ショートムービーの活用はリード獲得以上に、ブランディングに効果的
はじめに
※ この記事は、B2Bマーケティング Advent Calendar 2023の記事です。
自己紹介
株式会社TORIHADAのミフウです。
26歳!社歴5年目、ママ2年目です!企画を考えるプランナーをしています。
この内容の想定読者
toBマーケティングにおけるSNS活動に興味のある方
toBサービスにおけるブランディングに関心のある方
ショートムービーを活用したブランディング活動を行うべき理由
「toBマーケでTikTok?」と思われる方がほとんどかと思いますが、お察しの通りtoB領域においてTikTokを代表としたショートムービーを活用したマーケ事例は、ほぼ存在していないというのが実情です。 但し、裏を返せば参入企業がまだ少ないため、toB軸でショートムービーを有効活用している企業/サービスという、ポジショニングを取れるというチャンスでもあると思います。 ショートムービーを活用してリードをバンバン獲得する!というのが理想ですが、プラットフォームの特性上、ブランディング目的で活用する方が適切であると考えており、その理由として下記2点がございます。
(1)ショートムービープラットフォームを有益な情報発信の場として活用することによって、サービスの信頼性向上に繋げることができる
リード獲得の手段としてホワイトペーパーが代表的かと思いますが、そのホワイトペーパーにおけるコンテンツもリード獲得のための一過性の情報ではなく、本質的に有益な情報を提供することで、短期的なリード獲得だけでなく、サービスの信頼性を向上させ、企業やサービス自体のブランディングに繋げることができると考えております。
(SAKIYOMI CMOの田中龍之介さんの記事が参考になります。)
それと同じ形で、見込み客に対して有益な情報を発信する際にTikTokが役立ちます。もちろんYouTubeも効果的ですし、企業様が運営するチャンネルも増加しているかと思いますが、YouTubeはプラットフォームの特性上、コンテンツやチャンネルの検索→おすすめ関連に出てくる動画がオプティマイズされる仕様なので、まずそもそも見られるというハードルが高いです。
動画を見られるまでに時間と体力を要するので、折角労力をかけて作成したコンテンツが数百回しか見られない・・・といった我慢の期間が必要かと思いますが、そんな時にTikTokが有効です。
「あれ?TikTokって若年層向けじゃない?」とも思われるかもしれませんが、今は幅広い年齢層に見られており、自分が「いいね!」した動画がセクションとして保存される機能があるため、参考になる情報で ”いつかまた見返したい” 動画が、ユーザーからは求められています。
”また見たい”という感情を掻き立てることが非常に上手である、教育系や、How to、ビジネスTips系のクリエイターやコンテンツが増えてきておりますが、toB企業の参入はまだ少なく確実にブルーオーシャンです。
その中でもいち早くTikTokマーケットに参入した、Sky株式会社さんはTikTokライクなコンテンツとビジネスTipsをミックスさせた安定したコンテンツで再生回数を担保しており、フォロワーを着々と増やしています。
Sky株式会社さんのコンテンツは、一般的なユーザーの投稿よりも再生数に対してのいいね数と保存数がかなり高いです。本質的に有益な情報を提供することで、「この会社ってこんなことができるんだ!」「これに悩んだときはこの会社が解決してくれる!」と言ったブランディングに繋げることができます。
(2)SNSの普及でフォロワーの価値が上がったのと同様に、今後は動画コンテンツの資産価値が上がっていくため
私自身も美容業界出身ということで、Instagramを活用した店舗への集客や採用、また発信者としてインフルエンサー活動にも携わってきましたが、ショートムービーの出現で流れが大きく変わってきたことを実感しています。
いままではユーザーの評価導線として、ファン→コンテンツの流れが一般的でしたが、現在はコンテンツ→ファンの導線に変わってきており、コンテンツが有意義でなければ、アカウントとしてキャズムを越えることができなくなってきていると感じます。
ですので有意義なコンテンツをつくれるひと(ブランディングが上手な人)や、そのコンテンツ自体の価値は、今後どんどん上がっていくと思います。
また、Googleが検索結果にショート動画のセクションを作り始める等ショートムービーコンテンツがSEOに与える影響力も確実に大きくなってきております。タイパ重視の若年層において情報収集の手段としてショートムービーは一般化しており、ビジネスシーンにおける情報収集時においても同様のトレンドが来ると考えるのが自然ではないでしょうか?
検索時の最優先項目がショートムービーになる時代に備え、今からショートムービーコンテンツを量産しておくことが将来的なオポチュニティの最大化に繋がると思います。
※参考:https://growthseed.jp/experts/seo/google-serp-short-movie/
このことから、企業側もユーザー評価の高いショートムービーコンテンツを蓄積しておくことが、将来の大きなマーケ資産になり得ます。
企業はどのようにして、ショートムービーを使っているのか?(toCの事例多めです)
とはいえ前述した通り、toBマーケにおけるショートムービーの活用事例はほぼ存在していないため、これ以降はtoCマーケにおける活用事例が中心になってしまう旨、ご容赦いただけますと幸いです。TikTokを代表としたショートムービーですが、企業サイドの活用方法として、主に3つの使われ方があります。
A.運用
ショートムービープラットフォームの多くはレコメンドフィードであり、フォロワーが少なくてもコンテンツが良ければ再生数は伸びるため、企業アカウントのブランディングとの相性が良いです◎
弊社でもアカウント運用は当初から参入し、実績も多数あり私自身も動画クリエイターとしてコンテンツ制作に携わってきました。
ですが作りたいブランディングと伸びるコンテンツのバランスが難しく、動画である故に工数もかかるので、質を求めると数をこなせなくなるというジレンマがあります。
そこで従来は弊社の専門チームで企画から撮影、投稿まで全て運用していたところを、広告のABテストの要領で弊社で方向性だけ定めつつ、コンテンツの撮影や細かい編集に関しては、実際に多くのフォロワーやファンを抱える動画クリエイターにパートナーとして入っていただくやり方に切り替えました。
近年ではショートムービーのコンテンツ量が増えたことで、お仕事を求めているリテラシーの高い動画クリエイターも増えております。
従来の”踊るTikTok”という言葉とは裏腹に、ショートムービーも戦略を練った上で見られる動画をどう作っていくかを考えなければいけないフェーズにあると思います。
※ちなみにTikTokのアカウント運用がどのくらいの効果をもたらすのかというと、運用2ヶ月で3万人のフォロワーを獲得し、TikTok経由での新規ユーザー増加により、ZOZOTOWNメンズランキングで1位を取ったファッションブランドの事例等、ブランディングはもちろん実売貢献にも寄与した事例が多数ございます。
B. 採用
アカウント運用で採用につなげるやり方もありますし、採用目的の広告を打つ方法もあります。優秀なデジタルネイティブ世代を採用するには、ショートムービープラットフォームも抑える必要があると思います。
ショートムービープラットフォームが採用にどのくらい効果があるかというと、弊社の実体験がございますため、そちらの内容を紹介させていただきます。
2023年3月後半に、TORIHADAの新卒採用についてのUGCが投稿された結果(推定再生数5万再生)、2023年4月の会社説明会では参加者の半分がTikTokを見てくれており、なんとその数は400人を超えておりました!TikTokで動画を見て説明会に足を運んだ人数が400人もいるのってすごくないですか?生まれた時からSNSがあったデジタルネイティブ世代の情報収集力と見極める力、そして実際の行動力には驚かされました。積極的に採用にも活用していきたいですね!
C. プロモーション
「ショート動画の活用法がわからない」「実際効果出るの?」と質問されることは少なくないですが、以下の3つのポイントを抑えて逆算してプロモーションを行うことをお勧めします。
①コメント欄の質
よくTikTokのPR投稿のご与件をいただく時に「TikTokってUGCが期待できるんでしょ?!UGC生まれたら効果出るんでしょ?」と言われますが、実際にこのような施策を仕掛けるには媒体のUGC創出向けメニューを活用する必要があり、クリエイターのPR投稿では、テキストなどのプラットフォームとは違いUGCは生まれにくいです。
その代わりにショートムービープラットフォームには”コメント”があります。
口コミの代わりがコメント欄です。
②起用するクリエイター
私たちは動画クリエイターを4つのグループに分けて考えています。
コメント欄にどんなコメントがあるのか見ていきましょう。
このようにコメントされたい内容を逆算してクリエイターをキャスティングすることで良い結果を生み出します。
コメント欄でのポジティブな認知が高まれば良いブランディング結果が出ているということがわかりますね。
③目的に合わせた企画
こちらもtoC向けの施策事例をご紹介させていただきます。
下記は「生活者に実際に店舗に来店してもらい、商品を購入していただく」という目的の達成のために行った施策の一例ですが、実際に企画した動画内容がその目的の達成に貢献しているのかという検証を、POSデータと照らし合わせながら行っております。
以下のデータは投稿日とPOSのデータを表したものです。
2つのPR投稿とその投稿の広告配信日からそれぞれ2日後に、POSのデータに影響していることがわかりますね。
ちなみにこの動画がどのような内容の動画だったかというと、店舗訴求した動画で商品の紹介だけではなく購入までのイメージもつきやすかったようです。
まとめ
ショートムービープラットフォームはブランディングに有効的であり、企業やサービスのブランドを向上させることが、結果として優良なリード獲得等、toBマーケにおける各種KPIの向上に繋がると考えております。
私は主に企画を考案し提案するチームをマネジメントしており、新たな座組みの考案やメニューの開発をしております。
一緒にこんなメニューを作りませんか?などのアイディアを欲してます!笑
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