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シャキシャキの旅

何時間も煮込んでしっかり味が染み込み、ほこほこになった根菜がまだまだ美味しい季節です。
また一緒に煮込んで噛めばすぐに口の中でほどけてしまうような、スープの味が1番真ん中までよく浸ったお肉もまたとても美味しいですね。

そんなほっくりじんわりな野菜やお肉はなんとも美味しいですが、私には「大好きな食感」というものがあります。
「シャキシャキ」と表現される食感です。シャキシャキが大好きなのです。
シャキシャキしていれば大抵のものを好きになります。だんだん好きになってくるのです。不思議ですね。人の嗜好って本当にそれぞれなのだろうな、と思います。

まずはシャキシャキの代表蓮根。
塩胡椒をしてごま油を回したフライパンで触らずにじりじり焦げ目がつくまで焼き、熱いうちにポン酢をシュッと回しかけて食べるのが最高だと思っています。
天ぷらにしてあつあつの衣の中からまだ元気にシャキシャキとした蓮根が出てくるのも大好きです。
あんなに熱をくぐったのに、なんとまだシャキシャキしているなんて。その立派さ、健気さ、おいしさに胸が震えます。

それから昔は苦手だったセロリ。
塩昆布とお塩で浅漬けにしたセロリにだし醤油をくるっとかけて食べるのが好きです。
それにツナとごま油、塩昆布と和えるとまたセロリのシャキシャキとしたおいしさは引き立ちます。
なんといっても生のシャキシャキが美味しいです。
あと、これはシャキシャキではありませんが、カレーに細かくして入れ、ほとんど無くなるほど煮込むと不思議に後を引く美味しさになりますよね。隠し味にもなっていない隠し味(教室の隅でボソッと主張するクラスメイトのような)がおいしく料理できると、思わずしてやったりと心でこぶしをぎゅっと握ります。

他には大根。
スライサーで2mmくらい、少し太めにスライスしてちょっと水に晒した大根をレタスやトマト、時にはツナなどと、ドレッシングをくるりとかけて食べる大根サラダが大好きです。
大根って優秀だな、と思います。煮ても焼いても細く切っても下ろしても美味しいなんて。
1cmくらいの柱状に切った大根と細く切った柚子の皮と和え出汁醤油と食べるお漬物も、シャキシャキぱりぱりとして美味しくて大好きです。書いていて湯気の立ったほかほかの白ごはんが食べたくなります。

そしてつい最近、近くの漁港で釜揚げひじきと出会いました。
おじさんが「さっき採って来たばっかだよ。ポン酢で和えて食べたらめちゃおいしいで。余ったら冷凍しといてまた食べる時自然解凍したらそのまままたおんなじにおいしく食べれるで。」とお勧めして下さいました。それが本当にシャキシャキとして美味しかったのです。はじめての釜揚げひじき体験でした。
季節のものですぐになくなってしまいそうなので、商売上手なおじさんのところへまた行こうかな、と思います。

他にももうそろそろ、あちこちで出会えるシャキシャキは、たけのこやスナップエンドウ、長芋など(生の長芋は短冊に買って卵と出汁醤油に刻みのりをかけて頂くのが大好きです)。

私のシャキシャキの旅は、季節で毎年会えるものも、今まで見落としていたものも、はじめての土地ではじめて出会えるものも、きっと目を丸くしたりうっとりしたり、飽きることなくずっとわくわくしながら続きます。楽しみだなあ。


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