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介護職が「やり甲斐は利用者の笑顔デス!」と聞くが、本当に笑顔が一番なのか?を考える。

福祉用具専門相談員含め介護従事者として、何が大事なのかって考えると、やはりそこはその専門性を持って選択肢を示すことなのだろうと思っている。
しかし、選択肢を示すのにも知識や経験は必要だと思うのよ。
そこを経験してこそ、「僕独自の選択肢」が示せる訳で。
じゃ、新人さんは選択肢が示すことが出来ないのかってなるけど、そうじゃなくて、二つの選択肢があることが分かっているなら、きちんとそれを言語化して利用者や家族に伝えれば良い訳で。
言語化にするって、そこに意識があるのかどうかだと思うのよ。
それも、小さなコトに対して。
僕なら杖先ゴム一個や手すり一本。
そして、その杖や手すりのみで、一時間は話せる。
この一時間「話せる」「伝える」ってことが凄いとかどうとかでは無くて、それくらい話せるなら、介護の現場でも「言葉がスッと出てくる」ことになるのだと思う。
僕は、何か一つでも誰にも負けないモノを身に付けてほしいと思っている。
例えば、手すりに関しては誰よりも知っていると思っている。
そんな感じで、
虐待に関しては誰よりも知っている。
トランスに関しては誰よりも知っている。
排泄介助に関しては誰よりも知っている。
薬の副作用だけはたくさん勉強してらから知ってる。
レクだけは沢山勉強してるから知ってる。
何でも良いけど、何か一つだけで良い。
自信が持てるコト。
そこを一つ見つけると、そこから波及することも勉強をしないといけないから、段々と「全て」が繋がっていく。
僕だって、手すり一本を決めるために、利用者のADL、家族の介護負担、経済的な面、他のサービスの状況、他の専門職との連携、介護保険法、ICF、負担割合、家族間の関係性、地域資源の有無などなどを勘案しないと決められない。
簡単に「手すり一本」とは言うけど、その一本を決めるためには沢山のことを当然考える訳で。
排泄介助は絶対に誰よりも利用者に喜んでもらえる!と思えば、当然ADLはどうか、薬はどうか、日々の排泄状況はどうか、食事(形態)はどうか、トイレ内の環境や室内の温度環境はどうか、衣服はどうか、オムツの種類は?、排泄の体勢はどうか、便器の高さはどうか、靴は適切な物なのか、居室からトイレまでの動線はどうか、使っている車いすや歩行器から変な異音はしていないか、汚れていないか、などなど、一つのコトでも、少なくてもこれだけのモノは見ないといけないから、やっぱりそこから波及することを勉強しないといけないだろうとは思う。
当然そこは、個々職員だけでは無理なこともあるとは思う。
しかし外部研修にしても、本人が受けたいと思わないと何の足しにもならない。
自主的にっていうのがホント難しい。
でも、ハコモノの中でずっとやってきてるとどうしてもお山の大将にはなりがち。
自分を脅かす者は排除するし。
そうじゃなくて、高め合うための仲間なんだけどね。
高め合わないと結局皺寄せは利用者にいくのに。
よく介護従事者は「利用者の笑顔が見れるから頑張る」とは聞くけど、否定を恐れずに言えば「笑顔は二の次」ではないかと思っている。
いつも、「笑顔、笑顔」とネットでもよく見るけど違和感があった。
だって、例えば、不味い食事、外出もしない、職員の雰囲気最悪、悪臭がする、みたいな環境なら誰だって笑顔になんてなれないし、喜怒哀楽も出せず、ずっと「怒」か「哀」のままだろう。
ということは、「笑顔」というモノは、先ずは環境整備や、職員間の良好な関係性、安心安全な環境を作る、というような先ずは環境作りが大切で、「笑顔」が真っ先にはこないと思っています。
「先ずは穏やかに過ごせる環境があってからの笑顔」
ここを間違うと少し違った方向にいきそうに思う。
利用者や家族、専門職、職員などの「人」に対して、キチンと自分の言葉で言語化出来て伝えられることをどれだけ出来ているのかが、とても大切に思う今日この頃です。

by inochi

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inochi(フクシカイゴ× 福祉用具×Reform)▶︎▷▶︎note福祉用具部隊長
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