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高知の山奥にある壮大な棚田、そしてすれ違えない道路。

こんにちは! 四国のまんなか、吉野川の上流にある貸し切り宿「一軒宿さめうら」です! 

今日は四国の山奥にある「棚田」について、ご紹介します。

前回の記事で、私たち(「一軒宿さめうら」は2人のスタッフで運営しています)が住んでいる高知県本山町、その南側には棚田が広がっている、という話をしました。

前回のおさらいですが、吉野川の北と南では地質が違うんです。北側は三波川帯という地質で、高圧型の変成岩主体です。一言でいえば、硬い岩です。

これが吉野川の北側(四国の北側)を、横につらぬいているんですね。硬い岩だから水に溶けださず、水が濁らない。なので、川がめっちゃきれい。

エメラルドグリーンに輝く、吉野川支流の汗見川

対して、南側は柔らかい地質です。柔らかいから、山も低い。単純な話で、硬いと崩れないから、山が急峻になる。柔らかいと崩れるから、山がなだらかになる。土佐弁でいえば「なろい(傾斜がゆるやか)」土地になる。

具体的に言えば、本山町・土佐町の南部、吉野川南岸地域には、壮大な棚田が広がっています。

本山町吉延(よしのぶ)地区の棚田

ちなみに、ここの棚田は雄大なだけではなく、とれる米がおいしいんです。年に一度、お米の食味コンテストっていう、米農家の天下一武道会的なやつが行われているんですが、その大会で日本一になった歴史があるんです。しかも2回!

この大会で、2回も日本一になっているのは他に無いそうなので、実質、日本一おいしい米がとれる土地です。おいしい米っていうと、東北とか北陸のイメージですが、実は四国の高知。

そして、景色もすばらしい。中でも有名なのは、土佐町の高須地区。ここは田植えや稲刈りの季節になると、カメラマンが朝から何人も待機しているような写真映えするスポットです。

土佐町高須地区の棚田。雄大な四国山地をバックに、まじきれい。

という、見ても食べても素晴らしい棚田が広がる四国の山奥、ぜひ訪れてください! と言いたいところなんですが。おいそれと、誰にでも勧められない。というのは、道が狭いんです。

住んでいる人は何とも思わないんですが、初めて来る人は、ガードレールが無いから落ちたら詰むとか、前から車が来たらすれ違えないとか、そういうご感想をいただきます。「ポツンと一軒家」に行くまでの道が延々と続くと思ってください。そんなところです。

田舎の道幅は「軽トラが通れればいいじゃん」ぐらいの感じで作っていますので、ちょっと大きなミニバンとかで来た日には大変です。なので、ぜひ「軽自動車」で来ていただきたい、しかも草とかが道にはみ出しているので、擦れても気にしないような車で来ていただきたい、というのが一つ。

こんな感じの道が続きます

そしてもう一つ、重要なこと。それは、もし対向車が来てしまったときには、決してこちらからは下がらないことです。

こういう田舎道で事故が起こるときって、前から対向車が来て、バックして道をゆずろうと思って脱輪するんです、これがあるあるパターン。なので、よそから来た人は下がらず、地元民に下がってもらう。

地元民は、すれ違える場所を知っています。でも、旅行者は分からない。なので、下がらないこと。細い道で対向車と出くわしてしまったときは、申し訳ないけれども、地元の車に下がっていただくほうが無難です。

バスとかの公共交通機関があればいいんですけれども、残念ながら無いです。一切、無い。ふもとの集落ぐらいまではあるんですけど、美しい棚田を一望できるような奥まで行くバスは皆無。絶無。車が無いと行けないです。でも、これからの季節、雄大な四国の棚田は、一見の価値があります。

暑い季節ですが、棚田のある地域は標高が500メートルくらいあるので、意外と涼しいですよ。ぜひ四国の山奥に遊びにきてください!


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