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金谷武洋「日本語は亡びない」(ちくま新書)-「この本取って出し」

さて、では出来るだけ軽く書けるネタで、といふことで
「この本取って出し」。1回目はこれにしますか。

金谷武洋「日本語は亡びない」(ちくま新書)。

一応北海道で本にまつわる職業をいろいろうろついていた
人間としましては、「中学生はこれを読め!」などの
亡くなられたくすみ書房の久住さんと「一万円選書」の
いわた書店の岩田さんのルートは踏破済みではあるの
ですが、これは道新で連載してたいわた書店の岩田さん
ルートで購入し、読んで納得した一冊。
(確か紹介していたのは2010年3月28日の北海道新聞
「ほん」欄の「誇らしい文化、日本語への愛」かと)

ベースになる言語をある程度磨いておかない限り、
上から知識の雨を降り注いでも、利かない、ってケースは
沢山あるよね、といふ実例と実地の証言が盛り込まれた
良書の一冊(特に「堀川」といふ概念を持ち込んで
いるのが素晴らしい)。
 まあ売れた本をベースにのカウンターではあったので、
水村美苗『日本語が亡びるとき』を想起しなければ如何
ともし難い一面はあったのですが、あっちのいかにもな
「被害妄想のび太くんぶり」には辟易していたので、
それを嗤い飛ばすには格好の一冊ではあると。

 一応元図書館司書なんですが(主に担当してたのは
産休の代打だったので児童書担当がメインでした)、
取次の棚卸しバイトを皮切りに、書店・図書館そして
果てはセドリに近い市内の古書店巡りが職業に近く
なっていた時期もあるtorovの人生の支えになった
うちの一冊でも御座います。