ハオルチア・オブツーサ特集編:「実はとっても奥深い」魅力や特徴をご紹介
今年は12月なのに、例年よりも寒さを厳しく感じますが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか?ToriDoriみどりでは、今日もたくさんのハオルチアやエケベリアたちと元気に過ごしています。
多くの多肉植物にとっては、冬は休眠シーズンです。人もそうですが、体調管理には気おつけたいところですよね。
そんな、活発な動きのない冬には、多肉植物に関する雑学でも深めていきましょう。今回は、多肉植物のなかでも人気のハオルチア「オブツーサ」と呼ばれる品種を深掘りしていきたいと思います。聞いたことはあるけど
・ハオルチアのオブツーサって、実際どんな品種なの?
・オブツーサの特徴を知りたい!
・ハオルチアについてもっと詳しくなりたいなぁ
こんなことを思ったことはありませんか?
今日お伝えするハオルチア・オブツーサの説明を参考に、ぜひハオルチア博士を目指してみてください!
なお、ハオルチアに関する徹底解説記事も過去にご紹介したので、「そもそもハオルチアってなによ?」と気になる人はこちらのコンテンツも、ぜひ見ていただけたらと思います^^
ハオルチア「オブツーサ」とは
ハオルチア・オブツーサ(Haworthia obtusa)とは、数あるハオルチア属に分類される1つの品種です。
ハオルチア「オブツーサ」の名前の由来
オブツーサという名前の由来は、ラテン語とドイツ語が起源です。19世紀に活躍したドイツ人の植物学者ヨハン・ハオルトのハオルトが由来と言われていて、丸いプリプリとした見た目が「鈍そう」なことから、ラテン語で”鈍い”を意味する「オブツーサ(Obtusa)」と名付けられました。
正式名称は「ハオルチア・クーペリー 変種トルンカータ」です。海外では一般的には「Haworthia cooperi var. obtusa」と表記されることもあります。
ハオルチア「オブツーサ」の正式名称は?
学名としては大きく以下の2つに分かれます。
H. cooperi var.truncata(クーペリー(ピフィフェラ)・オブツーサ)
H. cymbiformis var. obtusa(シンビ・オブツーサ)
15,000種類以上が存在するとされている多肉植物業界の中でも、ハオルチア・オブツーサは堂々の20位台にランクイン。多くのファン・愛好家・マニアから愛されている植物です。
ハオルチア「オブツーサ」の詳細情報
オブツーサは、ハオルチアに属すため基本的にはハオルチアの基本情報と同じです。
ハオルチア「オブツーサ」の特徴
ハオルチア・オブツーサの特徴はなんと言っても、そのぷっくりとした見た目と透き通るような美しい淡いグリーンの肉厚な葉っぱです。このようなハオルチア・オブツーサ特有の見た目に癒されたり虜になったりする人も多いのではありませんか?
ハオルチア・オブツーサの別名は「雫石」
ハオルチアの最大の特徴は、透き通った透明感のある丸々とした葉っぱです。砂漠の宝石・クリスタルプラント・緑の宝石・ジュエルプラントなどと呼ばれていて、和名では「雫石」の名で親しまれています。
春・秋の成長期には、葉先の窓と呼ばれる部分の透明度と葉の厚みが余して、太陽の光に当てるとキラキラと綺麗に輝きます。
大きく分類してクーペリータイプとシンビタイプがある
クーペリータイプのオブツーサは、葉先から葉元にかけての色が赤紫色なのが特徴。葉先まで葉脈ラインが伸びていて、どことなくダークネスで幻想的な容姿がクーペリーならではといった印象です。
一方のシンビタイプは、青々とした濃い緑色の葉が特徴。皆さんがよく見かけるオブツーサのイメージそのものといった感じです。クーペリーとは違って葉脈ラインが葉先まで伸びていないので、葉先はツルッとしています。
ハオルチア・オブツーサのレア度の指標は「斑入り・錦・極上斑・糊斑」
ハオルチアをお店で見かけると、よく「斑入り(ふいり)と書かれていたり、錦(にしき)、あるいは極上ふ、などの表記を見かけませんか?
ハオルチア・オブツーサの真髄に迫りたい人は、ぜひこの「斑入り」と「錦」について覚えておいてください!
ハオルチア・オブツーサの「斑(ふ)」とは
ハオルチア・オブツーサの「斑(ふ)」とは、遺伝・ウイルスなどで葉緑素が欠損して透明・白色・赤色・黄色などに変色した部分です。突然変異の一種で、交配や生育が難しい希少種として高価で売買される品種。
美しい見た目ですが、健全な植物に備わっている葉緑素が欠落している分、虚弱性、生育遅延、などのデメリットもあります。
また、成長の過程で斑がなくなったり、逆に全体的に色が抜けて枯れてしまったりと、非常に不安定なのも特徴。とにかく、そのままの姿で育てるのが難しい個体が斑入りのオブツーサです。
ハオルチア・オブツーサの「斑入り=錦」
販売者・お店によって「斑入り」を「錦」と表記している場合があるため、斑入りも錦も同じ意味合いです。
植物は通常(健康状態の良い植物)であれば、葉緑素が形成されて葉は緑色になります。ですが、遺伝やウイルスの影響で葉の一部や全体の色が緑色ではなくなった流通数の少ない個体(希少性の高い個体)が「斑入り≒錦」と呼ばれているわけですね!
ハオルチア・オブツーサの種類
ハオルチア・オブツーサのなかにも、細分化していく、以下のようないろいろな種類が存在します。
通常のオブツーサには飽きたな、、、と思っている人は、こんな種類のオブツーサを育ててみても楽しいかもしれません。また、今育てているオブツーサの種類がわからない人は、ぜひお気軽にToriDoriみどりまでご相談ください。リモートなどでの相談も行なっています。
ハオルチア・オブツーサ「極上斑(ごくじょうふ)」
ハオルチア・オブツーサ極上斑とは「個体全体の半分が緑色。個体全体の半分が白色」の個体です。
斑入りは不安定要素が多いですが、極上斑は比較的に安定性があります。ですが育て方次第では、別の斑入りオブツーサに変化する可能性もあります。枯らさずに育てられれば、いくつかの姿も楽しめるということですね。
ハオルチア・オブツーサ「糊斑(のりふ)」
ハオルチア・オブツーサ「糊斑」は、個体全体が満遍なく緑色をした綺麗な容姿が特徴の個体です。斑入りではあるものの、しっかりと葉緑体を持っているので安定性のある丈夫な個体です。
こちらも育て方によっては、別の斑入りに変化していく可能性があります。
ハオルチア・オブツーサ「お化け(白)/全斑」
ハオルチア・オブツーサ「お化け」とは、全体的に葉緑体が欠落して葉が白色になった個体です。斑入り現象が全体に現れる全斑(ぜんふ)と呼ばれることもあります。
葉緑体がない=光合成ができないので、枯れてしまう可能性が高い。という運命を背負ったなんとも切なく、珍しく・魅入ってしまう個体です。
その他:オブツーサ錦(地味斑)
その他:ブラックオブツーサ
その他:ブラックオブツーサ(斑入り)
その他:水晶オブツーサ
斑入りオブツーサは生育環境で七変化する!
お伝えのとおり斑入りのオブツーサは、突然変異で誕生した、虚弱体質で不安定な個体です。そのため育てる環境を意識することで、いくつかの姿に変化する可能性があるんです。
日にたくさん当てて育ててあげると
全体的に緑色に戻って通常のオブツーサに変化。逆に日に当てないで育てていくと
全体的に真っ白な「お化け(全斑)」に変化。
など
斑入りの種類によっては、生育そのものが難しかったりもするので、特に斑入り個体の場合は夏場の「高温多湿」環境に注意して育ててあげましょう。
ハオルチア・斑入りオブツーサの育て方と注意点
ハオルチア・斑入りオブツーサは、何度も言っているように、遺伝性・ウイルス性が原因で突然変異した脆弱な個体です。
通常の健康的な多肉植物を育てるよりも、「少しだけ」気をつけながら育ててあげましょう。
具体的にどのポイントに注意しながら育てるかというと、主に夏場の「高温多湿な環境」です。多くの多肉植物が高温多湿な日本の夏場を苦手としています。虚弱体質な斑入り・錦タイプのオブツーサの場合、余計に気をつけながら育ててあげてください。
それ以外の、オブツーサを育てるときの水やり方法、注意点などは、通常のハオルチアと同じなです。
こちらの記事をご確認いただければと思います。
まとめ:ハオルチア・オブツーサにもいろいろな種類がある
ハオルチア・オブツーサは、プッくりとした肉厚の葉と透明感のある可愛らしい見た目で、多くの植物ファンを魅了する人気の高い品種です。
そんなオブツーサには「斑入り」と呼ばれる突然変異種も存在しているんですね。
ほかの多肉植物と同じく、丁寧に愛情を注いで育ててあげることで、元気に育ってくれます。
休眠期に当たる冬の時期は、今回のような多肉植物の雑学を深めながら、多肉植物と接していってくださいね!