【オリジナルTRPG集】マグロバイブル トリロジーについて_冥灯編
ちゃんと続いたわ
あいも変わらずネギトロ大司祭です。
『マグロバイブル トリロジー』掲載作品紹介2作品目ということで、ナタ枢機卿作、怪異とクズと貧乏旅行のTRPG『冥灯』ついて書きます。
そもそもマグロバイブルってなんだよって話とか、1作品目 未知に挑むTRPG『新世界開拓ディスカバー』については下記。
怪異とクズと貧乏旅行のTRPG『冥灯』
金も能力もねぇクズが怪異の情報を調べる鉄砲玉(焚き者)として旅するぞ!!費用は報酬から引くからな!!というTRPG。食費、交通費、宿泊費。何もかも全部報酬から持っていかれる。世知辛い。
焚き者たちは、怪異関係のトラブル解決組織『明灯』の下っ端として、全国の怪異らしき情報の現地調査を任され、旅をすることになる。
イメージとしては、SCP財団の下級エージェントとか、D.Gray-manの探索部隊(AKUMAのレベルアップに貢献しがちな現地調査員モブたち)が近い。なんか変なのいるっぽいから調べてこいって感じ。
ただ彼らと違うのは、焚き者は借金をこさえて首が回らなくなった結果として、身柄を押さえられている点。現金含めた持ち物一式が没収されている。身分証やらスマホなんかも、もちろんない。人権とかご存知でない……?
ゲームとしては、日本銀行券(現金)を最重要リソースとした極貧旅行シミュレータ×異常存在調査って感じ。金がねぇ、マジでねぇ。
今回の現場はここです!って言われたらすることは、乗り換えアプリやGoogleマップを使って最安の経路を検索すること。実際の交通機関情報やモノの値段を参照する画期的なシステムだ。
時間をかけると宿泊費や食費が余計にかかるため値段とかかる時間のバランスが非常に大事。旅行計画を立てる時のわちゃわちゃが楽しい。レンタカーは身分証がねぇから使えないぞ!馬鹿野郎!
ちなみにネギトロ大司祭の書いたシナリオは現場が関西だったのでキレられた。新幹線を使うと一発で予算がなくなる。キミと公共交通機関のありがたみを知るTRPG。
異常存在調査の方も愉快で、「ま、待て、何かおかしいんじゃあないか?」「こ、この異常現象はまさか……!!」「スタンド攻撃を受けているッ!!」のくだりが体験できる。
事前情報が大体おおよその怪異目撃エリアくらいしかないので、現場周辺で情報収集してたら唐突に異常現象に巻き込まれがち。
なおこちら側はスタンド使いでないため、事前準備や機転が足りないとそのままジョジョのモブごっこに移行するぞ。冬のナマズみたいに大人しくされる前に逃げよう。
このゲームのやべぇところ
待ちに待った発言まとめメーカーの時間だ。
「昼の山手線を~」は、リアル貧困PLが導き出したライフハックにしてゲームハック。東京や大阪の都市圏なら昼夜逆転させるだけで宿泊費を浮かすことができる。極限過ぎるだろ。
カプセルホテルでも5,000円×PC人数を持っていかれるので、万単位で節約することができる最強戦術。GMに許可とろうな。
「インストで日本銀行券~」は、用語説明ページを見てもらうのが早いと思う。下から2番目。文明社会で20年以上暮らしてるからさすがに分かるが?とは思ったものの、後にプレイを通して真の意味で金の価値を理解することになる。
あとは、前回の最後に書いた、普段TRPGをやらない人にも勧められるポテンシャルの話だが、これが本当に偉いと思っている。
実はこのTRPG、ほとんどゲームっぽいことをしない。盤面やデータを見る時間より、PCやスマホで交通機関や通販サイトや施設のホームページを見ている時間のほうが長い。あと他PLとの相談。
TRPGを趣味にしている人たちには伝わると思うんですが、学校や職場の人に趣味を説明するの難しくないですか?なんとか説明を試みても、「人狼みたいなやつ?」って無限回言われる。キレそう。
ありがたいことに興味持ってくれた人を誘うにしても、一回動画とか見てもらわないと基本的な挙動が伝わらない。(PLとPCの立場の違いとか、地味に高度な概念だし。サイコロで判定も初見は謎過ぎる。)
そこでこの冥灯ですよ。やってることほとんど旅行計画。
何なら年齢層が上だったり、リアル世界寄りで生きている方が交通機関とか旅行の経験値で立ち回りうまそうだし楽しめそう。親にプレイさせられるTRPG。可能性の塊。
サイコロ振るとかはもちろんあるが、他のシステムに比べると比重が低い。どうですかこれを読んでいるあなた。TRPGに理解のない親御さんに回してみませんか?
毎日遅くまで一人でPCに向かって話してるあなたのことを、お母さんたちとっても心配してるのよ?
トロマグロ大聖堂はあなたの円満な家族関係を応援しています。
勢いで文章を書くのは楽しいな
はい。冥灯がすごいポテンシャルを秘めたTRPGだということをご理解いただけたでしょうか。真面目な話、職場のTRPGを知ってる方にマグロバイブルを買っていただき、返礼卓を検討した際には筆頭候補でした。
(結局立てれてないので謝罪。もし職場の人がこれ読んだら声かけてください。立てます。)
次回は最後、3作品目。コズミックメルヘンTRPG『無貌のアリスと夢幻の狩人』について。こちらは逆にTRPG沼の深いところにいる人間ほど楽しめる素晴らしいゲームです。次回もよろしくな!