小池田マヤ『聖☆高校生』
エロ&トラウマ&哲学で推しのマンガ、一選目。
小池田マヤ著『聖☆高校生』少年画報社 ①~⑪巻
主人公は「ちんぽいじり」があだ名でいじめられっ子の高校生、神保聖。
いわゆるやりたい盛りだが、連載当初、実はちんぽはいじったことすらない。
ヒロインは生徒にフェラチオして回る、美人で巨乳の美術教師、美園。
初恋、初体験、バント、パンク、SM、女王様、ホスト、風俗嬢、二丁目、ビアン、ゲイ、差別、ショットバー、丸い氷、 メンヘラ、アート、任侠、 刺青等盛りすぎなくらいの内容ですが、レイプとプラトニックラブが主題の両輪であると思われます。
いちおう、高校生なので、部活、就職、受験、予備校通い等も盛られています。
まるでマンガのような(マンガですが)女エロ教師の美園は、実は「○○○○○女」であり、「永遠の女」です。
ラストには、主人公聖は「ちんぽをいじったことがない」どころじゃないどころに成長しています。
4コママンガの連作による青春大河マンガ作品です。
この「4コママンガの連作」という表現方法で、この内容と濃さというところもびっくりの傑作です。
笑いどころも多し。
抜き(エロ)どころと萎え(トラウマ)どころ、どっちが多いかどう入り乱れるかは人によるかと。
聖が呑み込めたのは若さでもあり、若さとはこの物語の重要な設定です。
表紙は肌色のシナベニアの版木(版画ではなく、それのもとになる、彫られた木の方)による美園先生のヌードです。
見えちゃいかんところにロゴや聖が被さっていたり等、加工してあります。
中表紙は版画です。
小池田マヤは美大の版画科卒で、版画よりも、版木を愛していたようです。(一巻、60pより)
表紙を見ればなるほどの版木のエロさ。
原画の個展があれば、是非、版木の展示もお願いします!
私が雑誌フィールヤングで知った小池田マヤは既にエロ路線でしたが、30になる頃少年キングにて『聖☆高校生』を連載するまでは、「あったかく」「心なごむ」「幸せってこんな感じ」のマンガを描いていたそうです。 (一巻あとがきより)
私はエロじゃない小池田マヤは読んだことがないのですが、きっと同じところに感動するのだろうなと思います。