エケベリアを美しく紅葉させるコツと「おすすめ10品種」
秋の楽しみとして欠かせないのが紅葉です。
二十四節気では10月8日頃を寒露と呼び、紅葉が始まる時期でもあります。
さらに10月23日頃の霜降には、秋がいっそう深まり山々が燃えるように鮮やかに色づいていきます。
紅葉といえば、紅葉やイチョウを思い浮かべますが、多肉植物も美しく紅葉してくれます。多肉植物のなかでもエケベリアは春秋生育型で、寒くなると紅葉する品種が多いのが特徴。バラの花のようなロゼット状の葉が、赤やピンク、バイオレット、オレンジとさまざまな色合いに変化していくことで、視覚的な楽しみや四季の移り変わりを感じられるのが魅力です。
今回の記事では、エケベリアを美しく紅葉させるコツと、おすすめの10品種をご紹介します。
エケベリアが紅葉する仕組み
おエケベリアを含む植物が紅葉する仕組みは、葉の中に存在する「緑色の色素(クロロフィルム)、赤色・紫色の色素(アントシアニン)、黄色の色素(カロテノイド)」などの色素量が変化するためです。
気温が下がりはじめ、朝晩の気温が20℃以下、気温差が10℃以上になると、植物は消費エネルギーを抑えるために葉の働きを徐々に止めていきます。
葉の緑色のもとになっているクロロフィルが分解されて数が減少。すると、もとから葉に存在していた別の色素が目立ちはじめたり、クロロフィルが分解される前に新たに生成されたりします。
広葉樹は紅葉のあとに落葉しますが、多肉植物は葉を落としません。春になると紅葉色がさめていき、本来の色に戻っていきます。
エケベリアを鮮やかに紅葉させるコツ
エケベリアを紅葉させるには、いくつかの条件を満たす必要があります。
しかし、エケベリアのなかには紅葉が目立たない品種もあります。エレガンスという品種は、葉の縁が薄くなっており、光が透けて見えることで透明感のある葉が魅力のエケベリア。
紅葉しても、全体がイエローからバイオレットに淡く染まる程度です。
なお、エケベリアが紅葉しないからといって元気がないわけではないので、心配は要りません。
日光をしっかり当てる
エケベリアを紅葉させるためには、日光をしっかり当てることが大切です。
室内で育てていたり、日当たりの悪い場所で育てていたりすると、紅葉の発色が悪くなります。
葉焼けの原因となる直射日光は避け、日当たりのよい場所に朝から夕方まで置くようにしましょう。
温度差を利用する
エケベリアは、5℃から10℃の気温が1カ月程度続き、気温差が10℃以上になることが紅葉の条件です。
実際に育てた手応えとして、特に温度差があればあるほど鮮やかに紅葉しまするようです。
なので温度差の少ない室内で育てているエケベリアは、紅葉しないこともあります。
しっかりと寒さに当てることが必要な一方、霜に当てると弱ってしまうため冬期は夜間に屋外に置いておくことは避け、朝から夕方までは屋外に出すようにしましょう。
水と肥料を控える
エケベリアを乾燥気味に育てることも鮮やかに紅葉させるためのコツです。
水切れのサインは見逃さないようにしたうえで、水やりの頻度を控えましょう。
また、紅葉シーズンに肥料成分が多く残っていると紅葉しにくいので、肥料をあげる時期と量を調整することも大切です。
肥料成分が残らないためにもお盆を過ぎてからは追肥しないようにしましょう。
市販の培養土にはあらかじめ肥料が含まれている場合があるので、注意が必要です。赤玉土や鹿沼土などを使って培養土の割合を減らすことで対策します。
根詰まり気味に育てる
鉢に根がしっかり張っていることも鮮やかに紅葉させるコツです。
株と比べて大きすぎる鉢に植えていると、紅葉しない原因になる場合があります。根詰まりの状態がひどいと生育不良を起こす場合もあるため、水を吸える状態だと確認したうえで、根詰まり気味に育ててみましょう。
美しく紅葉するエケベリア10品種
世界中に3000種類もあるエケベリア。
そのなかから紅葉が美しい10品種をご紹介します。エケベリアを選ぶ参考にしてみてください。
紅葉が美しいエケベリア①:ストロベリーアイス
ほんのりとしたピンクがとてもかわいらしい。爪~葉のフチにかけ淡いピンクに染まります。
紅葉が美しいエケベリア②:サラ
紫に近い赤に染まります。色が付き始めるのはお正月くらいからと少々遅め。しかし、赤みは長持ちします。
紅葉が美しいエケベリア③:チャールストン
エケベリアのなかでも丈夫なため育てやすい品種。
高さは出にくく横にひろがりやすいのが特徴です。年中を通して色味が出やすい品種です。形状もまさにエケベリア属の形状。形も乱れにくく、色味もでる品種です。
紅葉が美しいエケベリア④:ジゼル
しっかりとした赤みが魅力のエケベリアです。
こちらも一年を通して赤みが出て、あまり大きくなりません。名前もかっこいいですね。
紅葉が美しいエケベリア⑤:レッドソウル
深紅という色の表現でいいのでしょうか。葉もとがり、存在感があります。以前お客様より「バッキバキですね!」という表現をいただきました。まさにその通り。
紅葉が美しいエケベリア⑥:アンジェラ
一年を通してあまり色味を変えず、光環境が良ければきれいな形にとどまり、とても人気のある品種です。
冬の紅葉は、葉先がより濃いピンク色になります。
紅葉が美しいエケベリア⑧:モンロー
モンローはブルーム(直射日光を和らげるため纏う粉)が目立ち、お化粧のよう。ほんのりとでもしっかりとしたピンクが印象的で、よく問い合わせのある品種の一つです。ブルームは触れると取れちゃうのであまり触らないように気を付けましょう。
紅葉が美しいエケベリア⑨:キャロライン
季節の色の変化が際立つ品種です。写真は5月に撮影したものですが、夏季は葉先のみ薄いピンクに染まります。
紅葉が美しいエケベリア⑩:珠玉
全体は黄色を基本の色としますが、紅葉時には写真のように葉の先が真っ赤に染まります。とてもかわいらしく、多くのお客様に買っていただいています。
紅葉したエケベリアをさらに楽しむアレンジ
エケベリア単体でも充分楽しめますが、寄せ植えにしても楽しめます。
エケベリアは、多肉植物のなかでも丈夫で育てやすい品種が多いので、アレンジにも取り入れやすいです。大きめの鉢やコンテナにいくつかの品種を植え込んでみましょう。
多肉植物界のバラと称されるエケベリア。ぷっくりした肉厚の葉がロゼット状に広がる姿は、オブジェのようです。
代表的なカラーバリエーションは以下のとおり。
ペールブルー
グリーン
バイオレット
ピンク
レッド
色味が豊富なのも大きな魅力のため寄せ植えには最適です。
しかし葉が傷つきやすく繊細なので、植え付ける前に配置を考え、イメージを固めてから植え付けるとよいでしょう。
また、小さいポットに一株ずつエケベリアを植え、ポットの並べ方をアレンジするのもおすすめです。横並びに置いたり、あえて雑然と置くのも素敵です。同系色でまとめても綺麗ですし、グラデーションにしても綺麗です。
エケベリアを紅葉させる際の注意点
エケベリアを紅葉させるのには日光をしっかりと当てることが大切です。しかし、夏の直射日光や春から秋にかけての西日には注意してあげてください。
強すぎる日光は、葉にダメージを与え、葉焼けを起こす場合があります。春と秋は西日の当たらない屋外、夏は直射日光の当たらない場所がよいでしょう。窓辺に置く際には、レースカーテン越しか、遮光ネットを使うのもおすすめです。
また、エケベリアは多肉植物のなかでも寒さに比較的強く、耐寒温度は5℃。株の状態によっては0℃近くまで耐えられることもありますが、雪や霜には注意が必要です。
多肉植物は、葉に多くの水分を含んでいるため凍傷を起こしやすい特徴があります。雪や霜が予想される場合は、室内に移動したり、不織布でカバーしたりと寒さ対策をしましょう。
多肉植物にとって、環境の急激な変化は強いストレスがかかります。そのため、1カ月程度の期間を使い徐々に移動させ、日光や寒さに慣らすように調整してあげてくださあい。
まとめ:エケベリアを紅葉させて変化を楽しみましょう
葉の形や色のバリエーションが豊富なエケベリアは、紅葉も美しく秋から冬にかけて色彩の変化を楽しめます。育てる環境によって紅葉する色が違うのも魅力です。
紅葉させるコツを試しながら、エケベリアの紅葉を楽しんでみてはいかがでしょうか。