命は消え逝く限りあるものだから
砕けた粒 吹き荒べ消えた
今在る時 夕映え 香る金木犀
黄金が揺れた 駆け抜ける空音
忍ばせる空涙 嗚呼 挽歌は要らない
最期だけは独りでいる
刹那に煌めき放った 紙吹雪が乱舞する
白い遠吠え 殺ぎった静寂
恥を知らぬ青侍うらやまない
揚げ雲雀の降り立つ柄の先
抜かなければ斬れない しゃらくさい既往よぎる
溶ける雪片 濡れた横髪頬につく
蔓延る侘しさ 嗚呼 あれは鬼の爪
滲んだ血は苦い味がした
賽は大きく投げられた 天の原へ弧を描いて
鍔際鳴らせ 一閃踏み込んだ
円 円 円な明け六つに 落花した遷化閏椿
五蘊のもとで眠れるなら 嗚呼 挽歌は要らない
最期だけは独りでいる
刹那に煌めき放った 紙吹雪が乱舞する
白い遠吠え 殺ぎった静寂の中
深く 深く 残った爪痕に
降りだした氷雨 打たれ沁み込んだ
賽は大きく投げられた 天の原へ弧を描いて
鍔際鳴らせ 一閃踏み込んだ
円 円 円な明け六つに 落花した閏椿
返るのはいつかしらに
円 円 円な明け六つに 千代に宿れ遷化閏椿