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(第7回)『食品のイメージ戦略:ことば・視覚』

【イメージを考える】

みなさん、こんにちは食品健康コンサルを目指している塔里大也です。前回の第6回では、「ゼロカロリー」のお話をしました。前々回は「減塩」に関係する梅干しの進化のお話をしました。単純に考えるとゼロカロリーや減塩といえば、体にいい・健康的であるというイメージを持ちませんか。今回の話はそのイメージについて考えていきます。

【影響力を持つもの】

人が食品に持つイメージに大きな影響力を持っているのは、大きくは2つ考えられると思います。一つは、「ことば」つまりは、キーワードかなと思います。ゼロカロリーも、減塩もキーワードになり、様々な食品へと展開されていきました。ことばのイメージは大きく、食べ物を食べずにイメージさせるためのキーワードも沢山生み出しています。例えば、ヘルシーをはじめに、こってり、あっさり、しっとり、さくさく、など挙げればきりがないほと沢山あります。そして、もう一つは「視覚」による刺激です。綺麗なものが良い食べ物であるというイメージが世界中に広まっています。これには私は注意が必要だなと感じています。この綺麗さの裏側も紹介していきます。

【ことばのもつイメージ】

現在食品は薄利多売であり、いかに沢山作って、沢山売るかが勝負になっています。その中で、より良く消費者にアピールする方法にことばによる力、キーワードがあります。さらに強い言い方で言えば、パワーワードでしょうか。食品を開発する際もどこにでもあるような商品では他社商品と差別化ができずに売れないので、何かキーワードが加わるように考えていきます。そのキーワードに良く上がるのが、ゼロカロリーであったり、減塩であったりします。あとは健康に良いイメージが強い成分をいれて、○○入りなどを開発したりします。例えば、コラーゲン入りや必須アミノ酸入りなどがあります。その際に本当に体に良い、健康であるかはあまり考慮していないことがほとんどです。一番大切なのは消費者がどのようなイメージを持ってくれるかであるからです。

【様々な問題を提起していきたい】

前回「ゼロカロリーはからだにいい?」とタイトルをつけたのも、そのためです。結論から言えば、私はどちらでもないという立場をとっています。上手く使えば体に良いと言えますし、間違った使い方をすれば、体に悪いと言えます。食べ物による影響は短期で見るだけでは分からないので、簡単に結論を出すのは難しいと思います。そして、売る側の立場や買う側の立場、さらには新しい食品を生みだしたい企業側の立場、天然素材にこだわりたい企業の立場、どの立ち位置をとるかによって結論も違っていて当たり前だと思います。そのため、できるだけ偏った立場をとるのでなく、問題提起をするというスタイルでいきたいと思っています。その問題提起の一つとして、安易なことばのイメージに惑わされないように良く考えていきましょうと言いたかったのが前回と今回のお話になります。食品を作る側の見方を少し知れたなら、なるほどこういう考えが裏にあるのだなと少し考えてから食品を購入してみようと思ってもらえたなら本当に嬉しく思います。

【視覚のもつイメージ】

次に視覚の持つイメージをお話していこうと思います。最初のタイトル設定では、この「視覚」部分だけでお話しておこうと思ったのですが、ことばと視覚のセットでお伝えすることにしました。共に共通しているのが、それによって消費者がイメージを膨らませるというところに意図があるからです。この視覚の部分は、特に食品の見た目であり、もちろん食品自体の形状もありますが、色合いがすごく重要になってきます。

【色素の登場】

色合いを作るために、食品に使われるのが、「色素」になります。色素という言葉をどのくらいの消費者が意識して食品を見つめているのか私は少し分かりかねていて、消費者の意識を正しく把握していない部分があります。食べ物には本来色が付いています。それとは別に色素と呼ばれる物質を食べ物に加えるので、色素は食品添加物の扱いになります。自然なものだけを愛する世界であれば、本来色素なんて使う必要はないはずです。しかし、現在の加工食品のほとんどが色をよくするために何だかの方法をとっています。そのぐらい視覚によるイメージは大切にされています。その方法の一つに色素があります。

【実はビタミンCも視覚と関係している】

色素以外に色を良くするために使われるものとしては、保存料もあります。保存料は食品自体の劣化を防ぐため色が悪くならないようにしています。それ以外に意外なものとして《ビタミンC》も見た目の色を劣化させないようにするために、使われています。実は健康に良いからという理由だけで添加されている訳ではないのです。

【個性のない集団】

食べ物は天然物であるので、均一な色が付いていることはありません。それはご自身の身体を見てもらえば、分かると思います。肌の色は均一でなく、色が濃くなっているところや薄くなっているところが存在すると思います。または、あざのようになっているところや色素が抜けたように白くなっているところがあると思います。そのような状態が正常だと言えます。しかし、売り場に並んでしまった時に個性が出てしまうと格好が悪く売れにくくなってしまう。そのために全ての商品が同じに見えるように色素が使われているのです。色素を使うことで、目に付く部分は均一な色になります。さらに保存料などで色が退色や劣化しないようにしています。

【まとめとして、食品から健康へ】

この色素の力は強く、あなたご自身の排出物にも色をつけてしまうほどのものです。あまり綺麗な話ではありませんが、私はトイレに行ったときに自分の排出物も少しだけ気にしています。前日に何を食べたかが良く分かります。特に強い色素を使っている食品を食べていた場合、排出物の色がいつもと違うということもあります。これは一例ですが、自分の状態を知るためにも、身近なことで工夫できることは沢山あります。食べ物から健康へと知識も繋いでいければと考えています。今回はあまり具体的なお話ができませんでしたが、ここまでにして、また次回は色素のお話を深堀していこうと予定しています。今回は抽象的でしたが、食品のイメージ戦略としてことばと視覚を取り上げてみました。また次回も楽しみにしてもらえたらなと思います。

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