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写真歴20年以上のフォトグラファーが撮る時にいつも意識していること

こんにちは。
トサノコージでございます。

まず勢いでタイトルから書くことを始めて、ショックを受けています。

20年て

もし自分に子どもがいたとしたら、もうとっくに成人式を迎えている。

自身の心はいつまでも中学二年生なのに…。

見た目はオッサン! 頭脳は中2!

がキャッチフレーズです。

嘘です。

さて、今日はそんな中2のオッサンが仕事であれ趣味であれ、写真を撮る時にいつも意識していることを書いてみたいと思います。

初めてちゃんとした一眼レフカメラを手にしてからもう20年以上経ってて、いつの間にか仕事にしているぐらいドップリ浸かっている人間です。
誰かの、何かのヒントにでもなればなと。

写真なんて状況が違えば当然撮り方も変わるので「これが一番大事」というわけでもないのですが、これを忘れなければ、まあまあ写真の打率があがります。

大事MANみたいになっちゃいましたが、早速本編へ。

ではでは。


相合い傘の夫婦、濡れる女性の肩


いきなり不穏な見出しから始まりましたね。

これは先日、雨の日に通勤していた時のことなんですが、僕の前を歩くカップル(夫婦?)がいました。

二人に傘は一本。

そう、いわゆる相合い傘です。

相合い傘に関するワタシのエピソードをここで語ると多分15万字ぐらいになりそうなので今回は割愛しますが、その景色をみて少し違和感を感じたのです。

繰り返しになりますが、二人に対して傘は一本

真ん中に持てば二人の傘の活用度は同じぐらいになりますよね?

が、どう見ても眼の前のカップルは傘を持ってる男性側が7割近く自分の方へ傘の面積を多めにとり、まあまあ女性側は雨ざらし状態です。

自分が若かりし頃(気分はまだ中2ですが) 、いかに女子にモテるかをクラスの男子でホットドッグ・プレスを片手に談義していた時に「相合い傘なんてした(実現できた)時には、当然こう、女子のほうがなるべく濡れないようにしてあげるよね??」で全会一致だったのですが、令和となった今は常識が違うのでしょうか??

「あまり意識されすぎるとジェントル通り越してウザい」と言われがちな「男は車道側を歩く」程度に常識だとおもっていました。
ちなみに、「車道側歩きエピソード」に関しては1200字ぐらいのネタはあるのですが、あまり面白くないのでナシの方向で。

話は逸れましたが、その時僕は女子だけやたら濡れているカップルの背中をみて「あら〜。アナタ、ジェントルじゃないわね〜」などと脳内で二丁目の人みたいなテンションで苦言を発しながら、急いでいたので追い抜かしたのです。

そして、やっと本題(遅い)

追い抜かす際にチラッと男性を見たのですが、彼は抱っこ紐をつけていて胸にベイビーを抱いていました。

なんてことはない。彼は何よりも一番弱いであろう存在である彼らのベイビーを守っていただけなのです。

見えていないのは当然。

自分は背中しか見てなかったから。

けど、何が悔しいかって「小さな子どもを抱いているから傘を多めに使っているんだ」ということを後ろ姿から想像が出来なかったことです。

これって、写真を撮る際に重要な資質だと思いませんか??

傘はそれ自体が魅力だけど、見えてない部分を想像しても楽しい

見えないものを見ようとして


よく耳にする歌の歌詞ですね。
僕はこの歌詞が大好きです。
写真を撮る際にこの歌詞が頭の片隅にあるだけで意識が高まります。

写真って見えているものを撮るものだというのが一般常識です。

でも、縦横の2次元での視覚的表現ではありつつも実際はそれ以上に「感じる」ものもあるかなとは思います。

ここで言う「見えないもの」って2種類あって、ひとつは上記のように「観賞者の想像力によって補うもの」と、撮影時に純粋に撮影者の想像力の欠如によってほんとに「見えていなかったものです」

本当はそこにあるはずなのに、見えていなかった。探していなかった。気づいていなかった。想像していなかった、ということです。

これを逃すと、写真を撮る人間としてはメチャクチャ悔しいと思っています。

あとこれは逆のアプローチだし相当上級編になるかなとは思いますが、写真を撮る際に「観賞者に想像させる」要素をいれるという考え方もあります。
見えないものを見せようとする」考え方ですね。

やり過ぎるとあざとさが出ますが、SNS なんかではそっちに振り切った方が評価はされやすい傾向にあるんじゃないかなと思っています。

前述のカップルの後ろ姿で例えれば、背中と正面の2枚組写真でなんぞエモいキャプションでもつけたら想像力が発揮されるかな〜と。

いや、逆に文字は蛇足か??

うわぁ。

あざとウザい…。

広い場所にぽつんと立ってる人をみると色々想像してしまう

まず、想像力をフル活用しよう


ダラダラと書いてきましたが、今回僕が伝えたかったのはこの見出しの一言に尽きます。

写真を撮る時って、両の目でみんな前を向いていると思います。

目の前の「見えてるもの」を撮ろうとします。

果たして、目の前だけで良いんでしょうか?

僕はそんな時、目で認識していない背中も意識します。

なんなら視線を変えれば見える範囲に関しては、自分を中心に360度意識してます。
ハンターハンターで例えるなら「円」です
これは神経削るからしんどいんじゃが。

知覚できていない眼の前の壁や建物の裏側にいいロケーションや被写体が実は存在してるんじゃないか?と疑います。想像です。

事前に周辺地図が頭に入っていればRPG ゲームのように頭上にミニマップがある感覚で地形ごと想像します。

今立っているこの場所に地下はないか、登れる屋根がないか想像します。

モデルさんの笑顔がなかなか引き出せないなら、「寒いんじゃないか?」「靴擦れしてるんじゃないか?」とか考えます。

撮影現場に入る前に、なるべく身なりは清潔にして行きます。

異常に早めに集合場所に行きます。

前日、お酒を飲みすぎないようにしてアラームを5つ設定します。

何日も前から想像通り越して妄想して「どんな写真が撮れるかな?」とわくわくしています。

なんとなく人を撮る際の例を挙げてみましたが、スナップでも同じです。

いかに「見つけるか」「見えてないものを想像するか」が鍵だと思っています。

車の姿のあるストリートスナップを撮りたくなったら、目だけではなく耳も活用します。
目で景色を見つめ、音で車がフレームに入ってくるタイミングを感じます。なので、僕はスナップする時に音楽は聴かない派です。

音楽に感情を任せて撮る、というのももちろん手ではありますね。危ないけど。

風景写真を撮るなら、場所から人の混み具合から、天気から季節から移動時間から機材から体調管理から色々と準備が必要ですね。
想像力は準備力とも思っています。

180度見渡して「このポケットに手を突っ込んだ二人が交差するタイミングが撮れたらいいな?」
とカメラを構えた時の写真

ハウススタジオを借りて外で撮る、という選択肢


以前、ハウススタジオを借りての撮影の際に、朝早めに着いて周辺を散歩していました。

散歩、と言ってもただダラダラ歩いているだけじゃなく、その日の天気と太陽の時間帯ごとの位置も想像しながら。

そして良さそうな場所を見つけたら写真付きですぐに関係者に連絡します。

「13時過ぎだったらここ、あえて外で撮ってもいい感じになりそうですよ」

と。

1時間何万円とするスタジオ借りているのにわざわざ外で撮るとかなかなか勇気がいりますが、全員の目的が「ハウススタジオを使うこと」じゃなくて「良い写真を撮ること」だったので、「良いですね!香盤変えましょう」と返信がきました。

時間が変われば同じ場所でも全く別物と考えています

想像力は写真以外にも役立つ


あたりまえのことなのですが、想像力というのは何にでも役に立ちます。

なんなら自分は

「やらない方が良いこと」と「やった方が良いこと」

の2点を常に意識するだけで大概のことがうまくいくんじゃないかと思っています。

バランス感覚も必要になるとは思いますが、これらを意識するだけでだいぶ生きやすくなったと自営業になってからの10数年で実感しています。

何をやった方が良いのか、やらない方が良いのか、というのはやはり想像力が必要になるのですが。

なにやら小難しい話になってしまいましたが、今回はこのあたりで。

それでは、また。

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