4月20日 アレの補足の補足 「お客様は神様」←悪神である。
私は「お客様は神様」という発想が嫌い。大嫌い。
なぜ「技術」も「功績」もないような人間を神様として扱わなければならないのか。神様と呼ばれるには、相応の「技術」を持っていて、相応の「成果」を出した人だ。誰もが尊敬される素晴らしい仕事を成し遂げた人を「神様」と呼ぶ。
技術革新を起こした人や、あるいは世界的に素晴らしい評価を受けた人、芸術やスポーツで功績を残した人も「神様」と呼んでいいだろう。
どうしても「お客様は神様」と呼んで欲しいなら、まずそれだけの成果を持ってきなさい。
『金枝篇』によると、神様はそもそも生け贄に捧げられる人……という意味だった。「俺はお客様だから神様だ」と主張するなら、では供物になっていただこう。崇めてやるから、ちょっと死んでもらおうか?
技術も功績もないのだったら、より多くの人のためにその身を捧げなさい。
それだけの覚悟もない人を、私は神様と呼ぶ気にならない。
それでも「俺はお客様だから神様だ!」とお言いになるか?
よろしい。あなたは悪神であるから、滅ぼさなければならないな。
ははは……冗談だよ。
なぜ悪神になるのかというと、だいたい「我は神である」と自分から言ってしまうようなやつなんて、悪神に決まっている。ファンタジー世界では、だいたいそういうのは悪の大ボスだ。
現実世界でも「我は神である」と信者をぞろぞろ引き連れているようなやつはやっぱり悪神だ。やっかいなカルト教団の統率者のことだ。
「我は神である」なんて言うやつに、まともなやつがいるわけがない。
だから「俺はお客様だから神様だ」というやつは悪神なので、即時退店してもらうのが妥当だ。
「お客様は神様」なんて、本当に厄介な考え方を残してくれたものだ……。
今回の話も、『ProjectMOE 2』の補足。読んでないと半分くらいしかわからない話をするよ。読んでないやつなんて知らんからな。
『ProjectMOE 2』のおまけ漫画に、「当事者意識の欠如」……自分が炎上するときまで自分が当事者という意識を持ち得ない……という話を書いた。それまでは自分が正義の使者である仮定、自分たちは安全な外野で、渦中にいる「当事者達」に好き放題石を投げていいという立場。
だから好き放題いえるし、ある種の全能感、万能感を感じていられる。自分が神様であるかのように思える。
自分がその当事者の一部になるかも知れない……とは自分が炎上するときまで考えつかない。その時がくるまで、いくらでもエゴを消費していいと考えている。店員を土下座させたり、とかね。
ある意味で、「自分」という意識がない。「社会の中の自分」という立場がわからない。大きな社会の中におけるたった1人の自分……という意識ではなく、「俺が俺で俺は俺なんだ」感覚。社会という意識を喪失し、社会から峻別された上で、自分の考えと意思が絶対だと思っている。
だから「身の程」も知らない。自分が神様ではない……ということにも気付かない。
そういう感覚、未来の世界ではより広がっていくんじゃないかな……と私は考えている。理由は『ProjectMOE 2』のおまけ漫画に書いている。「自分がなんでもないただの人間」と気付く切っ掛けが少なくなるからだ。自分を取り巻く大きな社会の存在に気付く切っ掛けが少なくなるからだ。……ここから先の話は、おまけ漫画にもう書いたから繰り返さない。
それで、「お客様は神様だ」感覚……。表現の仕方は変わるかもしれないが、「自分は神様だ」みたいに思い込む人は、これから増えるかもね。
こちらの記事は、私のブログからの転載です。元記事はこちら→Twitterまとめ【4月】