ユーラシア大陸横断日記5 チベット滞在記 ラサ
ユーラシア大陸を西へ西へ、中国の上海からポルトガルのロカ岬まで。
チベット鉄道に乗り、ラサへと到着しました。
前回の記事はこちらです↓
ラチベット鉄道でラサに到着し、その日はホテルまで送ってもらったひと休み。
翌朝、ガイドさんとともに早速ポタラ宮に行った。
ずっと行きたかったチベットのシンボル!
ポタラ宮は広大な上(部屋数2000とも)、滞在時間の制限があるので全部を観てまわることはできず、 何パターンかある見学コースを行くことになる 。
宮殿わきにある受付のところでカメラなどを預け、チケットをもらって中へ。
内部は撮影が禁止されているので写真はないのだけれど、霊廟や貴重な経典の数々、立体曼荼羅など、チベット仏教のかつての中枢としての往時をしのばせる。
今でもきちんと手入れがされていて、朽ち果てていくに任されているわけではなかったのはちょっと安心。
かつてのダライ・ラマの宮殿、チベットの政治・文化の中心も今はもぬけのからとなり、観光地のひとつ。
そうした「もののあはれ」みたいなものも感じる一方、残された仏教の遺産は人々の信仰の結晶のようで、不思議な力を放っていた。
山と積まれた巨大な経典の数々。ほこりをかぶり、ひっそりと眠っているけれど、この経典たちはどのような歴史を過ごしてきたのだろう。
ダライ・ラマはポタラ宮からいなくなってしまったが、今なお数多くの人々が訪れてマニ車をまわし、五体投地している。
ポタラ宮を出たあと、宮殿前にならぶ飲食店で朝ごはん。
ドルジェさん行きつけのチベット料理のお店に連れて行ってもらって、ヤクのお肉を使った餃子のモモと同じくヤクを使った麺、トクパをいただいた。
チベットとってヤクは欠かせない存在とのことで、
「お肉はもちろん、革も骨も毛もすべて使うのです」
と教えてくれた。
モモは日本でもおなじみの「餃子」というかんじ。具材にお野菜は少なめかな。トクパはちょっと辛みがあるけれど、麺もスープもおいしい…!
日本を出発する前に、チベットで僧侶たちの「暴動」が起きたというニュースがあった。
どういう状況なのかわからなかったけれど、実際に行ってみると人は多いものの驚くほど静か。
どうやら、公安や軍関係者が監視のためにたくさんまぎれこんでいるらしい。
のんびりしているようにみえて、やはりどこか緊張感があるというか、空気のピリつきのようなものを感じるのもそのせいだろうか…
朝ごはんをいただいたあとはポタラ宮から少し足をのばしてジョカン寺、ジョカンを取り巻く巡礼路であるバルコル(八角街)をまわり、ヤクカレーの昼食をいただいた。
ガイドのドルジェさんはチベット仏教、密教のことを、歴史のことを非常に丁寧に説明してくれた。
とくにチベットに残る後期密教の数々は、本当に貴重ですばらしかったのだなと思う。
日本に帰国してから何年か経って知ることになったのだけれど、空海さんが日本に持ち帰ってくださった密教はだいたい中期密教までらしい。
つまり、後期密教は日本では広まっておらずメジャーではないのだけれど、そんな後期密教の秘密の世界を教えてくれていたのだった。すごい…
西寧にいたとき、チベット滞在の手配をしてくれたワンさんは「たくさん勉強してくださいね」と送り出してくれた。
チベット仏教に造詣が深く、また日本語も堪能なドルジェさんをガイドに選んでくれていたのが、本当にありがたい。
ラサでの1日を終えて、明日はギャンツェ、シガツェへ向かいます!
こちらに続きます↓