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そこは「愛情の「愛」と書いて「めぐみ」」の中島愛だからこそ為せる業。~中島愛が引き寄せたアポーツ(引き寄せ)の3曲。

いくつかシノプシス部分だけは多いのだけど、ちゃんと
一本に纏まっていない。近況日記は出したばかり。
朝から一本も仕上がっていない。

といふことでひとっ風呂浴びてやはりこのネタから書く
かと。懸案の茨城が生んだ「ハナシがわかるアイドル」
にして「アイドル研究家」としてもリスペクト出来る、
それが中島愛(めぐみ)。

ちゃんとそこが「愛情の「愛」と書いて「めぐみ」」に
沿っているのも流石のアポーツ持ちだとは思うのですが。

(ま、豚局のドラマパブリシティは人々に膾炙しにくく
「少女民俗学」並みに淡く消滅しやすい特性が強かったり
するので、時々掘り起こす人間がいないとまるごと忘れ
去られてしまうのだろう。因みに昔見てた方には説明不要
だけど、ここを結びつけて語る人は皆無なので、だったら
私が介在することに意味はあるんだろうと)

「愛情の「愛」と書いて「めぐみ」」はバブル絶頂期で
本田美奈子の出世作「One Way Generation」が主題歌で、
当然秋元康も関わり、ニュースキャスター役をやってた
田村正和の居住地の隣人を所ジョージがやっていたりも
したTBS系のドラマ「パパはニュースキャスター」の
主人公の口説き文句の一節、ですね。

 そんな「愛情の「愛」と書いて「めぐみ」」の名前を
持つ中島愛が初めて「Anison Days」に出た時のこと。

思い出の曲のルーツで『こどものおもちゃ』を出してきた
のが何よりリテラシー高い!

でもつべにあるかな、といふことで。
お目当て的にはこの曲になるんですが。

1.ALWAYS BE WITH YOU(『こどものおもちゃ』メインテーマのバラードver.)

元のイメージ曲はこの作品の基本であるサンバのリズム。
(SAMBA SAMBA)のバラードバージョンをあえてエピソード
に絡めて語るあたりが「リスペクトベース」しかない
中島愛だからこその為せる業ですなあ。

『こどものおもちゃ』はOVAが好評だったのに、その
キャストを取らず『りりかSOS』の直後に鳴り物入りで
スタートした為に、キャストも音響も音楽も真っ二つして
いく形で進行していきました(その結果が2クール目辺りで
参加する人数が極度に減っていたとも)。

特にキャストは音響監督と大地丙太郎監督とが歩調を
合わせられず喧嘩別れとなり、加山のマネージャーやってた
八嶋智人が降板したり、音響監督浅梨なおこも含めてこちらは
「三谷映画」の礎を築いていくのですが、KSSスタジオや
代アニのスタジオなどを渡り歩いてタバックに落ち着くまで
一年以上試行錯誤したんだっけ。

で、音楽パートも二つの方向性があって、この「ALWAYS BE
WITH YOU」や「SAMBA SAMBA」を作曲したのは富田恵一。
 まあ後見言われるところの『こどちゃ』末期頃にはMISIAの
「Everything」とキリンジの「エイリアンズ」を同時に
プロデュースしてて同じ月に二枚ともリリースされる、という
偉業を成し遂げて「関ジャム」でも特集された富田ラボさんが
『こどものおもちゃ』3枚のサントラに総て関わっています。
そこを突く中島愛はだからこそ恐るべし、なわけで。

でも大地丙太郎監督が寵愛してたのが後にダブルオーツ
となる武藤星児と安部純のコンビ。ナベシンを作詞に巻き込み
つつ、小六隊の企画ソングも含めて2枚目あたりからいよいよ
蚕食し始めるのでしたっけ。

ダブルオーツ(Double Oats)の流れはここからおそらく
『フルーツバスケット(初)』あたりまで連綿として続き
ますが、その中ほぼ唯一に近い形で入っているALWAYS BE WITH
YOUのMEMORY OF 76 VERSIONのバラードがなかなかいいの
ですが、果たしてありますか。

幾度もくじけそうになりながら、ランカの役柄が途切れる
ことなくなったお陰でコンスタントに活動出来た中島愛が
松竹×竹原メインの御当地アニメ「たまゆら」で大きな
役割を果たした一曲が次に紹介する「神様のいたずら」。

2.「神様のいたずら」(TVアニメ『たまゆら~hitotose~』ED1)

https://m.youtube.com/watch?v=BqMldAqb8RQ

初回登場時の「Anison Days」(第95回)でも最後に歌って
いたこの曲ですが、全シリーズに渡ってニューミュージックを
網羅しブチ抜いている『たまゆら』シリーズの中でも特に
強い意味合いを持つ一曲。「男ユーミン」の異名を取った
大江千里の書き下ろしにして、東日本大震災後に書かれた
この曲の意味合いについてはライナーノーツで音楽PDの
福田正夫氏が過不足無く書かれておられます。

 OPをユーミンが書き下ろす(坂本真綾「おかえりなさい」)
ことが決まった瞬間から、僕の心の中ではEDの詞曲を大江
千里さんに依頼したいという気持ちが芽生えていました。

「男ユーミン」の異名をとり、珠玉の名曲を量産し続けてきた
千里さんは、まさにユーミンに対抗し得る唯一無二のメロディ
メイカーであると確信していたからです。

 この曲を発注した後に東日本大震災という未曾有の大災害が
日本を襲い、それからほどなくしてニューヨークに住んでいた
千里さんから送られてきたこの曲のデモテープを聴いて、僕は
人目も憚らず涙を流しました。

すぐに佐藤(順一)監督にも音源を送ったのですが、
「昼食の弁当を食べながら聴いていたのですが、途中で泣いて
しまいました」との返事が。

起きてしまったことはとても悲しいことだけど、その悲しみを
乗り越えて私たちは大人になっていくんだ・・・・・・

福田正夫(Flying Dog音楽プロデューサー)『「たまゆら主題歌
コレクション~卒業写真~」制作雑記』

個人的にはこのジャケットが飾られていた竹原の店もまた
思い出深いところです(ED等にも随所に出てくる山口名物の
「瓦そば」をここ独自のスタイルで、竹原で食べさせてくれるお店)。

3.『星間飛行』(アニメ『マクロスF』IS・OP)


「マクロス」が少しづつビックウエストからしたことを
如実に示した『マクロスF』において、一過性のDIVA曲とは
一線を画した普遍性がありかつ長く歌い継がれる希望の曲でも
あったのが御存知松本隆作詞菅野よう子作曲の『星間飛行』。

松本隆側のアプローチがなされていた文章はネットで一時期
存在していたのですが、川勝正幸が亡くなったことでロストし、
後に書籍にまとめられたかとも思うのですが(松本隆×菅野よう子
の対談、ってもあったかと)、ひとまずサルベージしてた文章は
一応存在するので、まずはそこから。

松本 (『マクロスFRONTIER』で音楽を担当する)菅野よう子さん
   から連絡が来たんだ。菅野さんといえば、3年前に『大航海
   時代Online』ってゲームを風街茶房のスタッフで遊んでたん
   だけど、その音楽を彼女がやってたのを覚えてる。海ばっか
   りのゲームだったから、延々と音楽が流れていて擦り込まれ
   ちゃって・・・・・・お世話になってたんだよね(笑)。
--(多分聞き手なので川勝)当時『大航海時代』はけっこうハマ
   ってましたね。
松本 うん。菅野さんって才能あるなぁと思って。あとは『カウボ
   ーイビバップ』(1998年)ってアニメの音楽もやっていて、
   それはジャズなんだよね。そういう僕の好きなものをいくつか
   作っていて、この菅野さんって人とはいつか仕事することが
   あるかな、と思っていたんだ。
-- すでに予感はあったんですね。
松本 だから、「マクロス」をやりたくてもやれなかった、というの
   と、「歌が人類を救う」ってテーマ、それから「菅野さん才能
   ある」っていう、これだけ重なると、この仕事はやりたいと
   思うんだ。

季節の松本 第11回「アニメソング(前編)」銀河一のアイドルのデビュー曲

珍しく歌詞アナリーゼ(分析)も自曲解説でやっているけれど、
有名なシリーズの三部作の一つにもなる感じだった、といふ
有名なフレーズの部分から先にリライト。

-- 「星間飛行」で印象的なのが、サビの直前に入る「キラッ!」
   っていう叫びですよね。「星間飛行」を劇中でランカちゃんが
   歌う第12話では、「キラッ!」と叫ぶカットがすごく良かった。
   そのポーズがそのままCDのジャケットになってますけど、
   あれはどういう経緯で生まれたんでしょうか?
松本 最初に菅野さんから曲をもらったとき、サビの頭に音符が2個
   あったから、それに「キラッ」ってつけたんだ。メロディ的には
   「キラッ 流星にまたがって」とつながってた。ただその2個
   の音符がわりと低い音だったから、「音が勝っちゃうな」と思って
   たんだ。レコーディングに行ったら、菅野さんも同じことを考えて
   いたらしくて、突然あの部分を「キラッ!」って叫ぶように変え
   たんだ。
-- 直前にああいう形にになったんですね。
松本 そのとき僕は内心、苦笑していたんだ(笑)。マンガでいうと、
   こめかみに汗がたらり、みたいな。でもそういう意味では、
   菅野さんはアニメを熟知していると思った。
-- まさにそれがハマっていて、劇中では「キラッ」にあわせて星が
   飛んだりして、いい演出になっていましたね。第12話の、あの
   バルキリーに載って歌うシーン自体すごく良かった。
松本 うん。詞の意味をすごく理解して表現してくれてたと思う。
   風防が開いて、ランカが機体の中で立ち上がったときの不安定感
   みたいなのは、僕の詞にすごく合うと思った。僕は嬉しいよね。
   心の中で拍手!って感じ(笑)。
-- すごく良くて、何度も巻き戻してみちゃいました。
松本 実は、菅野さんに詞を渡す前に、タイトルを迷ってたんだ。
   「星間飛行」だけにするか、「星間飛行、キラッ」にしようか
   って。僕の中ではその語感のシリーズがあってさ、「赤道小町
   ドキッ」(山下久美子)と、「誘惑光線・クラッ!」(早見優)
   っていう。
-- なるほど!もしそうなってたら三部作ですね。
松本 うん。昔ならそうしたと思うんだけど、今は時代が読めないから
   ね、やりすぎかなと思って。結果的には、もしかしてそっちの
   ほうが売れたかもと思うんだけど、今回は歌の中だけにしておいた
   んだ。そういうのはいつも自分の中で迷ってるわけ。でも今回は、
   「星間飛行」って重めにしたんだ。

季節の松本 第11回「アニメソング(前編)」バジュラにすら愛される究極のラブソング

https://www.amazon.co.jp/dp/B0018DEXN8?tag=miimiimii-22&linkCode=ogi&th=1&psc=1

歌詞アナリーゼ(分析)・自曲解説はもう少し余裕があったら
追記するかも。


といったあたりで本日もここぞの「選曲の三曲」、そこは
「愛情の「愛」と書いて「めぐみ」」の中島愛だからこそ
為せる業。~中島愛が引き寄せたアポーツ(引き寄せ)の
3曲、でした。