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諏訪原小説コレクション

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#ダーク

【小説】太陽の塔

 わたしがまだいたいけな美少女小学生だったころ、近所に「太陽の塔」があった。
 といっても、大阪の万博記念公園に鎮座する、なんだか様子のおかしなおっちゃんが作ったほうのそれではない。けれども、わたしたちの町の「太陽の塔」も、本家のそれと同じか、いや突拍子のなさならそれ以上か、まあとにかく非常に奇天烈な物体だった。
 わたしの実家からすぐのところにある小さな児童公園のちょうど真ん中にそれはあった。高

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【小説】ありがとう

「ありがとう」
 ねぐらの入り口からケンさんはひょっこりと顔を出してそう言った。いつも快活でニコニコとした笑顔を絶やさない彼なのだが、なんだか今日はやけに難しそうな顔をしていた。
「いやいや、何のことですかケンさん。昨日の空き缶のことなら気にしなくていいって言ったじゃないですか」
「ありがとうな、ウッチー」
 ぼくの話を遮るようにケンさんは妙に低い声でもう一度そう言うと、ふいといなくなった。なんと

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