2020/1/25(うたの日366)
アリ埋める出てくる埋める埋める出る 死なない死なないきっと死なない/ひろり(2019/8/23「埋」)
すごい歌だと思う。上の句は状況描写、下の句が感情描写になっているのだけれど、下の句を思うあいだも主体はずっとアリの巣を埋めていると思っていいだろう。楽しいとも、アリの巣を埋めなければ、というような切迫感も描かれておらず、それが逆にとてつもなく不穏な感じをにじみ出させていて、怖い。怖さに成功していると思う。
また、この歌で特筆すべきは結句の「きっと死なない」というところだろ