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[読書記録]この夏の星を見る(辻村深月)

はじまりは三人の中高生。コロナ禍に直面しながらも自分の時間をどう生きるか模索します。いろいろなことを模索しながら、自分達で何かを形作って行く姿は、とても爽快で、心が震えます。部活動って、私もだったのですが、中学高校時代の中では生活の中のとても大きなウエイトを占めていて、苦悩や感動があって、それをリアルに思い出しました。でも私のあの頃にこの感染症があったら…、今の私とは全く違う私だっただろうな、と思います。一生懸命練習したし、仲間とはちょっと独特な繋がりがありました。でもそれがコロナ禍だったらどうであったかは想像すらできないな、と思いました。

コロナ禍の社会や学校現場において、インターネットの普及はさらに加速したと思います。
いつかそうなって行くだろう、と思っていたようなことが、必要に迫られて、現実にすごいスピードで。
これで教育や社会のあり方も、もっともっと多様化したらいいのにな、と思いました。

それから圧倒的に、望遠鏡が欲しくなりました。
夜空に思いを馳せることは、現実の小さなことから離れて、心を解放するのにとても良いように思えるし、私も木星や土星、ISSを望遠鏡で観たいな。
星や月までの距離に比べたら、確かに北海道や沖縄、ブラジルだって、行こうと思えばすぐに行ける距離だということを、私も夜空を見ながら思い浮かべたい。
道が閉ざされたように思えることは他の道への入り口だということを、また教わったような気がします。
茨城の砂浦三高と渋谷区のひばり森中学校がはじめてオンラインで繋がって会議をしたところで、じんわり涙が出ました。


ぜんっぜんこの本の筋からは離れて、私の妄想なのですが、木星がガスで出来ているんだったら、ガスのような気体で構成された宇宙の生命体がいてもおかしくないのではないでしょうか。
もしそういう生命体がいたらISSや宇宙船に自由に出入りできたりして…。
自分の身体の形も自由に変えられて生命体の感知システムにはひっかからないかもしれないから、ISSとかで食糧庫なんかに潜んでても分からないかも…なんて想像してしまって、そこで「これはその生命体には地球人は敵わない、どうか仲良くしてください」と思いました。笑

コロナ禍で、こんな風に学生生活を送れた子どもたちはきっとそんなに多くないのだろうと思いますが、コロナ禍だから見えた良いことやいやだったこと、逆に大切に思うえるようになったこと、きっとそれぞれに持って考えながら大人になって行くのだろうな。


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