紹介してくれていたことで私自身もあらためて発見することができた。

ふたたび読んでみて、いやめっちゃ重要なことだなとあらためてしびれたので、今日はこれについて書き残したい。


意志力がないと人は「デフォルト設定」で動く

該当の記事は以下になるが、ここであらためて書きおろしていく。

まず意志力がない状態とは何か?簡単にいえば「つかれている時のこと」だと思ってもらえるといい。

たとえば1日がんばって仕事して帰った夜の時間に、そこからまだ資格勉強をしようとすることなどを想像してもらえると、なんとなく実感を持っていただけるのではないか。

あの、なんかもうカラカラなのに、もうひとがんばり自分の中から何かを絞り出さないといけないような感覚というか。

それは夜だけでなく、きつい仕事やハードに気を遣うコミュニケーション、むずかしい判断をしたあとなどにも、意志力は低下する。


で、そのような意志力がなくなった状態では、人は「いつもやっている行動しかてきない」ということがポイントになる。

意志力がない時に何かをしようとしても

①「これまでに繰り返して習慣になっている行動を取る」
②「過去と同じ変化しない思考や判断を"良い"と感じる」

という習性があるという話だ。

このことを受け入れて生活を設計しなければ、疲れたあとにまで、変化を求めて何かをがんばろうとするという無駄なあがきをしてしまう。

意志力がない時に新しい行動や思考をするのは無理がある。

これをベースにして計画を立てていくことが重要だ。


そうはいっても

これは「そうはいっても」という案件だ。

そんなことを言われたって、自分が自由にできる時間は夜しかなく、なんとしてもこの新しい副業で100万稼がないといけない、みたいな状況は多くの人に訪れる。

それでも、だ。

じゃあがんばってみればいいじゃん。で、できるのなら何も問題ない。

しかし「やらなきゃいけないんです」と言いつつ、1ヶ月たっても進展が見られないような場合、それはもう考えをあらためた方がいい。

夜に疲れていても新しい行動をして眠れるというような人は、意志力に頼らなくてもそれができる習慣があるのだと考えよう。なので、そういう人にとってそれは新しい行動ではないのだ。

自分が変化するための行動を取るタイミングは、必ず意志力がある時に持ってくること。

多くの人が早起きをして、朝イチで資格勉強や副業をしていることなども関係の深い話だろう。

こういったことを踏まえて「意志力をマネジメントする」という発想を持つことは、人生をとても過ごしやすいものにしてくれるハズだ。

がんばりやさんにこそ、届いてほしいこのメカニズム。

いたずらに自分を追い込んだり、できないことを責めたり、しなくていい。人は意志力が下がっている時に新しい行動はできないものなのだから。

人にやさしく。自分にやさしく。無理を強いて根性でやろうとするのでなく、無駄な努力をやめ、ただまともに着実に、あたりまえに成果を出していこう。


意志力をマネジメントする(Round2)

というわけで私はあらためて、意志力マネジに取り組むことにした。

この知識を念頭においての①習慣設計、②プラン立て、③適切な先送りと遊び、ということを試してみる。

最後にそれらをまとめて、今日の記事を終わりたい。


①習慣を磨こう
意志力ゼロでも思考停止で良質な行動が取れるように、意志力のある時間を使ってちょこちょこ行動の手入れをしていく。

たとえば私は、お湯を沸かす時にジャンピングスクワットをしているが、これも最初は意志力が必要だった。しかし今は疲れていても、夜寝る前でもできる。

これは「健康のために日常の運動量を増やすぞ!」という意志力を使う初期段階から、「自然に運動量が増えていて健康的になった」という行動習慣への転換が起きているのだが、こうなるまでは元気な昼にしか最初は取り組まなかった。

他の例では、1日の終わりに必ずふりかえりのメモを取っているが、最初は1日を「思い出す」ことだけでも苦痛でしょうがなかった。頭を動かすエネルギーがめちゃくちゃかかって、不愉快ですらあった。

からの、それを繰り返して省エネでできるようになった現在は、意志力などは少ししかいらない。上に、その少しの意志力も必要がないように、ふりかえる会を主催することが外圧を使るという仕組みを作り、意志力の必要性はゼロになっている。

こういう感じでももっと色々なところの行動習慣を磨いていく。


②意志力が低下するタイミングや行動を知ろう
自分はいつ、何をした時に意志力が低下するかを記録してリストにする。

そして低下したタイミングに意志力が必要なタスク(=自分にとっての負荷のかかるタスク=新しい行動や変化を必要とするタスク)を配置しないようにする。

そうしてみると、思った以上に「挑戦」できるタイミングは少ないと気付く。あれもこれもやりたかったが、1つしかできないじゃないか、みたいになる。せいぜいが3つだ。

これは私もやりがちなので戒めたい。複数のことをやろうとして1ヶ月たって、けっきょく1つもできていないのは人間あるあるだ。

色々なことをばっさりと諦め、がんばればできるかもしれないそのたった1つのことだけを、意志力がある時にやり終える。その新しい行動を習慣に変えて、意志力がゼロでもできるようになったら次に進もう。


③判断を積極的に先送りにしよう

意志力が低下している時、"変化する"ための思考はやめよう。何かを改善したり達成したりするようなことも変化に該当する。

新しいことを行う、判断する、そんな思考活動はすべて、意志のエネルギーがない時には積極的に先送りにする。

人は真面目だ。いつでもついつい、モノゴトに真剣に考えて取り組もうとしてしまう。

しかし「意志力がない時には過去と同じことしかできない」のだ。

このことを知っていれば気持ちよく翌日に回せるし、さらに翌日の意志力のあるタイミングに判断する時間を設定しなければならないとわかる。なのでそういうプラン設計ができる。

逆に、どうしても疲れている時にそれをやる必要がある場合、事前に意志力を温存するような予定を組んだり、先回りになるような"そういう系の用意"をしておくといい。

さらにそれが突発的に訪れた時には、逆にもう迷うことはない。いつもと同じことをやり、判断して、終了だ。その時、変化を諦めておく(いい結果を求めない)でいること。こによって、悩む労力も期待する労力もなくせる。そして、いい結果は出ないとわかっているのだから、また別のタイミングを持って良い結果を出すために意志力がある時に対応する、ということができる。

意図的に失敗や敗北を作ることも1つの手だ。


最後に

これらは「意志の力が低下している時に人はポンコツになる」と知っていることで可能になる対応であるから、こういうことは「知は力」の具体事例と感じる。

これは、無駄な努力と自責を減らし、逆に効果の出る立ち回りができるようになるための素晴らしい知識だと思う。

あなたもぜひ試してみてほしい。私も工夫を重ねて、また何か発見や成果が出たなら記事にしたい。

なお、この意志力のメカニズムについて触れられていたのはこちらの本だ。コレ系の書籍は好き嫌いもその質もかなり分かれるが、これは良書だなと思った。興味があれば手にとって見てほしい。

Sマリさん、あらためて記事を掘り返してくださってありがとうございました!

いいなと思ったら応援しよう!