2020/9/13(うたの日366)
スカートの裾からのぞくマカロンが6つ並んでメトロを走る/ひかがみひかる
(2017/12/9「膝」)
一読して、なんのことだろうと思ったりするのだけど、だんだんと腑に落ちていいなと思う歌。「マカロン」は膝小僧のことなんだろうけれど、これは、すごく良い比喩だと気が付く。…マカロンのあのひび割れのない、でも本当は壊れやすい表面。小ささとパステルカラーのあの感じが、歌のなかでは描写されていないけれども、きっと幼い少女たちの「膝」なんだろうな、と解る。また細かいけれども、「6つ並んで」という状態で、三人の女の子たちが座席に横並びに座っているのだと即座に解る。かつ、「並んで」は何処となくショーウィンドーにマカロンが並んでいるような状況も想起させて面白い。
マカロンにはそれぞれ色があるので、メトロのなかで喋っている少女たちの三人の個性がそれぞれ出ているようにも感じられる。主体のただその膝を「マカロン」と喩え方がすごくフラットで、きっとただ本当に「マカロン」みたいと思っただけのような視点もとても良かった。
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