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ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』

最近Netflixに日本のドラマが来ており、懐かしくて『池袋ウェストゲートパーク』(IWGP)を1話見たことにより、おそらくサジェストされた。
今は我が家にもテレビはなく、日本のテレビドラマを見るのも久々でした。
非常に楽しく一気に見れたので、もはや知らない人もいないかもしれませんが、オススメの作品です。

高学歴でありながら派遣切りの憂き目にあい、転職活動を始める森山みくり(新垣結衣)と、生まれてからずっと彼女がいないし欲しくもない35歳SEの津崎平匡(星野 源)。
失業した娘に世話焼きな親が勝手に紹介する形で、津崎の1人暮らしを支える家事・手伝いとなった森山だが、親の転居についていくことになる。
ちゃんと働きたいという森山と、腕の良い家事・手伝いを手放すのは惜しい津崎の利害が一致したことから、転居を中止し、給料の発生する契約型の結婚生活(偽装)が始まる。

現代的な恋愛観

「結婚は親のためにもするものだ」とか「子供は何人作るのか」など、親の代から受け継がれた伝統といえば聞こえがいい仕来たりを無視し、利害一致、お互いが良ければ良いという現代的な両者の思考回路が面白い。
両家挨拶は避けられないが、披露宴は「二人で決めたこと」と言えばナシで押し通せる。日曜日に会社の同僚が遊びにくるが、本来主婦としてお休みの日なので振替休日。
合理的なものに共感しがちな自分としては、このあたりは納得感が高かった。

雇用契約書から始まる物語も、利害からお互いを大事な人だと捉えるようになるわけですが、雇用主兼童貞である津崎は葛藤、勢いで行動しがちな森山は自分の恋心に気づき、どうやって表現していいか分からず苦しみます。
周囲には通常の結婚として発表しているため、偽装のために仲良くしたり、初々しさを出すために毎週火曜日を「ハグの日」としてハグを義務付けるといったユニークな展開も面白かった。「ハグの日」システムはすべての夫婦が取り入れるべきルーティンなのではないかと感心してしまいました。

パロディ

冒頭から『情熱大陸』のパロディで始まります。
漫画原作ではどのように扱われているのかわかりませんが、森山の妄想癖から心理描写をパロディで描く演出が目立ちます。何を思っているか、そのまま言わせるのは味気ないですが、パロディが簡易的に伝える装置をしており、単調な日常描写における緩急をつける演出でもあり、効果的に使われています。
本作はTBSドラマのため『関口宏の東京フレンドパーク』『ザ・ベストテン』などTBS系列パロディが多いのは当然ですが、フジテレビ系列『サザエさん』テレ東『新世紀エヴァンゲリオン』朝日系列『劇的ビフォーアフター』NHK大河『真田丸』など他局ものパロディも数多く、許諾的にはどうなっているのかと気になってしまいました。
個人的には作品内で使うパロディというもの自体にルールを破っているような性質を感じており、あまり好きではありません。本作においても、「またか」「はよ次行かんかい」と焦れていました。

作品の見え方

その後、この共演者二人はプライベートでも結婚したわけで、今見るとどうしても彼らの仲睦まじい雰囲気を、邪なフィルターを通してみてしまっているような気がします。
実は新垣結衣さんに対してあまり演技力の立つ方だという印象がなかったのですが、本作における森山役はハマっており「本当に恋しているみたいだ」みたいな感想になってしまったことで、これが彼女の演技力に対する評価なのか分からないという感じです。
仕事場の関係性であるため、相手の前では普通にふるまって、玄関で見送った瞬間に「キャーッ💛」ってなっている彼女は可愛らしいです。
ですが、おそらく本作で最もカワイイのは星野源の方かもしれません。
まぁこっちは小動物的な感覚のような気がします…。

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