スピラ旅行記 その41
さぁ。
ルールーの悲しい過去を乗り越えたら出発です。
いざ、ガガゼト山へ。
こんな不気味な洞窟へはもう二度と来ないでしょう。さらば。
シンの爪痕を渡すように橋がかかっています。山から冷気が下りてきていることでしょう。ユウナは少し立ち止まって景色を眺めています。
ときどき・・・あんな顔で風景を見てた
と話すティーダ。
思い返せばビサイド村を発つ時もそうでしたよね。
ミヘン街道の夕焼けもそう。
物語の真相に近づくにつれて色んなピースが見事にはまっていくんです。ユウナに対してもこの旅を通じてすっかり感情移入してしまっているから、悲しさのシンクロ率がやばい。
この橋を越えられた召喚士は本当に数えるほどしかいないのでしょう。
地図上ではもうすぐそこまで来ています。最終目的地。
こうして見るとずいぶんと遠いところまで来たなぁ・・・としみじみしますね。
すぐさま雪景色に変わります。
ここのBGMが素晴らしくてですね。極北の民という曲なんですが、静かだけど力強く見事にこの厳しい雪山を表現しています。
車とかで聞くと体感温度2度くらい下がるのでこの猛暑の中で聴くと熱中症対策になると言われています。
ちなみにビーカネル砂漠の曲は逆に体感温度が2度上がります。
サントラにだけ特化したコンテンツも作りてぇぇぇぇぇぇx
ユウナ達がふ入山口に到着すると立ちはだかるようにビランや元老師たちが現れました。ここはキマリの故郷。代々ロンゾが守ってきたエボンの聖なる御山です。召喚士の旅を邪魔するようなことは本来あり得ないのですが、この段階でユウナ達は教えに背く反逆者。当然入山拒否をされるわけですね。
老師を辞めたケルク。
シーモア達に殺されなくてよかったとホッとしました。
この時点でマイカからユウナ達の殺害命令がでているはずなので問答無用で襲われても仕方ないところですが、ケルク自身例の裁判に疑問が残るところが多かったのでしょう。危害を加えるでもなく立ち去るよう告げに来ます。
しかしここはロンゾの土地。そしてエボンの山。押し通るわけにもいきません。さて、どうしたものか。
エボンの教えに反する汚らわしき人間は御山の土を踏むことすら許さないといった姿勢です。しかしユウナも強い姿勢を崩しません。
「寺院は教えをゆがめ、スピラを裏切っています」
「わたしは寺院を捨てました。もう寺院の命令には従いません」
言いながらきっと悲しかったことでしょう。
「裏で小細工ばっかしやがってよ!」
ワッカも怒り心頭です。寺院に歯向かうような発言、少し前まで考えられませんでしたが、それだけ裏切られた気持ちが大きいのです。
うしろでそうだそうだ!と乗っかる2人が可愛い。
君ら教えなんか信じてなかったくせに。笑
この対格差、キマリ小さいロンゾと言われていたのは本当だったんですね。
ビランが特に大きいのかもしれませんが。
「お言葉ですがケルク=ロンゾ様。あなたもベベルを離れたのではありませんか。」
「それでも山を守るのは一族の誇りのため。ユウナも同じだ。」
ルールーとアーロン、ナイスです。
そう。もうユウナの覚悟は自分自身の覚悟であって、エボンは関係なくなっているんです。そんな次元じゃないんだよ。
ルールーとアーロンのたとえ話が刺さりました。
今度は疑問がわきます。
「反逆者の汚名を着せられてなおシンに挑むというか。」
仮に倒せたとしてもきっと他の大召喚士と違い何の名誉も与えられないでしょう。何がユウナを突き動かすのか?なぜそんな辛い目にあってまで前に進もうとするのか?
「スピラが好きです」
「ナギ節を待つ人たちにわたしができる たったひとつの贈り物」
それだけです、と静かに力強く話すユウナ。
ガードのみんなも力強いまなざしで前を向いています。
こんな健気なユウナの気持ちをこれ以上踏みにじるなと思ったことでしょう。
参ったと言わんばかりにうつむき、首を振るケルク。
心を動かされたケルクは一族に道を空けるよう命じます。
元とは言えスピラの指導者に「まこと 見事な覚悟である」と言わしめたユウナ。その堂々たる姿勢にルールーも驚きを隠せません。素晴らしいシーンでした・・・。
一同ほっとした表情を浮かべます。
ティーダとワッカはじゃれ合って喜び、リュックは親指を立ててよし!よしっ!と言った感じ、ルールーは頭に手をやりやれやれと安堵する様子がすこし映ります。
そして実はアーロンは口元を隠して笑うんです。
アーロン自身ユウナに対して見事だと思ったのでしょう。賞賛しているんですよ、こっそりと。んー!お父さん見てますかー!!??
さっきの件といい、ワッカが本当変わったんですよね。自分の目で見て耳で聞いたものをしっかり消化してね。これからは盲目に何かを信じたりせず民族差別もしないでしょう。
この旅を通じて最も成長した一人だと思います。
弱いひとが必死になっても自分を追いつめて壊すだけ。ユウナはちゃんと前に進んでる。だから強いのよ。というセリフもぐっときますね。
大丈夫。ルールーもちゃんと前に進んでるよ。
何百年とこの世界の土台を作っていたエボンの教えが根底から覆りつつあります。特にマイカが指揮しているこの50年間は大きな変化を起こさなかった国ですからね。ここに来て老師が3人抜けて、もうエボンサイドはぐちゃぐちゃですよ。
10年前、どうだった?と聞くとアーロンはほとんど覚えていないと答えます。「どうやって ブラスカを死なせないようにするか・・・そればかり考えていた」と言います。
旅を続けるうちにどんどん友情が芽生えて育まれて、そりゃリュックみたいに悩んだことでしょう。旅を経験させてから信頼関係を築いてから死別を迫るこの究極召喚のシステム本当に酷だと思います。
血族ではなさそうですが、山を降りたキマリを心配する者もいます。戻ってきたことがエボンのたまものだと言っています。ただ「思い残すことはない」というのは少々大げさにも感じますが・・・。やっぱり親族なの?その割にドライだよね?
ロンゾ族、特に男性にとって額の角は強さや誇りの象徴です。それを失ったキマリは恥ずかしくて情けなくて逃げるように山を降りたと思います。まだ若かったはずです。
その当時を知っている一族はたくさんいますが、その時の様子と比べて色んな話が聞けます。彼女からは「今のキマリに恥じている様子はない。ツノよりも大切なものを手に入れたか」という発言。
それがユウナだったりガードとしての誇りなんですよ。良い話。
ロンゾ族はよく力比べをします。強い戦士という称号を誰しも求めます。そんな中若かりしキマリはビランに勝てずにいましたが、負けを一度も認めなかったと言います。
何かずるをされていたのか?と一瞬頭をよぎりますが、ロンゾ族はみんな正々堂々バカがつくほどまっすぐな民族です。ずるは考えにくいでしょう。
負けを認め、次の機会をうかがえばよかったのに、若さゆえか参った!ということはありませんでした。何度もそうしているうちに負け犬の遠吠えに腹を立て、ビランはキマリの大事なツノを折ったのです。
自尊心の象徴でもあるものを壊さなくても・・・とは思いますが、当時ビランも若かったはずです。お互いカッとなってしまったことによる事故の様な出来事だったと考えています。
でもまぁ、これに関しては完全にキマリが悪いでしょう。
しかし意外なのはこの件から無口になったということです。
それまではビランやエンケのようにおしゃべりだったのかと思うとその時代のキマリも見てみたかったですね。
さて入山口に入り、少し装備を整えて先へ進もうとするとビランとエンケが立ちはだかります。おいおい。君らの長が道を開けろと言ったのに規律違反じゃないかね。
いえ、言い分はこうです。召喚士もガードも通す。キマリは通さない。
キマリは一族を捨て御山も捨てた、弱いロンゾだから、山に入る資格がないということです。
ロンゾの2大戦士はキマリの入山に納得できないのです。
今回は意地悪というよりは一族の誇りのためですね。そりゃ筋が通りませんからここは彼らの言い分が正しいでしょう。
ティーダが俺も手を貸すぜ!といった具合なんですが、これはキマリの問題だと拒否します。いざ過去の因縁に決着をつける時です!!
2対1ってずるくない?正々堂々と言えない気がするんですが・・・笑
まぁまとめてやったりますよ。かかってこい。
しかし体格全然違いますね。そりゃちょっとキマリ馬鹿にされちゃうわけだわ。(実際パーティに全然入れてないから弱々なんですけど)
これ昔ここで詰んだのいい思い出だわ~。キマリ勝てない!レベル上げしようにもすぐ死ぬ!を繰り返して泣いてました。どうにもできん。
まぁ今回は最低限レベル上げときましたから。何とか勝てました。
戦闘ついでに竜剣で山盛り技盗んでおきました。
一回くらいキマリを主力で育ててみるのもありなんだけどなぁ。
負けた後は潔いです。キマリの立派な成長を認め、喜んでくれます。そして御山に向かって高らかに宣言します。ロンゾいちの戦士を負かしたキマリの名前を。
ガガゼトは弱いものを拒むが、強き者と知った今はキマリを受け入れるだろうと背中を押してくれます。無骨で不器用な優しさですがユウナは感謝の気持ちを述べます。
すっかりユウナ一行に惚れこんでくれたのか、寺院の追手も食い止めると言います。そこまでしてもらったら君たちの立場が・・・と思いますが、ご厚意ありがたくちょうだいしておきましょう。
キマリも堂々としています。過去の因縁に決着がついてよかったですね。
シンを倒した後はユウナの像を磨いてやるとビランたちは言います。しかしユウナは「わたしは反逆者ですからきっと像はつくってもらえません」と俯き話します。
ならば ロンゾが作る
りっぱな ツノをつけてやる
と彼らなりのジョークを交えて優しい言葉をかけてくれます。
歴史に残らなくても、ユウナの偉業はこうして語り継がれる未来があったかもしれませんね。
歩き出すとまた「召喚士 ユウナ!」と怒鳴り声にも近い大きな声で呼び止められます。ティーダは「しつこいっつうの!」と少し苛立ちますが(私もまだなんかあるんかい!とつっこみました。笑)
そんなことを思ってしまってごめんなさいと思う贈り物が。
ビランとエンケが祈りの歌を歌ってくれたのです。下手くそだけど力強い、なんだか勇気が湧いてくるようでした。
それに合わせて一族が集ってきます。みんな祈りの歌を歌ってくれます。低音の響く力強い合唱です。不器用な彼らが一丸となってユウナを信じて送り出してくれたこと、本当に嬉しいですね。
さぁ。厳しいガガゼト山、突入です。