問い合わせフォーム営業のクレーム発生要因と対処方法
近年、さまざまなシーンでデジタル化が進む中、オンラインセールスが浸透してきました。そのような背景もあり「問い合わせフォーム営業」も多くの営業組織で活用されるようになっています。
一方で、問い合わせフォーム営業及びフォームマーケティングは、画一的な大量メッセージの送信にもいきつきやすく、迷惑行為と感じた顧客からのクレームに繋がるケースも少なくありません。
本記事では、問い合わせフォーム営業におけるクレームの発生要因と、具体的な対処方法について詳しく解説します。
クレーム発生を未然に防ぎ、顧客との良好な関係を築くためのヒントとして、ぜひ参考にしてください。
問い合わせフォーム営業でクレームが発生する原因
問い合わせフォーム営業は、低コストで簡単に沢山の見込み顧客にアプローチできる営業手法です。近年ますます認知度があがり、様々な業界の新規開拓セールスで導入されています。
しかし、フォーム営業は誰でも手軽に実施できるため、運用方法によっては、迷惑行為の扱いをされたり、営業先からの思わぬクレームに繋がるケースも少なくありません。
ここでは、問い合わせフォーム営業でよくあるクレームの発生原因を紹介します。
1.営業連絡を拒否する相手に送信してしまった
クレーム発生の原因として多いのは、営業連絡を拒否する旨を明記しているサイトに営業をかけてしまった場合です。先方の企業としては、迷惑メール対策として、ウェブサイトに「営業お断り」「営業目的での連絡はご遠慮ください」など注意書きを記載しています。それにもかかわらず、このような文言を無視して営業連絡を送信してしまうと、先方の怒りをかい、クレームに繋がる可能性があります。
2.断られた企業に再度アプローチしてしまった
過去に同じように問い合わせフォームから営業活動を行い、提案について断られた経緯がある企業に対して再度営業メールを送信してしまうことも、クレームに繋がる可能性があります。前回の提案から期間が相手いないと状況に変化がないことも多く、企業側は、一度断った相手からしつこく営業されることを嫌悪するものです。
3.短期間に同じ内容を何度も送付してしまった
反応がないからといって、同じ内容の文面を短期間に何度も送信してしまうと、営業がしつこいという内容のクレームを受ける原因となります。また、同じ企業に対して、短期間に複数の担当者から営業連絡を送信してしまうと、担当者を混乱させ、不快な思いをさせてしまう可能性があります。
4.既存の取引先にアプローチしてしまった
大量のリストに対して問い合わせフォームDMを送信するケースで、既に取引がある自社の顧客に対して、誤って営業連絡を送信してしまうケースも発生しています。顧客側では、自社ですでに取引している企業から営業連絡が来ることを迷惑と感じ、クレームに発展してしまうことがあります。
5.相手に関係のない文面で送付してしまった
画一的なアプローチ文章で大量のフォーム営業を送信していると、ターゲットではない企業に営業をかけてしまうことがあります。また、企業名や担当者名、製品名を間違えたり、本文が相手に関係ない内容だったりするなど、相手を無視したような営業連絡を送信してしまうと、大きなクレームに繋がる可能性があります。
6.リスティング広告経由でアクセスした
検索エンジンで営業先を探して問い合わせフォーム営業をおこなう際に、検索結果上部の広告枠(リスティング広告)をクリックして遷移した先のフォームに営業文面を送信することはクレームの原因になります。リスティング広告はクリック課金のため費用が発生しており、アクセス解析から広告経由の問い合わせであることがわかってしまうからです。
問い合わせフォーム営業で発生したクレームへの対処方法
ここからは、問い合わせフォーム営業が起因となり発生したクレーム対応の具体的な方法についてみていきましょう。
電話でのクレーム対応のコツ
常に冷静かつ丁寧な態度を心がけます。
顧客の話を遮ったり、否定したりすることは絶対に避けます。
顧客の立場に立って考え、共感を示します。
問題解決に向けて、誠意を持って対応します。
再発防止策を具体的に示し、顧客の不安を解消します。
電話での会話例
顧客:問い合わせフォームから営業メールが送られてきて、迷惑しているんですけど。
営業担当:この度は、弊社からの営業メールで不快な思いをさせてしまい、誠に申し訳ございません。
顧客:もう二度とこんなメールを送ってこないでください!
営業担当:かしこまりました。ご迷惑をおかけしましたことを重ねてお詫び申し上げます。お客様の意向に反してメールを送信してしまったことは、弊社としても大変反省しております。
顧客:具体的にどうするんですか?
営業担当:本日のご連絡を基に、お客様の連絡先情報を弊社システムに登録し、今後一切メールを送信しないよう徹底いたします。また、今回の件を社内で共有し、再発防止策を講じてまいります。
顧客:それでいいです。
営業担当:本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。今後このようなことがないよう、努めてまいります。
その他のポイント
電話での対応が難しい場合は、メールや書面での対応も検討します。
顧客が明らかに感情的になっている場合は、無理に話を進めようとせず、時間を置いてから再度連絡を取ることも有効です。
クレーム対応は、社内全体で取り組むべき課題です。関係各部署と連携し、再発防止に努めることが重要です。
問い合わせフォーム営業でクレームを減らすための対策
ここまで説明した通り、問い合わせフォーム営業のようなアウトバウンド営業の手法を採用すると、すくなからずネガティブな反応が発生します。しかしながら、そのような反応が発生するメカニズムを理解することで、防止策を講ずることができます。
以下では、問い合わせフォーム営業でクレームを減らすための具体的な対策を紹介します。
問い合わせフォーム営業を拒否する文言を確認
クレームを減らすには、ウェブサイトに「営業はお断り」という旨を明記してる会社を営業対象から除外する必要があります。そのような企業に営業をかけてしまうと、クレームに繋がる可能性が高いからです。
そのため、営業をかける際に必ずお問い合わせフォームを目視で確認し、営業メールを拒否していないことを確認する必要があります。
営業や提案を拒否された企業を送信対象から除外
直近で提案を拒否された企業に再度問い合わせフォームから新規で営業をかけてしまうと、相手に不快な思いをさせてしまいクレームに発展してしまう可能性があります。
そのため、お断りの返信が届いた企業や提案を拒否された企業はリストアップしておき、次回の送信対象から除外するようにしましょう。
既存顧客を送信対象から除外
既存顧客に営業をかけことも、先方からクレームの指摘をもらってしまう要因となります。営業を拒否する企業と同様に新規のアプローチ先から除外する対応をとることが無難でしょう。
似たような属性の顧客として、提案中の顧客についても送信対象から除外するようにするとよいでしょう。
送信対象企業を営業間で共有
同じ企業に複数の営業担当者が営業をかけてしまうと、相手から迷惑と思われてしまう可能性があります。このケースに対処するためには、送信対象企業を営業間で共有し、重複営業を防止するようにしましょう。
営業をかける企業に合わせて文面を考える
画一的なテンプレートで、どの企業にも同じ文面の営業メールを送信してしまうと、相手にまったく関係のない内容で営業文を送ってしまい、見当違いという指摘をいただく可能性があります。
このようなクレームを防止するには、営業をかける企業に合わせて、文面を個別に考えるようにしましょう。
まとめ
問い合わせフォーム営業は、うまく活用すると自社のサービスが役立つ企業を効率よく発掘できる有効な手段ですが、適切な運用を行わなければ、クレームや法令違反などのリスクを伴います。
本文内で紹介したような対策を講じ、企業イメージの毀損や法令違反のリスクを回避し、安心して問い合わせフォーム営業を活用することが重要です。