ハオルチアが徒長してしまったらどうする?原因と対策を把握して可愛く育てよう!
ぷっくりキラキラとした姿が可愛く「生きる宝石」とまでいわれるハオルチア。
お世話は比較的簡単ですが、徒長には気をつけていないと、せっかくの可愛い姿を保つことができなくなる恐れがあります。
「徒長」とは何なのか、防ぐにはどうすればよいのか、徒長したらどうすればよいのか。
ハオルチアを育てるうえで知っておきたい徒長に関する内容をご紹介します。
ハオルチアを含む多肉植物の「徒長(とちょう)」とは
徒長とは、茎や枝だけが著しく伸び、葉と葉の間が間延びしてしまった状態のことです。
病気ではありませんが、程度によっては 生育に影響を及ぼし、どんな植物も育つ環境次第で徒長してしまいます。
ハオルチアのような葉と葉の間隔が詰まった多肉植物の場合は、とくに見た目に大きく影響します。
本来の美しい姿を保てなくなるため、可能な限り避けたい現象です。
多肉植物が徒長する原因と対策
多肉植物が徒長する原因はいくつかあります。原因をあらかじめ知っておき、育て始めるときから対策をしておくことで徒長を防ぎましょう。
日光不足
日光は、植物が光合成をして栄養を作り出し、成長するために欠かせない要素のひとつ。
日当たりが悪い場所にいる植物は、日光を求めて上に伸びようとします。
しかし上に伸びても日当たりが悪いままだと栄養を上手く作り出せません。その結果、茎は伸びているのに葉は大きくなったり増えたりできず、ひょろひょろとした細長い姿になってしまいます。
また、栄養も上手く作れていないため軟弱な株になります。
過度な水やり
植物は必要以上に水を摂取すると体が膨張し、茎が間延びしてしまいます。
もともと水分を多く含んでいる多肉植物に水をやり過ぎると、多肉植物の体の中は水分過多となってしまい、徒長につながるのです。
また、水のやり過ぎは徒長だけでなく、根腐れして枯れてしまう原因にもなります。
肥料のやり過ぎによる栄養過多
植物の成長に必要な3大栄養素は窒素・リン酸・カリウムですが、栄養過多にも要注意。
窒素は茎や葉の生育に不可欠ですが、多すぎると植物が一時的に勢いよく成長してしまいます。茎と葉の成長バランスが崩れて茎だけが早く伸びる可能性があり、結果的に徒長してしまいます。
多肉植物は本来、栄養価が低く乾燥した土壌でも育つ能力があるので、水や肥料は必要最低限の量をあげれば問題ありません。
季節の影響による問題
ハオルチアは春と秋に活動期を迎える多肉植物のため、成長期にともなう外見的影響を多分に受けやすいです。
休眠期である冬から活動期である春に季節が移る頃は、気温の上昇とともにハオルチアの成長スピードも上がります。
このとき日光が不足してしまうと徒長しやすくなるので、注意が必要です。
また冬は休眠期とはいえ完全に植物が眠っているわけではないので、ゆるやかですが成長しているため徒長も起こります。特に冬は日光不足になりやすいので注意してあげてください。
水や肥料は最低限の量でよいところ、やりすぎてしまうと水分過多・栄養過多になります。つまり冬は徒長の原因が揃いやすい季節ということです。
さらに、室内で育てていて室温が高く保たれている場合は、ハオルチアが休眠期に入らず成長を続けることも考えられます。
ハオルチアをよく観察し、環境に合ったお世話をすることが大切です。
密植された生育環境
密植された生育環境で風が当たりにくい株は、植物ホルモンであるエチレンが発生しにくいため茎が太くならないまま伸びることがあるため徒長しやすいです。
植物は風が当たることで植物ホルモンを分泌させます。ホルモンの分泌によりエチレンという成分が発生しますが、このエチレンには茎の伸びを抑えて茎を太くする作用があります。
しかし密植した状況下ではハオルチアを含めた植物にとって良い環境とはいえません。
また、風通しだけでなく日光も当たりにくいため、日光不足による徒長も同時に起こりやすいので注意してあげてください。
ハオルチアが徒長することで懸念される影響
植物のなかでもハオルチアを含む多肉植物は特に徒長したときの見た目が分かりやすいです。
多肉植物はインテリアとして楽しむ方も多いので、見た目が崩れないことも大切。気に入って購入したときの可愛い姿が保てなくなり、飾っておきたくなくなることもあるでしょう。
徒長の影響は見た目の問題だけではありません。
茎が伸びてしまうことで下のほうの葉に栄養が行き渡らず、緑から黄に変色したり、葉が落ちてしまったりすることもあります。
徒長しすぎると、ひょろひょろとして、いつかは自力で立てなくなることもあるでしょう。自力で立てないことで茎が倒れて地面につき、そこから腐ってしまうことも。
徒長した植物は軟弱なので、病気にもかかりやすくなるなど、見た目のほかに生育にも悪影響が出る可能性があるので十分に注意してあげてください。
ハオルチアの徒長を仕立て直す方法
残念ながら一度徒長した部分は、元には戻りません。上の写真は成長期に1カ月室内で管理し、見事に徒長してしまった株です。明るいところに移動し、一年を経て新葉は短く、元の形に戻りつつあります。
新たな葉や株分けした個体は、改めて徒長対策をとり、気をつけて育てることで美しい状態を保てます。
とはいえ、ハオルチアの新たな葉は中心部分に現れるので、徒長した古い葉が周りにあるままでは新しい葉が覆われてしまい、日光や風がうまく当たりません。
徒長を繰り返すことになりかねないので、そのままにせず思い切って仕立て直しを行うことをおすすめします。
仕立て直しは「活動期である春もしくは秋」に行いましょう。
ハオルチアの仕立て直しは「胴切り」といって、テグスを使って2分割する方法が一般的です。
葉を下から数えて最低2周は残し、分割したい部分の茎にテグスを巻いて締め上げることで切り離します。
このとき、テグスを奥までしっかりと差し込んで茎だけを切断するように気をつけると、葉を傷つけたり犠牲にしたりせずに済みます。
胴切りで取り除いた葉は、葉挿しをすることで新たに美しいハオルチアを育てることも可能です。
大切なハオルチアが徒長して困っている方は、ぜひ仕立て直して見てください。
ハオルチアを徒長させずに育てる方法
ハオルチアが徒長するいちばんの原因は日光不足です。
日当たりのよい場所で、ときには植物用ライトなども活用しながら360度均等に光が当たる環境を作ってあげることを大切にしてください。
水や肥料のやりすぎに注意し、風通しのよい環境で、よく観察しながらお世話を続けることで徒長させずに美しい姿を保ったまま育てることができます。
まとめ:ハオルチアを含めた多肉植物の徒長は病気ではないので大切に育てましょう
ハオルチアを含めた多肉植物の徒長は、病害虫につながるリスクはあるものの、決して徒長自体は病気ではありません。
徒長は、ハオルチアが一所懸命に育とうとしている証です。
初めから仕立て直しを考えるのではなく、徒長させないような生育方法を実践し、ぜひ大切に育ててあげてください。
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