言葉に媒介されたどのような発見がそこにデザインされているのか
「国語科における言語活動の陥穽」と題された国語教育を研究する住田勝氏の巻頭言から。「主体的・対話的で深い学び」を謳う学習指導要領のもとで協働的な学びは盛んになった。つまり見かけの上で活発な授業は増えた。けれど、国語としての学びは深まっていないのではないか。「テクストの読みや表現の吟味という国語科でこそ錬成されるべき『ことばの力』の深まり」はどうなっているのか。国語科としての「深い学び」の成立、つまりテクストやことばの鑑賞や吟味を重んじる姿勢と協働的活動の両立がいかにむずかしいことか。表題の言葉は、国語教育の研究に携わる者が授業実践に立ち会う時のもっとも根本的な問いかけでもある。
日本国語教育学会の『月刊国語教育研究』2024年10月号より。