高いか安いか✖兵庫県の制度✖結局50万円損させているのでは?
来年度から、兵庫県の住宅改造制度が変わる。
兵庫県は、住宅改修を行う際、介護保険の20万円とは別に、助成金が出てくれる。
これには、生計中心者の所得額が見られ、所得600万円、給与所得800万円以上だとこの制度は使えないが、それ未満であれば、その所得金額により、助成金が出てくれる。
他の県にもあるのかは、不明ですが、愛媛にはない…。
そう考えると、兵庫県は恵まれているでしょうね。
その制度が、来年度から、限度額撤廃となり、より利用者にとって有利に使えるようになる。
※
そこで、ケアマネの事業所にて、この制度変更の勉強会を今日開いた。
その中で、話に出すのは、この制度が一世帯一回限りなので、原則的には利用者へはこの制度の説明をしなければいけない、ということ。
これまで、何百回と言われてきたことと言えば、
「何故、手すりだけの依頼をしたのに、そんな大きな金額になるような提案をするの?!」
ほとほと良く聞いた。
しかし、この助成金の制度は、初めて介護保険制度を使っての際に、必ず同時に使用しなければ今後一切使えない、という側面がある。(これは、兵庫県内の市によって取り扱いが違います)
その為、この制度を使う使わないは別として、制度を説明しとかないと、後々のクレームに繋がる可能性がとても大きい。
俺自身も、よく遭遇したケースとして、俺が現調に行き、
「この利用者であれば、手すりだけでは不十分だ。」
「この、制度が使えるなら、いっその事将来の事も考えて、浴室の入れ替えを提案しよう!」
ってなって、いざ提案をすると、以前に介護保険を使って工事をしていた。
そうなると、この助成金は使えない。
この事を利用者へお伝えすると、
「何で前の業者さん何も言ってくれなかったの?」
「それに、ケアマネさんも何も教えてくれなかったわよ。」
利用者からすると、使えたはずの制度が、出会った業者によって、本来知り得た情報を教えてもらえなかった。
このケースは、数十件と経験した。
※
これは一重に、
“福祉用具専門相談員にその目線が無かったから”
ついでに言えば、
“そこには居ないケアマネの視線を汲んだ”
これこそが、前述した通り、「何でそんな高い提案をしたの?!」
という、“圧力”。
若しくは、本当に福祉用具専門相談員がその制度を知らなかっただけ。
まぁ、これは、論外ですが。
※
この、助成金の制度、どの位の助成金が出るのか。
俺のこれまでで、一番多く出た利用者で、介護保険の補助金以外に、約50万円以上。
そう考えると、この制度の存在を知ってるのと知らないのでは、雲泥の差だ。
※
話は戻るが、今回の様な勉強会を数回開催し、毎回ケアマネさんに質問したのが、福祉用具専門相談員と一緒に利用者宅へ行き、この制度をみんな説明をしているのかどうか?ということ。
答えは、同じだった。
「説明をしているのを見た事がない」
それは、イコール、ケアマネ自身もしていない。
皆さんが、これをどう感じるのか。
制度は、「損得で使ってはいけない」という考えがあるが、結局のところ、利用者や家族からすると、「損得」で見られる。
綺麗事だけではどうにもならないところ。
制度というものは、役所からは教えてもらえない。
もし、聞きに行っても、制度自体を知らないから質問すら出ないでしょう。
この、“独自の制度”というのが曲者です。
出会う人により教えてもらえる情報量が変わる。
仕方ないことだけど、自分の出会った利用者には“損”はさせたくない。
しかし、今回の勉強会で聞いたこの「誰も説明をしていない」ということは、非常に福祉用具専門相談員の資質と、その場にいるケアマネの資質が問われる問題です。
福祉用具専門相談員は、何度も言うようだが、
「貸与、購入、住宅改修、制度」の四つを組み合わせて提案が出来なければならない。
先日も書いたnoteで、「高い安い」で福祉用具専門相談員は見られがちだと書きましたが、よく考えると、その一つの提案をしていないだけで、50万円という“損”をさせてて、何が高いのか。
50万円(所得によっては、助成額が数万円の事もあります)を出す提案をする、その一つの提案の方が貴重ではないか。
※
※
確かに、俺自身は、建築の出ということもあり、特に住宅改修の提案は怖くないというのもあると思いますが、しかし、この制度というものばかりは、得意不得意では済まされないことだと思っています。
やはり、「知ろう!」という気持ち。
ケアマネジャーでもそう。
前向きなケアマネジャーや、向上心がある、どうすれば利用者の生活が良くなる?と考えているケアマネジャーなどは、自分から情報を取りに行く。
そして、公的な制度だけではなく、インフォーマルな資源の情報や、人脈を作り上げていく。
そりゃ、のほほんと毎回同じ内容のケアプランを作っているケアマネとは比べ物にならない。
これは、どの職種でも同じだ。
福祉用具専門相談員も。
ケアマネジャーは人により、介護保険の頂点に君臨している!みたいなことを思っているおバカさんがいるが、これに関しては、福祉用具専門相談員も、「自分が属している職種の中」で、「俺はNo1になる!」と思い頑張るのは良い。
俺がそうやから。
しかし、それを、対他職種の人に向けたらダメ。
だって、専門分野が違うのやから。
他職種に威張っても、小馬鹿にされるだけ。
介護保険制度の頂点!なんて、恥ずかしくて言えないわ。
だからこそ、対等に専門職同士が話し合えるよう、勉強しないといけない。
福祉用具専門相談員は、本当に大事な立ち位置にいます。
このnoteを読んで頂き、近くの福祉用具専門相談員に伝えてほしいと思います。
そうなったら、本当に嬉しいな。
いつか、必ず全国を回って広めたいと思います!
by inochi
「サポートしてくれたらモチベーション上がります!良いと思ったらサポートしてください」