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後悔という名の幻想:あなたは常に最善を尽くしている【後悔不要論】
この記事で伝えたいこと
・なぜ後悔は無意味であり、幻想に過ぎないのか
・後悔が起きるメカニズム
・過去の選択を尊重し、未来にどう活かすかの指針
「なぜ、あのとき別の選択をしなかったのだろう?」
「もし違う道を選んでいたら、もっと良い未来があったかもしれない……」
こんなふうに、過去の選択を悔やんだことはありませんか?
もしかすると、できることなら過去をやり直したいと思っているかもしれません。誰でも人生において失敗はあり、後になってその失敗の原因に気付き、「あそこで違う選択をしておけば」と思うものです。
しかし、ここで考えてみてほしいのです。 そもそも、私たちは本当に間違った選択をしていたのでしょうか?
実は、人は常にその瞬間の最善の選択をしています。 「後悔」は単なる幻想であり、過去の自分を否定する無意味な作業に過ぎません。
本記事では、なぜ後悔は無意味なのか、そしてそれをどう捉え直せばいいのかを説明していきます。過去の失敗を引きずっている人の考え方が変わるきっかけになれば幸いです。
後悔が幻想である理由
後悔が幻想である理由は、人は常に「その時の自分にとっての最善」を選んでいるからです。人は何かの意志決定をする瞬間、無意識にその時の自分にとって最も良いと思った行動を取ります。
例えば、試験前で勉強するべき時、疲れているからとスマホをいじった経験はありませんか。結局勉強ができず、後日、試験が散々な結果となり、「なぜあの時勉強をせずにスマホをいじってしまったのだろう」と後悔した人は多いと思います。
ですが、なぜスマホをいじってしまったのかに対しての答えは単純明快です。その瞬間において「より良い」と感じた選択をしたからです。「勉強する」よりも「スマホを見る」方が、その時の自分にとって魅力的だったからこそ、その選択をしたのです。このように、人はその瞬間において最も魅力的に思える行動を取ってしまうものです。
「後悔」とは、辞書によれば以下のような意味です。
すでにすんでしまった事柄について、あのときすれば(しなければ)よかったと悔やむこと。
「あのときすれば(しなければよかった)」というのは、他の選択肢が存在することを前提としています。しかし、上述のように、過去の出来事については、その時々で様々な選択肢があったように見えますが、実際はその時に最も魅力的に思えたことしか選択肢はないのです。
つまり、後悔の前提である他の選択肢が存在しない以上、後悔などできないはずなのです。これが後悔が幻想であるという理由です。
後悔が生じる理由
それでは、理論上は後悔はできないはずなのに、なぜ人は後悔をしてしまうのでしょうか。それには、人間の心理現象の一つである「後知恵バイアス」が関係しています。
後知恵バイアスとは、物事が起きた後に「そうなると思っていた」というように、予測できていなかったことを予測していたかのように考える心理傾向のことです。実際に出来事が起きるまでは結果が分からなかったにもかかわらず、終わってみれば想像通りだったと思うのです。
ここで重要なのは、「実際に出来事が起きるまでは結果が分からなかったにもかかわらず、終わってみれば想像通りだったと思う」という部分です。
私たちが後悔を感じた時を思い出してください。例えば、友人と仲違いした時、後になって友人が傷つくことを言ってしまったのが原因だと気付き、「あんなことを言わなければ良かった」と後悔します。或いは、課題を期限までに終えられなかった時、「なんで自分は課題を放置して遊んでしまったんだろう」と悔います。
どちらも、結果を知ったうえで、過去のある選択が原因で失敗したことに気付きます。ここで、「やっぱりあの時の選択が原因か」と後知恵バイアスが働くのです。そして、まるでその時にも他の正しい選択肢を知っていたかのように錯覚し、「あっちを選んでおけば」と後悔に繋がるのです。
しかし、過去の選択時点では結果は分かりませんし、繰り返しになりますがその時点では最善の選択をしているので、そもそも他の選択肢などなかったのです。
なぜ後悔は嫌な気分になるのか
あなたは、結果論で物事を語る人についてどう思いますか?
結果が分かったことに対して、「自分はこうすればいいと思っていた」と言ってくる人のことです。まさに後知恵バイアスの化身のような人のことです。
例えば、あなたが全力を尽くしたプロジェクトが失敗したとします。 その後、同僚が「最初から違うやり方をしていれば良かったのに」と言ってきたらどう感じますか?
「そんなの結果論だ!」と腹が立ちませんか?
私は結果論を言ってくる人は嫌いです。なぜ結果が分かる前に行ってくれなかったのかと思いますし、それを言われると非常に腹が立ちます。
しかし、実は後悔とは、自分に対して結果論を語っているのと同じなのです。 過去の自分がその時に最善を尽くしたことを、結果を知っている未来の自分が非難しているのです。滑稽なことだと思いませんか?
他人にされて嫌なことを、わざわざ自分に対してすることが後悔の正体なのです。だから、結果論を言われたときと同じで、後悔をすると気分が沈み、どうしようもなく嫌な気持ちになるのです。後悔をしないようにすることが、自分の精神衛生上も良いことが分かると思います。
後悔の対処法と活かし方
では、どうすれば後悔せずに生きられるのでしょうか?
これまでの話を纏めると後悔の原因は以下の2つにあります。
過去の自分の選択は悪いものだという思い込み
後知恵バイアスによって、より良い選択肢を選べたという勘違い
これらの考えを捨てることが、後悔をしないことに繋がります。その為には、過去の自分の選択を尊重するようにしてください。
結果の如何によらず、自分は常にその時の最善を尽くしてきた
過去の選択時点においては、他の選択肢など存在しなかった
このように考えることは、自分の過去を正当化することのように思えて、抵抗があるかもしれません。しかし、これは現実逃避ではなく事実なのです。何度もお伝えしている通り、人はその時々に最善と思える行動しか取れないのですから。そして、過去は変えられないのですから、それ以上は考えても仕方がないことなのです。
また、今まで後悔してきたことを、これからは未来に向けて活かすことも大切です。そのためには、失敗に終わってしまった結果を後悔をするのではなく、「未来に活かせる教訓」として考えることです。
例えば、「試験勉強をサボってひどい点数を取ってしまった」という結果を後悔するのではなく、「次は勉強を優先しよう」と学ぶ。投資で損をしてしまったから後悔するのではなく、「次はリスクを分散しよう」と学ぶ。今まで後悔してきた失敗の結果を「責める材料」にするのではなく、未来をより良くするためのヒントにするのです。
過去の失敗は、現在の自分の能力や傾向の参考になります。過去の失敗を参考にすることで、自分に足りないモノが何なのか、自分がどのような考えをしがちなのかを客観的に把握することができます。それによって、未来の選択に活かすことができ、今までは後悔してきたことを、成功の喜びに変換することができるようになります。
是非、この考え方で自分を成長させてみてください。
まとめ
人は常に、その時の自分にとって最善の選択をしている
「あの時他の選択をすればよかった」の他の選択は存在しない
後悔は後知恵バイアスによって生じる
後悔とは、過去の自分に対して結果論で非難するようなこと
後悔をしないためには、過去の自分の選択を尊重すること
過去の失敗を未来に活かすには、失敗の原因を分析し、自分に足りない能力や自分の傾向を把握することが大切
終わりに
ここまでお読み下さりありがとうございました。この記事を読んで、「後悔」という感情に対する見方が変わったでしょうか?
後悔という感情は人生に一生ついて回る感情です。特に、自分に自信がない場合には、日々後悔の念に苛まれていることが多いと思います。私もかつてはそうだったのですが、この記事の考え方に切り替えてからは、後悔ではなく反省して未来に活かせるようになってきました。
過去の自分を責めることに意味はありません。 それよりも、「なぜその選択をしたのか」を理解し、未来に活かすことが大切です。後悔する時間があるなら、それをより良い未来の為に何ができるかを考える。そうすることで、後悔のない人生が築けるはずです。
ぜひ、あなたの考えや経験もお聞かせください。コメント欄で、あなたが「後悔」をどう捉えているかを共有していただけると嬉しいです。皆さんの声をお待ちしております。
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