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5月25日 私が欲しいのは、空間上に立体キャラクターを出現させるプロジェクターなんですけど…

 『popIn Aladdin』という商品がある。

 私がこの商品を知ったのは最近なのだけど……もう2年前からあった商品なのか。
 ざっくり説明すると、天井のシーリングライトがあるべき場所に設置するプロジェクターだ。これなら追加工事も必要ないし、電源もそこから引っ張ってこられる。インテリアの邪魔にならず、お手軽に大画面を楽しめる。

Amazonの商品説明はこちら↓

 ただ、普及を第一に目指した商品なので、お値段控えめで、性能もエントリーモデルクラスのよう。あくまでも「初めてのプロジェクターに選んでね」という商品だ。購入を検討している人は、そこを考慮に入れてね。
 普及していけば、同じモデルのハイエンドクラスも出てくるかも知れないが……。

『ブレードランナー2049』のワンシーン。左に映っている女性は立体映像。

 こういったガジェットを見ると、つい期待してしまうのは、天井プロジェクターを応用した「立体映像」技術。例えば上画像のような光景だ。
 上画像の出典は『ブレードランナー2049』。仕組みを説明すると、天井にプロジェクターが設置されており、さらにカメラも付いていて、部屋の中にいる人の目線を測定し、その人にだけは立体映像を見せる……という技術。
 この技術で立体映像を見せられるのはホストとなる1人だけなので、部屋に2人目が入ると、その人には「平面画像」しか見えない。
 もちろん架空の技術ではなく、実際にある技術で、しかも今ある技術で実現は可能。現在のプロジェクターはまだ画質が2Kあたりでとどまっているのだけど、解像度と輝度がガンガンに上がってくれれば、映画で見たように、本当に女の子がそこにいるかのように見せかけることができる。
 見ている人の頭・目の位置を把握して3D映像を見せる技術は『NEWニンテンドー3DS』にすらあった技術。そう考えると、「可能と言えば可能」というのがわかるでしょ?
 この技術があれば、初音ミクさんを「モニターの向こう」ではなく、部屋の中に出現させることができる。……夢の技術でしょ?

 この特許技術を持っているのは、確かディズニーだったと思う。
 なぜディズニーなのか……というと、実はディズニーは最新技術の開拓に貪欲な企業でもある。それは創設者ウォルト・ディズニーに意向で、ウォルト・ディズニーが在命だった頃は新奇の技術をどんどん発明しまくっていた。オーディオ・アニマトロニクスなんかも、その成果の一つ。

いろんなアトラクションの中に見られるオーディオ・アニマトロニクス。この技術は、なんと1963年に開発された。当時のディズニーは未来に生きてたな……。

 ディズニーランドといえば、「子供が行くところ」……とつい思いがちだけど、こうした最新テクノロジーがどのようにエンタメに応用されているか……を学ぶつもりで行くと、新しい発見や面白がりポイントを見いだせるはずだ。ディズニーランドは「技術の見本市」でもある。大人こそ、学びの場として行くべきである。

 現在のプロジェクターから、あともう一歩発展させれば、『ブレードランナー2049』のように部屋の中に立体映像を浮かび上がらせることができる。これは現時点の技術でも、すでに可能なものとなっている。
 では何が問題なのか、というと、技術問題ではなく、コンテンツを充実させられるかどうか……という問題。そこできちんと商業として成立させられなければ、そういうプロジェクターも開発されることはない。3Dテレビですら、いま作っているメーカーはほとんどないわけだし(3DBlu-rayは出続けているのにだよ!?)。
 ゲーム業界には「任天堂」という、自前でゲームハードを作って、自前でコンテンツを作り、しかもそれが業界で一番売れている……。そんな会社も存在しているのだけど、テレビ業界や、プロジェクターを作っている業界に、任天堂のようなことができるメーカーは存在しない。
(これはテレビメーカーが業界で一番視聴率の取れるテレビ番組を作っている……というような話。それをやれているのが任天堂の凄さ。ソニーもそれがやれるメーカーの一つだけど……)

 技術的に不可能ではないが、「継続的なコンテンツが作られる保障」がないから、誰も作らない。もしもいま作ったところで、コンテンツがないので、誰も買わない。でも、きっとあったら面白いだろうなぁ……と私は思っている。今までは部屋の「壁」に向かって、みんなが視線を集中させる……という形だった。でも部屋の中央に立体映像を浮かび上がらせる、という方式になれば、みんなが部屋の「中央」に視線を向ける。そこで生まれる対話や関係性はきっとあるはずだ。
 でも、こういう技術はテレビや映画、動画配信ではあまり期待はできなくて、一番期待できるのはやはりゲーム。ゲームだったら、「回り込める3D映像」は確実に需要があるはずだ。そこから新しい仕掛けなんて、ゲームデザイナーならいくらでも考えることができるはずだ。対戦ゲームだったら、「壁」に向かうよりも、部屋の「中央」で向き合うことで意味合いは確実に変わるはず。
(ではもしも、「部屋の中央に向けて照射するプロジェクター」が世に出てきたとして、従来のような壁に光を向けたい時はどうすればいいんだ……と思われるかも知れないが、その時は壁に向かって光を照射すれば良い。その程度の切り替えができなかったら、商品としてはダメでしょう)
 これからはゲームがコンテンツリーダーになっていく……と私は常々思っている。なぜなら、そういう3Dの仕掛けは従来のテレビや映画では大した恩恵は得られないが、ゲームだったら充分な恩恵が得られるはずだ。もしもそういうプロジェクターが作られるとしたら、その中心にあるのはゲーム……そこに期待している。

 ところで、確かに天井プロジェクターを応用した技術はディズニーが持っていたはずだ……でも一応確認と思って検索をかけてみると、別なのが出てきた。やはりプロジェクターを応用した技術だが、なんと不特定多数の人に同時に立体映像を見せることができる技術だという。

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 おっと、技術が刷新されていた。「ホストとなる1人だけに立体映像を見せる技術」から「多数」に進化していた。ディズニー凄いな。さて、この技術はどのアトラクションで見られるようになるのかな……。そっちも楽しみだ。


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とらつぐみ
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