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matomemi

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#エッセイ

出産が、運んできてくれたもの

出産が、運んできてくれたもの

9月のはじめに息子が産まれた。 

産まれて間もない小さい赤ちゃんとの暮らしがこんなにも余裕のないものだとは知らなかった。この2ヵ月、知らなかったこと尽くしの新しい毎日を過ごしている。

産後すぐは、上(胸の張り)も下(会陰切開の傷)も痛い。骨盤から腰周りのどんよりとした痛み、頑固な便秘も続く。

体調が著しく不完全だ。
それなのに、違和感でしかなかったあの痛みを二ヶ月を過ぎた今はもう思い出すこ

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ロマチのすゝめ

ロマチのすゝめ

オットは本職美容師
ときどきプロアシスタント
毎日ロマチの顔を持つ。

ロマチとは
ロマンチストの略だ。
最大級の敬意を込めて、そう呼んでいる。

わたしという人間は、いつも少し先の未来を見ている。夢や目標、未来のしあわせの為に、とことんがんばることが好きなタイプだ。時に"いまを犠牲にすること"に目をつぶることがある。

一方のオットは、今この瞬間を存分に楽しみ、大切にしたいタイプであ

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大切なものは循環する

大切なものは循環する

今日、ひとつ歳を重ね、
わたしは36歳になった。

35歳は特別な年だった。

はじめての出産
しあわせの絶頂から
息子の先天性難聴が発覚し
悲しみの涙にくれる日々。
ようやく前を向きはじめた頃
コロナによって暮らしは一変した。

総じて、この1年で学んだことは
"人は前進できる、強い生き物"
ということだ。

息子の難聴発覚の悲しみを乗り越えて
前を向けたとき、ようやく先の暮らし方や仕事について

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からあげくんの誓い

からあげくんの誓い

気がつくと悲劇のヒロイン全開の悲しみに浸ってしまう自分と決別した。
わたしの心は晴れて元気だ。

不安が無いと言ったら嘘になる。
それでもわたしたち家族はいま
元気に笑って前だけを見て進んでいる。

息子の成長を喜び
その愛おしさを噛みしめながら。

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2019年12月4日。
もう少しで3ヶ月を迎えようとしている息子は病院にいた。大きすぎるベットに、広さを持て余しな

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