営業マネジメントにおける3つの数値管理
営業数値管理は、営業活動の効率化と成果向上に欠かせない要素です。企業は、多種多様な数値を指標として設定し、営業担当者のパフォーマンスを評価し、改善に繋げています。本稿では、目標管理、案件管理、行動管理の3つの管理手法を解説します。
1. 目標管理
目標管理は、営業組織全体の目標設定から個々の営業担当者の目標設定まで、あらゆるレベルで実施されます。具体的な目標設定としては、売上金額、顧客獲得数、契約件数などが挙げられます。これらの目標は、営業活動が適切に行われているかどうかを示す基準となります。
目標管理では、目標がSMARTの原則(Specific:具体的、Measurable:測定可能、Achievable:達成可能、Relevant:関連性がある、Time-bound:期限がある)に基づいて設定されているかどうかが大切です。曖昧な目標によって、モチベーションの低下や、評価の客観性が損なわれる点に注意しましょう。
また、単に目標を設定するだけでなく、定期的な進捗状況の確認とフィードバックをおこないます。進捗状況が目標から大きく乖離している場合は、目標の修正や、新たな施策の実施が必要となります。
2. 案件管理
案件管理は、個々の商談の進捗状況を可視化し、目的の達成につなげるための管理手法です。案件管理では、商談のフェーズ(見込み客、商談中、成約、失注など)を明確にし、各フェーズにおける滞在日数や転換率などを数値化します。
案件管理を行うことは、ボトルネックの特定につながります。どのフェーズで案件が滞っているのかを特定し、改善策を講じることができます。また、案件の優先度を明確にし、リソースを効率的に配分することができます。
案件管理には、SalesforceやHubSpotなどSFAが活用されます。これらのツールでは、パイプライン管理機能や商談履歴の記録機能などが提供されており、案件管理を効率化することができます。
3. 行動管理
営業担当者の行動を数値化し、パフォーマンスを評価するための数値管理が「行動管理」です。行動管理では、電話件数、訪問件数、提案書作成件数、顧客との接触回数など、様々な行動を指標として設定します。
行動管理の目的は、単に数値を上げるだけでなく、営業活動の質を高めることにあります。例えば、電話件数が多いからといって、必ずしも成果に繋がるとは限りません。重要なのは、顧客と質の高いコミュニケーションをどれだけ行っているかです。
行動管理では、KPI(Key Performance Indicator)を設定し、目標と実績の差を比較することで、改善点を特定することができます。また、営業担当者へのフィードバックにも活用することで、モチベーション向上やスキルアップを促すことができます。
まとめ
目標管理、案件管理、行動管理は、それぞれ異なる側面から営業活動を数値化し、評価するための手法です。これらの手法を効果的に組み合わせることで、営業組織全体の効率化と成果向上を実現することができます。
目標管理: 予算と連動した目標を設定し、営業活動の方向性を示す
案件管理: 個々の商談の進捗状況を可視化し、目標達成につなげる
行動管理: 営業担当者の行動を数値化し、パフォーマンスを評価する
ただし、数値管理はあくまでも手段であり、目的ではありません。数値を追うあまり、顧客との関係性を軽視したり、営業担当者のモチベーションを低下させたりしないように注意が必要です。数値と顧客の声をバランス良く捉え、より良い営業活動を実現することが重要です。