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曼荼羅フライト 〈詩〉

太鼓の音に
鐘の音が重なるとき
ふっと軽くなる
輪のひとりになる

光に溶けたような
闇にまぎれたような
形は消えても
気配は残る

まわるまわる
水に流されるように
それとも蝶の乱舞
後に続いて連なるのに
決まりは何もなくて
きみとすれ違うときに
気づいてくれなくても
ひとり微笑む
湖面にはさざなみも立たない

枝分かれしたりひとつになったり
ただ泳ぎ回っているだけで
何かを描いている
わたしはわたしで
きみはたしかにきみだけど
解き放たれたまま転がってく

浮かぶ浮かぶ
まわるまわる
流されゆくさまは
終わりなきベルトコンベアー
苦痛のない旅を続ける仲間たちとともに

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