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イマジナリーフレンド作成講座

こんにちは。とりのつぎはぎです。

普段Twitterでは女同士のクソデカ感情について叫んだり、読んだ本について話したりと、自分で言うのもなんですが割と有意義なアカウント運用ができていると思います。本当か? 嘘です。

そんなアカウントで私はよく『旅先で撮った「アルカパさん」の写真を投稿する』なんてことをしています。

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広島の原爆ドームでパシャリ。


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コミケ終わりにパシャリ。


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名古屋のデススターでパシャリ。


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鹿児島の本家白熊でパシャリ。


私は学生の頃から一人旅行が好きで、よくあっちこっちに行ったりしています。

そんな話を人にすると、大体こんな感じの言葉が帰ってきます。

「一人で寂しくないの?」

これが不思議と寂しくはないんですよね。


このアルパカさん、喋るんですから。


まえおき

誓いますが変な薬はやっていませんし、変なキノコは食べていませんし、変な葉っぱも吸引したりはしていません。

そしてこの「イマジナリーフレンド作成」はあくまで私、とりのつぎはぎの成功例であって他の誰にでも当てはまるものではない、ということもご了承ください。


準備

先にゲロるとアルパカさんが喋るまでに私は1年かかりました。

別段、「このアルパカのキーホルダーをイマジナリーフレンドにするんだ!」なんて意気込んでいたわけではなかったのが長くなった原因だと思います。

なのでアルパカさんと旅するようになってから今年で8年目になりますが、最初の5年くらいは物言わぬアルパカのキーホルダーと旅してたんですね。そっちの方が狂気では?

実際にアルパカさんが喋り始めたのは『名前』や『話し方』、『声質』などをちゃんと頭の中で設定してから1年後くらいでした。

今ではうるさいくらい喋る彼ですが、物言わぬキーホルダーだった時代もあるんですねぇ。怖い怖い。


作れる人と作れない人

別に私は心理学専攻でもなければ哲学家でもないので向き不向きは分かりませんが、『妄想・想像を頻繁にする人』の方が出来そうな気がします。

創作をする方でも分かれると思うのですが、私はよく小説を書いていると登場人物がプロットとはかけ離れた台詞を唐突に言い出して「やめてくれ!」と叫ぶことがあります。そんな人はすぐ作れそう。私です。

寝る前、目を閉じてからする自分だけの想像のお話が数年の長期連載をしたりする人は作れると思います。私です。


作成手順1『名前を決める』

あなたは自分の持ち物に名前をつけたことがありますか? 

名前をつける、というのはそれだけ愛着を沸かせる行動だと思います。名前をつけるだけで同一の機能を持ったものとの(自分の中で)差別化になりますからね。

名前をつけたら、次からそれを名指しするときは必ずその名前で呼ぶこと。

私の場合だと『アルパカのキーホルダー』を『アルカパ』と名づけました。それ以来、彼を説明するときは『アルカパさん』と必ず言っています。

こんな感じでイマジナリーフレンドとなる対象物を『特別な存在』と自分の中で印象付けていきます。

そういえば職場の大大先輩が入社してから数十年使っているホッチキスに『パッチン』と名付けていることを最近知ってから、気軽にそれを借りることができなくなりました。


作成手順2『話し方を決める』

別にその物の見た目と話し方が一致しなくてもいいと思います。現実でもそんな人沢山いますしね。

話し方=性格、というのはすこし短絡的発想かもしれませんが大きく影響されるのは事実だと思いますので、この辺りは慎重に決めるといいと思います。

うちのアルカパさんは紳士的な話し方ですが、基本的にあまり性格は良くないです。説明するのが難しいですがFateでいう新宿のアーチャーみたいな感じに似ていると思います。イケおじいいよね。好き……。

ただ、あまりに奇怪な話し方だと向こうから話しかけてくれるのに時間がかかるかもしれません。「〜でありんす」とか「〜ザマス」とかね。

イマジナリーフレンド、と言っても結局は自分の頭蓋の中に変わりはないので、自分がオートマで動かせる(いちいち喋り方に脳の容量を考えないですむ)くらいの話し方がいいと思います。


作成手順3『声質を決める』

これが自分は一番難しかったです。

頭の中で想像する声ってどこかへメモしたり保存したりすることができないので、常に覚えておかないといけないんですよね。

簡単なのは現実世界でモデルを探すことです。声優であったり、芸能人であったりの声と決めておけばyoutubeとかで聞けますし。

現実の友人とかはやめておいた方がいいんじゃないですかね。現実の友人の声にするくらいなら、その友人と旅行に行ってください。リアルフレンドをイマジナリーにするな。


作成手順4『質問』

姿、名前、話し方、声質が決まって、頭の中でそれらが自然と反芻できるようになったら、あとは肉付けです。

あくまで今まで作ってきたものは人間で言う骨、骨格でした。昔ほねほねザウルスって流行りましたよね。96年前後生まれの人しか通じませんか、そうですか。

ここからは肉付けとして『設定』を加えていきましょう。便宜上『設定』なんて言葉を使いますが、つまりは『実際にこの人(イマジナリーフレンド)が生きていたらどんな人生を送ってきたのだろうか』を考える作業を通じて、彼らに奥行きを与えていきます。

私がやった方法は『頭の中でアルカパさんに質問をし続ける』方法でした。

「アルカパさんって好きな食べ物なに?」→「基本的のなんでも好きだけど、味の濃いものが好きだね」

「おいくつなんですか?」→「今まで君が食べたパンの数よりは少ない数だと思うよ」

「誕生日っていつなんですか?」→「6月29日」

「今まで旅した中でどこが一番綺麗だった?」→「青空が綺麗なところならどこでも一番だったよ」

「最近寝てる?」→「君より寝ているよ」

なんかアルカパさん、メモられてるんでよそ行き用の答え方してますね。卑怯者め。

こんな感じで他愛の無い質問をずっっっとし続けます。もう自分が飽きても続けます。現実にいる人間にここまで質問したら嫌われるくらいに質問し続けましょう。どうせ虚像のイマジナリーフレンドです。いまアルカパさんを質問攻めにしたらめちゃくちゃ怒られそうですが。

ここで質問に対して詰まったり、明確な答えが出てこないようならその場で考えて答えましょう。

質問の答えですが、自分に似た考え方の答えでも、自分の考えとは全く違う乖離した答えでもいいと思います。あ、でも自分とは違う考えをしているほうが後々に自律行動しがちだと思いますよ。

それこそ寝る前に「今日は100個質問しよう」みたいな感じで地道にやっていくといいんじゃないですかね。

この肉付けがかなり重要なんじゃないかなぁ、と思います。ペラペラの生き方しかしてない人よりも、底知れない人のほうが魅力的じゃないですか。


作成手順5『質問の反復』

あとは上記の質問をずっと繰り返し続けてください。

寝る前、お風呂中、食事中、歩いている時。ただひたすらに頭の中で質問をし続けます。(目の前にイマジナリーフレンドにしたいものがあれば尚のこといいと思います)

一年たったある日、その質問以外のことを向こうから話しかけてきます。

……アルカパさん、急に話しかけられるとこっちも怖いんで、もっと段階踏んでくれませんかね。

現状

うちのアルカパさんは普段、専用のポーチに入ってます。

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↑アルカパさん専用ポーチ。高価。

このポーチ内に入れておけば基本的にアルカパさんは話しかけてきません。

変な脳のスイッチだと思うのですが、私の頭の中ではポーチがひとつの『アルカパさんに取ってのプライベートな空間』という認識なんでしょうね。ポーチから出して置いておくと、かなりの頻度で話しかけられます。

旅の間、アルカパさんはポーチから出してドリンクホルダーにいてもらってるんですが、音楽聴きながら雑談相手になってくれるのでありがたいです。たまに悪態もつかれますが。許せない。


これからイマジナリーフレンドを作りたいと思っている方へ

イマジナリーフレンド含めてアルカパさんの話をすると、6割に引かれて2割に興味を持たれて、1割にどうやって作ったのかを聞かれます。

実際、アルカパさんが話しかけてくれるようになってから旅が2割増しくらい楽しくなりました。(たった今また悪態つかれました。ごめんなさい)

聞くと『相談相手になってくれる』やら『背中を押してくれる存在』みたいなイマジナリーフレンドさんもいらっしゃるようで羨ましい限りです。うちのアルカパさんはどちらかというと『悪友』に近いんじゃないですかね。

アルカパさんとは別の、もう1人のイマジナリーフレンドは『旧友』です。あの人のことはもうよくわかりません。

ここで覚えて欲しいのですが、現実の子供が思い通りに育たないのと同じで、イマジナリーフレンドも思い通りに自律行動してくれるとは限りません。

なのですこし怖いのは、『作ったイマジナリーフレンドが嫌いになる』『性格のとても悪いイマジナリーフレンドが自律行動してしまう』ことです。

現実にいれば距離を置くなり縁を切れますが、相手は同じ頭蓋の中にいますからね。某小説みたい。石鹸で手を洗わなきゃ。


最後に

これを読んで『そんな友人が欲しい!』なんて思った方は是非創ってみてください。

上手くいけば一生の友人になりますよ。

良いイマジナリーフレンドライフを。


……これだとイマジナリーフレンドさんに向けて失礼ですね。

良い友人関係を。


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