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合理的・非合理的での共感視点~スタートアップでのビジネスドメインを考える~

みなさんにとって、本当に助けたいと思える人、誰かしらいらっしゃるのではないでしょうか?

それは、お子さん、パートナー、ご両親、ご友人、恩師など様々でしょう。

ただ、それには必然的に序列があります。その序列は、他人と自分とはことなります。

お子さんが、ごはんを食べたい。といえば、無条件に食べさせてあげますよね?
では、他人のお子さんが食べたいといえば、近所の子と、見ず知らずの子、当然序列があります。

自分の子から順に近所の子、見ず知らずの子。と、共感する対象が離れていくのです。

これ、ビジネスと同じです。
ビジネスターゲットとコアターゲットは異なるということです。

コアターゲットという視点では優先順位は異なってきます。共感の度合いは最も高くなります。
一方で、ビジネスターゲットの視点でいえば、共感とは別次元です。

すなわち、心理的に共感は無くても、お金で解決できることです。
そこに、いくつかのストーリーを仕込んでいきます。それはコアターゲットで培った技術をビジネスターゲットに組み込んでしまうことです。

ただし、それが含まれる要素は、ビジネスターゲットのコアドメインと、コアターゲットでのコアドメインが共通していることです。軸が共通してまったくブレない事業とはこのことです。一瞬ブレているように見えても、詳しく調べるとブレていないのに気づくはずです。

よく大手企業で議論の議題に上るのが、金儲けです。それがないと、生活は当然できませんし、もちろんビジネスだから、営利があってあたりまえです。しかし、その事業、コアドメインがブレていないでしょうか?

よく新しいスタートアップにありがちなこととして、なぜあなたがその事業をするのですか?それはなぜなのですか?という問いです。多くの初期スタートアップのケースは残念ながらうまく答えられません。答えられたとしても、きれいに返すコツがあり、聴いている側が納得できているようにうまくいうケースで、実はよくよく考えると納得できないケースです。

こういったことをビジネスメンターとなる方からビジネスブラッシュアップを受けると、なんちゃっての、大きな勘違いが生まれます。

それは、あなたが助けたいターゲットはだれですか?という質問です。ビジネスターゲットを伝えるのが正解なのですが、ここで、本当に助けたいターゲットは誰ですか?とくるのです。
挙句の果て、そのターゲット、儲からないよね?と、ピッチする人の事業を、バッサリ切り捨ててしまうのです。

これ、計算が狂ってしまっているの、理解できますか?
これが、間違ったメンタリングです。多くの人がやりがちなビジネスメンターの『沼』だとも確信します。
私なら、残念ながら、その瞬間でシャットアウトしてしまいます。もうついていけないと。目線は頑張ります。といいつつ、相手の機嫌を悪くさせちゃまずいと思い、自然に流してしまいます。

すなわち、
『コアターゲット』であって、『本当に助けたいターゲット』ではないのです。すなわち、『本当に助けたい人』でもあるのですが、ターゲットという、顧客にしてはいけないのです。

もちろん顧客にしてもいいのですが、最初に顧客にする必要はないのです。超狭いですよね?
この議論、本当に頻繁に発生するのですが、堂々巡りになりがちです。そのメンターこそ、固定観念を持つ小さな箱から外に出てもらう必要があります。

私も、あなたはなぜこの事業をやっているの?という壁打ちの際、この固定観念から外に出ることに対し、とても抵抗感がありました。なぜならこの事業は社会起業家として始まったことも理由です。

当然、いつまで経っても、事業は成立しません。コアターゲットは、研究開発として据え置き、絶対にほしい人であるのは間違いないのですが、自分が共感しない相手でも欲しいと思ってくれる人たちをターゲットにしなければ、ビジネスは成立しないのです。

なので、結論、コアドメインを活かした成長事業をビジネスターゲットとすることです。しかしながら、研究で培ったコアターゲットの要素は、ビジネスターゲットとして、絶対に必要な要素を知財で押さえておく必要があるのです。そうでなければ、事業価値はありません。
これが、スタートアップが行う戦略なのです。

ですから、コアターゲットは、大衆からすると、非合理的な顧客。でも自分からすると、超合理的な顧客。
ビジネスターゲットは、メインターゲットとなる顧客からすると、超合理的な顧客。コアドメインを持つ事業だから、事業主サイドでも超合理的な顧客として成立するのです。


もうちょっと話を変えます。
ビジネスメンターに話をすると、こういうことがあります。これも大きな勘違いを持つケースです。
儲かるところに行かなきゃだめだよ!
それは当然。なので、あなたができそうな技術で、儲かっている市場はここだからここに攻めた方がいいよ。と。

超合理的ですよね!儲かりそうな市場なので。。

わかる、わかるけど。。
それ、自社の強みを生かせないんですよ。。。と言いたいです。

自社にその戦えるアセットは存在するのでしょうか?

それは、やむを得ません。私も実際にそうでした。新規事業を分かったふりをしていた私のサラリーマン時代がありました。
大手企業の中でも大手の強みがあるから、ランチェスター戦略で戦ってきたことが抜けてしまっている例です。
私も大手企業で勤めていた際、この視点を持ちがちでした。
一度大手企業を離れ、スタートアップの立場から見れば、理解できるかもしれません。

このような指導をする人たちは、非合理的に思えることはよくわかりません。なぜなら、視点が異なるからです。

超合理的な社会では、いかにビジネストレンドをつかむか?
とても大切である。ここに、事業存続という強い命題があり、事業最大化の事業計画があるから、一歩先を読みつつも、目先の売り上げの視点がどうしても最優先してしまいます。

大企業だからこそ、非合理的な視点を持ちたい。それには、共感度です。共感を直観的にとらえることができないが、強引に共感に持って行く視点である。それがフィールドワークであり、顧客を見て、徹底的に研究しつづけ、3回~5回転くらい、研究を深堀りする。だから、私は1年に1回転、計、5回転くらいしないと、いい事業が出来上がらないと考えています。もっと早く見つかればラッキーですが、その深堀りは甘いでしょう。

3ヶ月で成功できる事業もあります。実は近視眼的な売り上げかもしれません。それを深堀りしていたら、本当に深い分野の研究が見つかったということもあるでしょう。それは、事業経営の視点です。とにかくビジネスを探そうということは、大手企業内スタートアップの戦略です。しかし、大手企業ではない、スタートアップにはそんな戦略は取れませんし、力はありません。

そして、スタートアップには時間がない。悠長なことを言っていると、さっと事業をパクられます。
そんななか、近視眼的な売り上げ達成に忙殺されていたら、当然研究がおざなりになります。一見必要じゃないかもしれないが、実は必要かもしれない。周りからすると納得ができず、直観的に非合理的だけど、実は事業を立ち上げる側の起業家の視点では、超合理的な要素としてその研究をする、探求心の先にイノベーションがあると、私は考えます。

ビジネスメンターやベンチャーキャピタリストと話をした瞬間、興味を示してくれない。と思ったら、それ以上お話する必要はありません。せっかくなので、壁打ちで付き合ってもらいましょう。無理に共感を求める必要はないです。なぜなら、いくら説明しても共感度が遠い存在だからです。もちろん、いつか事業が広がった先には理解してくれるかもしれません。一度理解したら早いかもしれませんが、当然、アーリーアダプタになりません。少しでも共感が近く、共感が合う人たちを、まずはアーリーアダプタと考え、そういった人たちを探し続けることが、スタートアップには求められるのです。

ですから、直感的に共感してくれる人を仲間にしつつ、直感的に共感してくれない人には、壁打ちをお願いする。アーリーアダプタにはならないかもしれませんが、それの連続によって、共感者の領域を徐々に広げられることができると考えています。

最悪なのが、全く話が合わないのにチームに加わり、その議論、説得に時間がかかり、コミュニケーションコストを浪費していくスタートアップ。私も過去こんなことがあったのも事実です。皆様にもはっと気づく経験が一つや二つがあるのではないしょうか?

そのため、ビジョン、ミッション、バリューを明記し、チームとしてかかわっていただく条件が必要となります。

自分もまだ成功しているわけではありませんので、偉そうに言える立場ではありません。さて、そろそろ加速しなければならない時がきました!

共感者を、少しずつ増やしながら領域を広げつつ、コアドメインは絶対にずらさない。そのコアドメインには、技術特許が確実に埋め込まれていることが大切です。
ベンチャー企業を立ち上げるのではなく、立ち上げるのはスタートアップなんですから。

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