都立高校から日東駒専に受かるのは難しい
春先の話。
電車に乗っていると、都立高島高校の生徒の会話が耳に入った。
細かい内容は違うけど、ニュアンスはこんな感じ。
男「大学どこにするかもう決めた?」
女「わかんない。え、もう決めたの?」
男「俺もまだだけど、日東駒専よりは上かな」
若者の会話を聞いていた私は、
「高島から日東駒専なんて行けないよ。上位1割に入ってたら別だけど」
こう言いたいのをぐっとこらえた。
◆日東駒専をなめるな
高校生が知っている単語が「早慶上理」「GMARCH」「日東駒専」だから仕方ないかもしれないが、「日東駒専」をずいぶん下に評価しているのではないだろうか。
この「日東駒専」のくくりも20年以上前からあるわけだが、そもそも日東駒専はそこまでカンタンではない。
河合塾の2020年予想偏差値だと
経済・経営系 57.5~52.5
理工系 55~37.5
文系である経済・経営系は偏差値50では受からない。
理系の方が偏差値が辛めに出るのだが、それでも偏差値50前後。
日東駒専で理系があるのは日本大と東洋大のみ。
東洋大の理系は最低でも偏差値45.0が必要。
日本大の方が偏差値が低いのは、もちろん2018年のアメフトタックル事件が原因。
2020年度入試は、みんな事件を忘れているので日本大の志願者数は激増するのは間違いない。こんなのシロウトでも分かる。
日本大の2019年度入試は、前年と比べて15,000人以上も志願者が減ったからね。
15,000人だよ。そこらの大学は15,000人も受験者集まらないからね。えらい数が減ったわけ。
それが来年度は戻ってくるわけだ。
日本大の偏差値は爆上がりするよ。
◆高島高校から日東駒専は
たとえば2019年春、高島高校から日東駒専の合格者数は、
日本大 10
東洋大 8
駒澤大 8
専修大 4
しかも既卒生(浪人生)を含む数。
国公立大はゼロ。早稲田2名。MARCHは8名。
当然、できる生徒が複数の合格を獲得しているのだから「進学者」はもっと少ない。日東駒専はの進学者は20もいまい。
偏差値50前後の高校なら、上位1割に入っていても日東駒専は確実とは言えないのだ。
2021年春の結果は、2021年10月13日時点でもWebサイトで公表していない。こっちの方が問題だ。
こういった「受験生や保護者が知りたい情報」を出さないことが、"一般入試で定員割れ。第三次募集までやっても入学生を確保できなかった"という情けない結果につながっているのだと思うよ。
高島高校に限らない。
都立高校の真ん中レベルから、日東駒専に進学するのはカンタンではない。
より上の都立大泉高校でも、現役合格者数は
日本大 37
東洋大 44
駒澤大 13
専修大 5
とそれなりにいるが、現役で進学した者は
日本大 2
東洋大 4
駒澤大 2
専修大 2
と10名しかいない。99名の合格があっても進学したのはわずか10%。一人で複数校・学部に受かっていたり、より上のレベルの大学に受かったので進学しない。そんなのがザラだから。
◆結論。日東駒専ナメんな
偏差値50前後の都立高校から日東駒専に進学したいのなら、最悪でも上位2割。できれば1割に入っていなきゃね。