多肉植物の根腐れ対策|梅雨や夏場でも多肉植物を上手に育てるコツをご紹介
梅雨から夏にかけて、育てている多肉植物の元気がなくなったり枯れたりしてしまったことはないでしょうか。その原因は、根腐れかもしれません。
乾燥地帯で自生している多肉植物は、高温多湿がとても苦手です。また、梅雨から夏にかけての時期は、過湿による根腐れが起こりやすいです。
そこで今回は、多肉植物にとって苦手な梅雨や夏場を乗り切って元気に育てるコツをご紹介します。根腐れを防ぐ方法や根腐れしてしまったときの対処法もご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
多肉植物の根腐れとは
多肉植物の根腐れとは、その名のとおり根が腐ってしまうこと。
元気な根は白色でハリがありますが、根腐れした根は、茶色や黒色に変色していたり溶けたりします。根腐れの症状は根の先端からはじまり、進行すると葉の中心部である成長点まで傷み、枯れてしまうので注意しましょう。
多肉植物が根腐れする主な原因
多肉植物の根腐れは、土の湿った状態が続くことによって起こります。
土の湿った状態が続くことで腐敗菌が繁殖し、根腐れが起こることが主な原因。具体的には、以下のような原因があげられるので、注意してください。
原因1:高温多湿
原因2:水のやりすぎ
原因3:通気性の悪さ
中南米やアフリカなどの乾燥地帯で自生している多肉植物は、高温多湿が苦手です。
梅雨や夏場にかけては雨も多く、そんななかで水やりをしてしまうと、土の湿った状態がさらに長く続いてしまいます。また、通気性が悪くても湿度が高くなりやすいため注意してください。
多肉植物が根腐れしたときの見分け方
多肉植物が根腐れしたときの見分け方を、以下にまとめました。
葉がゼリー状に軟らかい
葉が黄色や茶色に変色
触っただけで葉が落ちる
土から腐敗臭やカビの匂いがする
多肉植物の葉が、ゼリー状になってブニブニと軟らかくなると根腐れのサインです。この状態は「ジュレる」とも呼ばれています。
多肉植物の葉や茎が、黄色や茶色に変色しはじめたり、急に葉が落ちたりするのも根腐れのサインです。
原因として日光不足や水不足による変色や落葉も考えられますが、葉がゼリー状になったうえで落葉している場合は、根腐れの可能性も考えましょう。
また、根腐れが起きている場合、鉢土に腐敗菌が発生することで、土から腐敗臭やカビの匂いがすることもあります。根腐れは、早期発見が大切。根腐れに気づいた時点で対処することで、多肉植物が元気を取り戻せる可能性も高くなります。
日頃からこまめに多肉植物や鉢土の状態を観察して、根腐れのサインがないかどうかを確認してあげてください。
高温多湿に強いおすすめの多肉植物
高温多湿に弱い多肉植物ですが、なかには高温多湿に比較的強いとされる多肉植物もあります。
そこで、おすすめの多肉植物を3つご紹介します。
リプサリス
リプサリスは、サボテン科の多肉植物です。
すらっとした円筒状の茎が伸び、下垂する姿が魅力。
自然界では木の幹や岩に着生していますが、鉢植えでも育てられます。
伸びていく枝が特徴なので、ハンキングにもぴったりですよ。
リプサリスの生育型は夏で、南米を中心とする熱帯雨林が原産のため、多くの多肉植物が苦手な多湿にも強い傾向があります。
ただし、梅雨時には根腐れする場合もあるので、水やりは控えるようにしてください。
ハオルチア
硬葉タイプと軟葉タイプに分けられるツルボラン科の多肉植物、ハオルチア。
軟葉タイプは、葉の先に窓と呼ばれる部分があり、半透明の葉が魅力です。
ハオルチアは、ある程度の湿度を好む種類だといわれており、霧吹きで葉水を行うこともあります。
高温多湿にも比較的強いと言われていますが、与える水が多すぎると根腐れを起こしてしまうので、梅雨時は雨の当たらない場所か室内で管理してあげてください。
グラプトペタルム
グラプトペタルムは、ベンケイソウ科の多肉植物です。
ロゼット状に重なる美しい葉が特徴。
丈夫なので初心者向けの品種も多く、寄せ植えにもよく使われています。
地植えでも元気に育つ「朧月」をはじめ、品種も豊富です。
暑さにも比較的強い多肉植物といわれていますが、梅雨時には根腐れを防ぐために水やりを控えて様子を見ながら育てるようにしましょう。
多肉植物を根腐れさせないコツ
多肉植物を根腐れさせないコツは、土の湿った状態を長く続かせないことです。
根腐れさせないための具体的な方法をくわしくご紹介します。
風通しのいい場所で育てる
多肉植物の根腐れを防ぐためには、風通しのよい場所で育てることが大切です。室内の空気循環を促すために、換気を行うことも有効ですよ。
エアコンの除湿機能を使ったり、扇風機やサーキュレーターで、風を送ったりするのもおすすめ。また、多肉植物を植えている鉢は密集させず、間隔を空けて置くと湿気がこもりにくいでしょう。
ベランダで育てている場合は、直接コンクリートの上に鉢を置くと輻射熱で蒸れやすくなるため、台の上に置くようにしてください。
水を控えめにして育てる
梅雨から夏にかけては、水やりを頻繁にする必要はありません。
水やりの頻度は、春や秋の成育期の半分くらいの目安がおすすめで、1か月に1回〜2回の水やり回数でを行いましょう。土が湿っている状態が続かないように、メリハリをつけた水やりがポイントです。
気温が高い日中に水をあげると、土の温度も上がり、鉢の中が蒸れやすいため、早朝や夜間に水やりをするのもおすすめ。鉢皿や鉢カバーに残った水もすぐに捨てるようにすると蒸れを防ぐことができますよ。
屋外で育てている場合は、雨が続くと根腐れの原因になるので、雨が当たらない場所に移動してあげてください。
水はけのよい土で育てる
多肉植物の根腐れを防ぐために、水はけのよい土を使うようにしましょう。
排水性の高い土を使うことによって、土の中の水をスムーズに排出できます。赤玉土と鹿沼土をベースに配合すると、水はけのよい土を作ることができます。
ガーデンショップやホームセンターなどで販売されている多肉植物・サボテン用の土を使用するのもおすすめです。
根腐れ防止剤を使う
根腐れ防止剤も有効です。
ゼオライトやケイ酸塩白土などの根腐れ防止剤には、多肉植物の根腐れを防ぐ効果があります。
通気性を高める効果に加えて、水の浄化にも役立つといわれているので、活用してみてはいかがでしょうか。
6.多肉植物が根腐れしたときの対処法
多肉植物が根腐れしてしまったときは、以下の手順で対処します。
多肉植物を鉢から取り出す
腐っている根をカット
腐っている葉や茎をカット
新しい土で植え替え
植え替えしたあとは水やりを控える
多肉植物が根腐れしてしまったときは、まず土から出して、根の状態を確認しましょう。
根が黒く変色していたら根腐れを起こしているので、すぐに植え替えます。多肉植物を土から掘り起こし、腐ってしまった根をすべてカットします。
その際、手でちぎると多肉植物へのダメージが大きいので、はさみでカットするようにしてください。
腐っている葉もすべて取り除くことが大切です。
ただ、全体的に根腐れが進行している場合は回復が難しい場合もあります。一部でも元気な部分があれば、元気な部分を胴切りして復活させる対処法もあるので試してみてください。
鉢土には腐敗菌が繁殖している可能性があるため、必ず新しい土に植え替えるようにしましょう。
植え替え後は、1〜2週間ほど水を与えないことが大切。根腐れした多肉植物は、水分過多な状態になっているためです。
明るい日陰に置いて、様子を見てあげてください。
まとめ:根腐れしやすい梅雨や夏場を乗り切って多肉植物を元気に育てましょう
梅雨から夏にかけての高温多湿が苦手な多肉植物。
風通しをよくして乾燥気味に育てることで、元気に育ってくれます。
根腐れのサインがあった場合にも、早めに対処することで元気を取り戻してくれることも多いです。
多肉植物や土の状態を、日頃からこまめに観察してあげてください。
多肉植物が過ごしやすい環境を整えて、梅雨や夏場を乗り切りましょう。