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うたの日366

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うたの日で好きだった短歌に拙いながら評を書いています。主にいいねいいねと云っています。 一日一首、毎日更新。
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2020年7月の記事一覧

2020/7/30(うたの日366)

視力なき魚たち生きる深海に雪として降る鯨の精液/梶原一人 (2018/1/8「精液」) 一読してす…

toron*
4年前
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2020/7/29(うたの日366)

フルートの音は人工衛星に届かず 孤独の色は透明/朝田おきる (2020/1/11「笛」) 不思議な…

toron*
4年前
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2020/7/28(うたの日366)

てのひらを拳にかえた出来事をつつむのもまたてのひらだから/安達せきる (2019/11/24「拳」…

toron*
4年前
5

2020/7/27(うたの日366)

マーメイドマヨネーズっておにぎりがあるんだ岬の青いコンビニ/久哲 (2016/11/23「おにぎり…

toron*
4年前
5

2020/7/26(うたの日366)

「ラッキー」と相手のミスに手をたたくときに生まれて遠ざかるもの/倖 (2019/9/28「ラッキー…

toron*
4年前
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2020/7/25(うたの日366)

人を噛んだことがないならわかんないでしょうあれだけ日が燃えるのも/小泉夜雨 (2020/1/25「…

toron*
4年前
7

2020/7/24(うたの日366)

失恋の影響もなくマキちゃんの在庫チェックは今日も完璧/木鼠 (2015/4/13「響」) マキちゃんすごいな…と思う一方、そんなマキちゃんの詳細を知っている主体との関係を考えると面白い歌だと思う。職場の同僚で、マキちゃんと親しいんだろうな、と。個人的にも親しくて、失恋した日に電話でその話を聞いたのかもしれないし、昼休みなどにその話を打ち明けられたのかもしれない…ただ、それだと「失恋の影響もなく」がドライすぎるというか、「影響のないように見せている」ことが解っているので、その表

2020/7/23(うたの日366)

片仮名の「ロ」を四隅から押しつぶしイビツな星にしては放った/ねむけ (2016/8/22「仮」) …

toron*
4年前
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2020/7/22(うたの日366)

キッチンは武器庫であるにも関わらずだれにも毒を盛らずに母は/青海ふゆ (2020/4/21「武器」…

toron*
4年前
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2020/7/21(うたの日366)

まだ割れちゃいけない皿が割れたときの侍女Bのアドリブが良かった/森下裕隆 (2018/11/20「割…

toron*
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5

2020/7/20(うたの日366)

南風はらんで白きブラウスは帆船としてゆく丸の内/水底 (2019/6/4「南」)すごくかっこいい…

toron*
4年前
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2020/7/19(うたの日366)

泣きながらボタンを押せば掃除機にまっすぐ帰ってゆくコンセント/からすまぁ (2020/1/11「泣…

toron*
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2020/7/18(うたの日366)

さけるチーズを丁寧にさいている @mayonaka.jp/かたゆまちゃん (2016/4/20「@」) 「@」部…

toron*
4年前
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2020/7/17(うたの日366)

神になる訓練を受けている兄が毎日欠かさずいいねをくれる/ヨノハル (2016/3/20「ニート」) じわじわくる…好きです。題自体は詠み込まれていないのだけど「ニート」部屋の短歌だということを考えて読むと、まあ、きっと兄がきっとそれなのでしょうね…。働かないひとがなんで働かないのか、理由は多々あるのだろうけれど家族からすると常に爆弾をかかえているような気持ちになるんじゃないだろうか。…個人的な嗜好なのだけど、自分は働かないひとの「聖性」みたいなものにすごく惹かれる気持ちがある