社員20万人を超える老舗メーカーのエンジニアが少数精鋭の新規事業コンサルに弟子入りした記録04〜大企業の新規事業担当者が陥る罠〜
インターン4日目!今日は今までの振り返りを兼ねて、Filamentの皆さんから教えていただいた大企業での新規事業の進め方について書きたいとおもいます。
1.ビジョンは大きく
私はいまFilament CXOの佐藤さんも講師をされているXデザイン学校大阪分校のマスターコースでサービスデザインについて学んでいます。マスターコースでは企業様からお題を頂き、それに基づいたサービス提案をチームで考えるというプロジェクト型で学んでいます。今年度はカレーで有名は食品お大手『H食品』さんから『2025年に売上100億円、営業利益率20%になる新規事業』というお題をいただきサービスデザインを進めています。
■Xデザイン学校
https://www.xdesign-lab.com/x-1
先日仕事終わりにそこで考えている内容について佐藤さんにメンタリングをしていただきました。私達のチームは『H食品』さんが持つレトルト食品の技術を使って、ローリングストック事業を考えました。ローリングストックとは使ったら使った分だけ新しく買い足していくことで、常に一定量の食料を家に備蓄しておく方法のことをいいます。災害の多い日本に必要な習慣なのではないかとおもいサービスを検討していました。
このアイデアを佐藤さんにぶつけたところ、まず最初に「災害用だけだと、ビジョンが小さい」とばっさり切れました。「どうせ考えるなら『家の中から冷蔵庫をなくす』くらいの大きなビジョンを掲げるように。大きいビジョンを考えないとビジネスが小さくなっちゃうよ」というアドバイスをもらいました。ビジョンが小さいとそこがゴールになってしまい、そこから先の広がりを意識できません。私達も災害食がゴールになってしまい、そこから先の広がりを考えることができていませんでした。
2.狙いたくなる市場と狙うべき市場
ビジョンの話のあとはファーストターゲットの話になりました。私達は「災害が起こったときのことを不安に思う人は誰か?」と考え、「子供が生まれたばかりのお母さんはもしもの備えに敏感なのでは?」という仮説を立て、ローリングストック食品のファーストターゲットを『子供が生まれたばかりのお母さんへの出産祝いプレゼント』というアイデアを考えました。このアイデアも佐藤さんに「災害食というイメージが最初についてしまうと、その後の広がりがない」とばっさり切られました。さらに「災害食という食べる頻度が低いものターゲットにしていてはダメ。それは大企業のやるべき事業ではない。事業をスケールさせるなら、普段から食べてもらう必要がある。そこから逆算してファーストターゲットを決めること」というアドバイスをいただきました。新規事業を考えるときは「イノベーターやアーリーアダプターを狙え!」と言われるので、ついついそこだけを『狙いたくなる』。しかし新規事業をスケールさせるのであれば、スケールさせたときに『狙うべき』はどこかを考え 、逆算して『最初に狙うマーケット』を決めることが求められます。大きなビジョンが描き『狙うべき市場』を定め、『最初に狙うマーケット』を開拓していくことが大企業の新規事業マーケティングには必要なのではないでしょうか。
3.既存のアセットを使い倒す
佐藤さんの指摘のもとに『普段から食べてもらえるローリングストックサービス』を考えていたら、さらに「H食品が持っている大企業ならではアセットを有効活用すること」というアドバイスをいただきました。例えば、H食品の商品が置かれているスーパーの棚、商品のテレビCMを流す力、お客様からの信用 、スタートアップが持っていないアセットが多くあります。大企業で新規事業を進めるのであれば、こういった既存のアセットを使い倒す、良い意味でのずる賢さが必要だということを学びました。
4.『アイデア=仮説』、 だから検証しなければ意味はない
最後にFilamentの角さんに教えていただことを書きます。「考えたアイデアはただの仮説。検証して確かめなければ意味がない」。まさにそのとおりだなと思います。普段会社の中にいるとアイデアだけで終わってしまうことが多いので、まずは今回の提案をしっかり検証していきたいとおもいます!!
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