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映画『沈黙-サイレンス-』

信仰とは、神とは…江戸初期、幕府による激しいキリスト教弾圧下の宣教師と隠れキリシタンの苦悩と葛藤を描く問題作。

"キリシタンの弾圧"という重いテーマに約3時間の大作でしたが、ストーリーにぐいぐい引き込まれ、最後まで飽きることなく見られました。

ハリウッド映画にありがちな日本の奇妙な描写など皆無で、この時代の日本のことをどんなに入念に調べ上げられ、綿密に研究されたかが伺われます。

日本人俳優達も素晴らしく、窪塚洋介の熱演はもちろん、イッセー尾形の怪演は表情・間の一つ一つが天才的でした。

タイトル通り、全編を通して挿入音楽はなく、タイトルロールもエンディングも自然の音が効果的に使われています。

「人間が こんなに 哀しいのに 主よ 海があまりに 碧(あお)いのです」

とは、原作者・遠藤周作の言葉ですが、人間が哀しくても、幸せでも、海は変わらずに碧く美しい。

自然はただそこにあり、神は沈黙と共にそこにいるのかもしれません。



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