授業の準備は一体どこまで?②【考察編】
授業準備が全く追いついていなかった、教員生活1年目。
小学4年生の2学期。図工のコロコロガーレ(ビー玉の立体迷路)の授業についての失敗談。
(前の記事を読まれていない方は、【エピソード編】を読んでから戻ってこられた方がよいかと思います)
さて、迷路が成立しない作品が次々と生み出されてしまった迷指導。子どもを迷宮入りさせないために、改善点を2点に絞って挙げていく。
1. 完成形のイメージをもつ
私は、この授業が始まる前に、単元の始めから終わりまでをイメージできていなかった。
山登りで例えるならば、「ゴールを分かっていない案内人が道に迷いながら『こっちだ!』ととりあえず指示し、児童が思うがまま好きな方向に進んでいった結果、本来進むべきゴールに到着した児童はほとんどおらず、各々がゴールだと思った場所にたどり着いた」ような状態。今回の単元は、迷路。だから、スタートとゴールはまず必要。しかも、3段の立体迷路なので、1、2段目と2、3段目のビー玉が落ちる位置を考える必要があった。
また、ビー玉を転がす関係上、ある程度の強度がないと、仕切りが倒れて壊れてしまう。そうした完成形のイメージをもてば、どんな作品を高く評価するかも想定できる。
せめて、初回の授業前日に説明書ぐらい目を通せたら…と思うのだが、当時はそれもできないくらい切羽詰まっていた。では、そういう場合はどうするか。
2.先輩の先生や、この単元を教えたことのある先生に聞く
同じ学年の先輩の先生なら、先を見据えて授業を考えているだろう。そこで、たった一言「次のコロコロガーレって、どんな形で指導されますか?」と聞くだけ。そうすれば、自分がその単元を教えた経験がなくても、見通しがもてる。
もし、学年の先生が忙しそうで聞けなかったら、昨年度の4年生の担任の所へ聞きに行く。その単元を、最も直近で教えている人だからだ。図工で作る作品は、毎年そう大きくは変わらない。だからこそ、昨年教えた経験から得られるものは大きいだろう。
自分にノウハウがないなら、人に聞く。だが、当時の私にはそれができなかった。こういう苦い経験を積んだからこそ、今でも分からないことがあると「分かりません。教えてください。」と人に聞けるようになった。学校の先生は教えるのが好きな人が多い。お時間を使って教えていただいた後は、心を込めて「ありがとうございました。助かりました。」と伝えれば、きっとこれからも快く教えていただける。
年間約200日ほどの授業。
特に、小学校だと、すべての教科において十分な教材研究をするのは難しい。だが、少なくとも、「この授業の勘所はここだ」と言える状態にして臨めるようにはしたい。そのために、自分でやって教材研究してもいいし、他人に聞いてもいい。どちらにせよ、自分のキャパシティーの中で無理なく準備をしたい。
このブログでは、現役教員としてたくさんの失敗を積み重ねてきた私が、当時の失敗を今ならばどうするかという視点をもち、書いています。教師として働いている皆様に向けたヒントとなることがあれば幸いです。
また、時には教育の世界に向けた私自身の思いを語る場になることもあるでしょう。
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