三方の小品【19:お正月】
〇〇に入るキーワード普段は、「配信中にスターとコメントのキリバンを取っていただいたリスナーさんにリクエストしていただいたもの」を使用しているのですが、本日は企画「 #noteで語るIRIAM生活 」参加による新年特別版です。ぜひ、 #noteで語るIRIAM生活 、 #バーチャルな私 を見てみてくださいね!
本日はトルテの他に、夢乃ほのかさんのnoteも更新されていますので、ご覧あれ…!
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それでは、鎌倉屋トルテという少女の思い出や、頭の中に触れていってくださいな。
お正月
お正月 (テキスト版)
内容は上の画像と同じです。
年の初めのなんとやら。外からとんてんとんてんと、祭囃子が聞こえてくる。ふんわり美味しそうな香りまで漂ってきて、布団の中ながらにんまりと口角が上がってしまう。と、思った次の瞬間。布団の中ですって!?
ばっっ!と、布団を飛び出して、昨日磨き上げた廊下に転がり出る。こんな日に限って寝坊をするとは何事か!早く…お正月の朝の準備を…しなくちゃ!
ばたん!
キッチンに駆け込むとそこにはもう人影はなく、美味しそうなお雑煮がちょうど一人分出来上がっていた。その横には先日みんなで買い出して作ったおせち…と、卵焼き。それらと共におかれていた筆跡の違う二つのメモから、作り主たちはすでにもう外出をしたことを知る。ふんっとため息をつき少しだけ肩を落としつつも、息を吸い込めばもう一度ニッコリ。ササっと身なりを整えて一人、机に向かって手を合わせる。晴着を汚さないように、前掛けを忘れずに。
すぅっ…とお雑煮を一口飲み込めば一年ぶりの懐かしい味。変わらない味、安心の味。作った張本人は今頃釣りでもしているのだろう。それからまだ荒熱の取れていない卵焼きに箸を入れると、じゅんわりと出汁が溢れ出す。口に食めばほろりと蕩けて、空腹の身体に染み渡っていく。一つ一つ、おせちに込められた意味を頭の中で反芻しながら私は確信した。今年もきっと、良い一年になるだろう、と。
初出:2022年1月1日
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こちらのnoteは以下の企画に参加しています!
💎期間:2021年12月29日~2022年1月8日
👓場所:各ライバーのnoteアカウントにて
🖊Nextメンバー: 南足りんたろう
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