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momoro66
[読書記録]君が夏を走らせる(瀬尾まいこ) / もう大丈夫
金髪にピアスの男子高校生が二歳になる前の女の子のお世話をする。瀬尾まいこさんのこういう設定大好きです。ワクワクします。
小さな女の子との食事を通して変化していく主人公、いつの間にか小さな女の子のお世話に夢中になっていく様子は微笑みしか生まれません。
三連休に入ると、俺は料理にいそしんだ。鈴香の昼ご飯になりそうなものをいくつか作ってみたかったのだ。チャーハンは何でも入れられるし簡単だけど、そのうち飽きるだろう。それに、小さなころにいろんな味を知っておいたほうがいい気がする。
なんて善良。なんて人思い。
ほんの一瞬の「その時期」を、こんな風に豊かに優しく根気強く乗り越えられるなんて。もう主人公の大田くんには希望しかないし、大丈夫だと強く思えます。
気になり過ぎるそれからのこと、たくんありすぎてこんがらがりますが、これで良いのだろうな。瀬尾まいこさんの作品はこういう後のことを希望だけで満たして、あたたかく終わらせてくれる作品が多いような気がします。
公園に残される人たちとか、鈴香ちゃんのおじいちゃんおばあちゃんとか、先輩とその奥さんと妹、走ること…。私は精一杯想像します。
というわけで読後感も最高で、しばらくぼんやりしてしまいました。夢に見そう。
おい大田くん!うちにも来て欲しかったよ!
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