しばらくぶりの更新となります。前回、豊浜トンネル崩落事故のことを書くと宣言してからというもの、何から書いたらよいものかと考えあぐねてしまい、仕事の忙しさも手伝って書くのを逡巡しておりました。ちょっと情けないですね。豊浜トンネル崩落事故については、かつて一冊本を書いたことがあるのですが、それくらい手元に情報がありすぎて、私にとってはつらつらと書くには重たすぎる、系統立って書かなければならないテーマでして……ということで、豊浜トンネルのことはいったん棚上げして、この1か月半にわた
北海道の日本海側にグッと突き出た積丹半島は、札幌から小樽を経由して車で2時間ほどで行くことのできる札幌市民の身近なドライブコース、海水浴場やキャンプ場も点在する景勝地として、高い人気があります。 ニッカウヰスキーの工場で知られる余市町の市街地を通り過ぎ、さらに10分ほど海岸づたいに車を走らせると、「ローソク岩」という、その名の通りロウソクのような形をした奇岩が右手に見えてきます。そこから積丹町までの海岸線は険しい断崖絶壁が続くため、トンネルが数珠つなぎになっています。そうした
映画などへの出演に絶大な影響力を持つハリウッドの大御所プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインが長年にわたり、女優らに対して起用・抜擢をちらつかせながらレイプ犯罪を繰り返していたことが明るみに出たのは6年前のことだ。抵抗した性被害者がその後、あからさまに干されるという、おぞましくも理不尽な出来事だった。事件を追求したジャーナリスト、ローナン・ファローの著書「キャッチ・アンド・キル」によれば、ワインスタインは、被害に遭ってトラウマを抱えた女性たちに契約書まで書かせて告発を封じ
新聞記者になって間もない、駆け出しの頃、ある取材に赴いて衝撃を受けたことを思い出す。それは、週末の土曜か日曜のどちらかでした。その頃勤めていた新聞社では、週末の紙面をその日あった行事で埋めるため、土日出番の記者たちに何本かずつあらかじめ予定されている取材を割り振る慣習がありました。だから私は自分でそのイベントの取材を選んだわけでもなく、ただ手に持たされた一枚の案内チラシを頼りに、さして事前の準備もせずに会場に出向いたのです。 イベントの主催者は「札幌郷土を掘る会」といいました
こんにちは。 雑誌記者から身を立てて、その後、新聞社に移り、記者やデスクの仕事を随分と長くやってきました。 ジャーナリストはこの世の中において大切な役割を担っており、とてもやりがいがあって楽しい仕事です。お金をもらいながら物書きの修業もさせてもらえる。私の若い頃はあこがれの職業の一つでした。ところが、最近は若い方々でこの世界に身を置いて一生の仕事にしたいと考える人が少なくなっています。 確かに誰もがインターネットで発信でき、受け手もネットから情報を得るのが日常化しているこの時