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100回やってみれば大抵のことはできるようになる(はず)

ごきげんよう。鳥居です。

暑い日が続きますが、体を動かしたいなぁ、と宅トレをみちみちやっております。

何を隠そうわたしは極度の運動音痴。
小学校の頃の徒競走では学年でダントツのビリでした。
途中転校生が来て、その子が奇跡的にわたしより足が遅かったので、以来ビリから2番目になりました。

ちなみにそれが今でも仲良しの俳優の森宮ゆずです。

森宮はカメラもやる。これは森宮に撮ってもらった写真。

運動にはずっと苦手意識がありました。

しかし、大人になってみると、
「わたしわりと身体動かすの好きじゃーん!」
ということに気づきました。

運動音痴なのは仕方ないとして、いやだったのは体育の授業や運動会で人よりできない自分を目の当たりにして劣等感に苛まれたり、
「うわーこいつチームにいてほしくねー」
という同級生の視線を感じることだったりだったのですね。

演劇をしていると、どうしても身体を動かす場面に遭遇します。
身体表現だったり、ダンスだったり。

そうしたときにまた自分の劣等感が顔を出してしまう。

稽古場でむずかしめの動きをつけられると、「アァ……」としょんぼりした気持ちの自分が胸の中にたちあらわれます。
おそらく小学生のわたしの姿をしている。


「無理ダァ!」と思いそうになる壁にぶち当たったときに、思い出すようにしている言葉があります。

それは2022年、サイコシス『G線上のアリア』の稽古場でのこと。

この作品の冒頭は、フランス革命真っ只中の裁判のシーンであり、革命家を演じる俳優たちによるとてもかっこいいダンスで幕を開けます。

このダンスの振付を担当したのは、これまた仲良しの俳優、寺田結美。
寺田はダンスも日舞もお歌もできる、とても芸達者な俳優なのです。

寺田結美(右)は『G線』では主人公サンジュストを演じていた。

演出の森永理科さんに
「ちょっとこの振付を考えてきておくれよ〜」
と振られた寺田は、次の稽古にはあっという間にヴォーギングを取り入れたバチバチにかっちょいい振付を考えてきていました。すごい。

そんなわけで寺田主導で、振付のお稽古が始まったわけですが、これがとにかくわたしにはむずかしい。
ひと通り振付を教えてもらい、
「とりあえず通してやってみるか!」
と、やってみた。

悲惨だった。

むずすぎるよ、もっと簡単にしてほしいよ、できるきがしないよ……
という気持ちがもう全身から醸し出されてたと思う。

そのときに、理科さんが言ってくれた言葉がある。

「100回やってみて、それでだめだったらまた考えよ〜!」

これがわたしの気持ちを晴らしてくれました。

そっかぁ!100回やればいいんだぁ!
むずかしいからと言って初手で諦めても意味ないな、と思えました。
せっかく寺田が考えてくれたのだし、せっかくかっこいいシーンなのだし。

100回やったかは定かではありませんが、自主練習と稽古を経て、本番にはなんとかかんとか、いい感じになれたのではないかと思います。(そうだよね、だといいな)

ちなみにそのときの映像はサイコシスのXか、見られます。
どれが鳥居かは、ちょっと見づらいかもですが、かっこいい革命家のみなさんのなかにしっかりと紛れています。


以来、相変わらず身体を使うなんやかんやは引き続き苦手ではありますが、ぶち当たったときもとりあえず、
「100回やってダメだったらまた考えよう」
の精神でがんばらせてもらってます。

せんきゅー、森永理科さんのおことば……!
理科さん本当にありがとうございます。

オルタナ系演劇部サイコシスの陽気な部長、森永理科さん。理科さんにはその後『衣裳箪笥のアリス』『群論アリス』でもたいへんお世話になりました。


ダンスできる人たちも、運動のできる人たちも、一朝一夕でできるようになったわけではなく、
例えば新たな振付に出会ったときに、すぐできているように見えたとしても、
それはすでに似たような動きを100回繰り返した蓄積があり、自分のなかにある動きのボキャブラリーから応用しているのだと思います。

そりゃあ、その蓄積のないわたしが、いっぺんやじゅっぺんや、じゅっぺんしゃいっくやそこらでできないのは当たり前なので。


さて、次回の鳥居の出番は、

第36回池袋演劇祭参加作品
神威少女パンク。
『通り魔の季節─季節外れ編─』
作×演出 政木コヲタ


です。

なかよしの俳優、神藤さやかと、なかよしのクレイジーガイ、政木コヲタさんと、3年ぶりのコラボレーションです。
前回は企画公演だったので、劇団の本公演には初めてお邪魔します。

シュール、コメディ、コント、不条理劇という感じなのですが、また今回もむだに、なぞに身体が課題になっています。

必死にカバディをする鳥居と、神威劇団員の高木郁佳さん、ではない。

「こんな動きして!」と言われたことの再現度が高い人でありたいものです。

神威は無駄な動きや無駄な要素が面白い作品を作ると思うので、わたしも過多に過多に、遊んでみたいと思います。

初めて共演するかたばかりなのですが、みなさん面白い!

よかったら、観に来てくださいねー。

北池袋新生館シアターにて、
8/29(木)19:05
8/30(金)14:05/19:05
8/31(土)13:05/18:05
9/1(日)13:05/18:05
9/2(月)17:05

の、全8回公演です。

ご予約はこちらから。

https://www.quartet-online.net/ticket/kisetsuhazure?m=00edefi

では。またね!


鳥居志歩

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