運命について20250106《シンプル詩》
小指がしめつけられている。
見えない糸が巻きついている。
どこからともなく引っぱられ、わたしの指に食いこんでいる。
ぷつ。
ぷつ。
血の実がなって、どこからともなくメジロはとまる。
ぱく。
ぱく。
血の実をついばみ、満足そうにわたしを見やる。
熱くて痛むかい。
メジロはいう。
痛くて熱い。
わたしはいう。
見えない糸は血を吸って、ぐんぐん遠くへ伸びていく。
会ってみるかい。
メジロはいう。
どうでもいいや。
わたしはいう。
ならば今はやめておこうと、メジロは糸をちょん切った。
熟れたさくらんぼのように、わたしの小指は甘かった。