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2019年9月7日 超魔界村をクリアした話
この記事はノートから書き起こされたものです。詳しい事情は→この8か月間に起きたこと。
Nintendo Switchに待望の「スーパーファミコン」が配信! というか遅すぎ! 9月6日のローンチには大判振る舞い20タイトルが一気に配信された。
この中で私が注目したタイトルは――『超魔界村』。ご存じ、カプコンの死にゲー。かつて多くの子供たちを絶望に追い込んだ、鬼畜難易度ゲーム。
あれから20年も経ち、まさか今リベンジのチャンスが巡ってくるとは……。
と、いうわけでクリアしました。ばっちり2周して「プリンセスの腕輪」を装着してラスボス撃破。プリンセス・プリン・プリン(B88W58H90)を救出。いや、もう何度死に戻ったことやら。
そう、「死に戻り」機能でクリアしたのよ。「死に戻り」なしでは絶対にクリアできない。壮絶なゲームだったわ。
感想。
20年ぶりに『超魔界村』に触れてみてどう感じたか。実はその直前にファミコン『魔界村』にも触れてみたのだけど、随分変わっていたんだな、と気づいた。ビジュアルと音楽が、ということではなく、「ただ理不尽に難しいゲーム」ではなくなっていた。
新しいギミックが出てくるときは、必ず一度仕掛けを披露する場所が用意されて、それを避ける方法も見える場所にきちんと用意される。いきなり出てきて、いきなり即死→やり直しではなく、実はちゃんとフェアにヒントが提示されている。
例えばステージ3。溶岩地帯の足場は直前に出てきてくれるし、高速に動く足場も最初の1回目は飛ばされても大丈夫なようになっている。「仕掛けを知っていることを前提の初見殺し」ではなく、ちゃんとヒントは出ていた。意外にそういうところを、丁寧に積み上げて作られていた。
それにステージ構成の良さ。
『超魔界村』はただ難しいゲームではなく、ステージに展開があり、自分がどれくらい進んだのか、ステージの地形やキャラクターの特徴ですぐにわかるようになっている。
つまんないアクションゲーム、つまんないシューティングゲームは進んでも進んでも同じ敵しか出てこない、似たようなギミックしか出てこない、リトライしても自分がどれだけ進んだのかつかめないことが多い。背景の変化や敵キャラクターに変化が少ないとそうなりやすい。
『超魔界村』はそこをちゃんと踏まえている。ゲームを進めている実感がちゃんとある。ゲームを難しくするなら、ザコ敵を目一杯配置して、ステージを長くしてプレイヤーの疲労やミスをさそうように作ればいい。が、『超魔界村』はそういうタイプの高難易度ゲームではなかった。ステージ一つ一つはそこまで長くなかったし、とんでもなく理不尽なシチュエーションや、超人的なテクニックを要求しているわけでもなかった。見ていればわかるゲームだった。わかるように作ってあるから、ミスしても納得ができる。だから高難易度でもわりと面白い。
今更ながら、良くできたアクションゲームだったんだな、と気づかされた。
それでも難易度はゲロ高。何度死に戻りしたかわからない。自力でクリアできるか、といったら絶対に無理。『超魔界村』は鬼畜外道難易度ではなかったが、鬼畜難易度くらいは確実にあった。
それとこのゲーム、「2周」することを前提にしているのだが、これはさすがにいかがなものかと思った。ステージ1つ1つは長くないといっても、全体を通すとそこそこ長い。しかも超難易度。これをゲームオーバー取られずに2周なんて……それはさすがにクリアすることを前提にしていないんじゃないか、と。パスワードもバックアップもなしに達成してみせよ、というのはどう考えても無理な話。
ファミコン『魔界村』からスーパーファミコン『超魔界村』と続けて遊んでみて(『魔界村』はクリアできず)、この間の期間にアクションゲームもずいぶん洗練されたんだなぁと気づいた。もちろんビジュアルの話だけではないよ。アクションゲームとしての文法が、ファミコンの時代よりもカッチリしていて、何を禁じ手にするべきか、どんな配慮が必要か、そういうのがこの数年のうちにだいぶ見えてくるようになっていたんだな……。
はっきりいえばファミコン『魔界村』はたいして面白くないけど『超魔界村』は結構面白かったもの。スーパーファミコンになって何が変わったかってビジュアルとかよりも、そういう作り手としての文法の方だったんだな。それで、そういったゲーム作りの文法はSFC時代に一回ピークを迎えたんだな……。
エンドロールを見ていて……。わりとみんな名前で遊んでいるね。当時はきっと若い人たちばかりだから、こういうところで遊んでいるんだろうね。プロデューサーがプロフェッサーFになっているが、これは誰なんでしょう? 実は有名な人だったりするんでしょうか。
スタッフもごく少数で、
プランナー2人
キャラクター 3人
背景デザイナー 5人
プログラマー 3人
音楽 1人
サウンド 2人
ディレクター ?
これだけの人数でゲームが出来上がっている。かつてはこんなに少人数でゲームが作れたんだな。ディレクターいないし。こんな少数で作ったものが、数千万円に化ける。当時は夢があった。
昔のゲームにあえて触れてみるって大事だ。色んなことが見えてくる。
オープニングシーン。
FC『魔界村』では墓地でパンツ一丁で王女様と逢引きだった。さすがに自重したか。
相変わらずの脱ぎ芸アーサー。一発喰らっただけでパンツ一丁になる。どこのエロゲーでもこんな潔い脱ぎっぷりを披露する人はいない。
それにしても一発喰らっただけで砕け散る鎧って素材は何だろう……いや、違うか。裸状態で一発喰らったら骨になるわけだから、そこそこ強い衝撃なわけだ。肉も内臓も吹っ飛ぶわけだから。鉄の鎧がはじけ飛ぶといったら相当強い衝撃を受けているわけだが……しかし問題は「触られただけ」でそうなるってこと。この時代のゲームには普遍的にある謎だけども。
それにしても音楽がかっこいい! SFCの音源って独特なこもり方をしているのだけど、それをうまく利用して迫力のある音楽を作っている。この時代のゲーム音楽もいいもんだなぁ。
ステージ全体がグリンと回転する仕掛け。『悪魔上ドラキュラ』でも似たものがあったな。この当時、「回転機能」という新しい機能を使って何かやりたかったんだろう。今だと逆にこういうギミック、なかなかお目にかかれない。やはり「こういう技術がありますよ」という提示がないと、それを活かした仕掛けとか人はなかなか考えないものなんだな……。
『超魔界村』が難しいのはこのジャンプ。よくあるアクションゲームのように、ジャンプしてからジャンプの高さや方向を変更できない。ジャンプしたら着地まで操作不可。これが難しくしている。
例えば足場から足場のジャンプ。ジャンプは2回できるわけだが、うまく調整してやらないと落下死亡する。1回目はちょっとだけ、2回目は長く……みたいな調整を入れていかないと、狙った位置に着地できない。この感覚を掴むのは、相当練習しないと無理。ジャンプ2回できるのに、そのことが落下死亡しないための保険にならず、むしろ難易度を底上げしてしまっている。
FC『魔界村』ではステージ1から登場し、ボスよりも恐れられたレッドアリーマー。『超魔界村』ではステージ3で初登場。
しかも黄金の鎧装備状態で召喚できるドラゴン一発で倒せる。レッドアリーマーもだいぶ調整された。それでも、まともに立ち向かったら相当強いは強いのだけど。特に「女神の腕輪」装備だと強すぎて大変だった。
Nintendo Switchから3年が経ち、やっとスーパーファミコンが配信された。遅かったくらいだ。
でも言うほどこの時代のゲームに思い入れがあまりなくて……。いまもう一回やってみたいものといったらコナミのアクション・シューティングかな。この時代のコナミも黄金期で、たくさんの名作を発売していた。あの頃のゲームをまたやりたいものだ(今のコナミは……言うまい)。
時間を巻き戻せることに対する賛否
そうそう、新たに追加された機能、「時間を巻き戻せる」機能について、是非があるようだ。よくある意見が、「時間を巻き戻してクリアしたものはクリアしたことにはならないのでは?」。「正当な手法以外でクリアしたわけではないものは、クリアしたことにならないのではないか」……等々。 まあ色んな人がいれば、色んな考えもありましょーや。
でも私は「まあ、いいんじゃない」くらいに考えている。だって『超魔界村』なんて巻き戻し機能なしでクリアなんて、不可能だもの。この時代のゲームって『魔界村』に限らず、恐ろしく難しいゲームが一杯あったからね。
昔のゲームって、そう、難易度が異常に高かったんだ。レベルデザインなんて発想はファミコンはおろか、スーパーファミコンの時代にすらなかったというか、文法化されてなかったからただただ理不尽に難しい、段階を考えず異常に強い敵がいきなり出てくるとか普通にあった。難易度以前にゲームの「設計」的なところで難しくなっているゲームがやたら多かった。極端な例が『スペランカー』のちょっとした段差で死亡とかだけど、あれは極端にしても当時は「それで死亡?」みたいなシチュエーションが一杯あった。屈強な男が針にちょんと触れただけで死亡とかね。当たり判定とかもぐちゃぐちゃで、「今の触れた?」くらいでも死亡しちゃうこともあった。すべての障害物をぎりぎりでジャンプしないと死亡→最初からとか、そういうゲームだらけだったから。
その代わりに昔のゲームによくあったのは、「無敵モード」や「いきなり最強装備」や「ステージセレクト」。「いきなり最強装備」はコナミコマンドなんかが有名だよね。ステージセレクトはよくあったから、ゲームの2面以降の中身知らないけど、最終ステージとエンディングだけ見たことのあるゲームは一杯あった。昔の人は、きっと「これ、誰にもクリアできないんじゃないか?」って気づいてたんだろうね。事実、ほとんどの子供はゲームを買っても1面2面までしか進めず、全ステージクリアなんてできなかったわけだし。
多分、その当時からのゲーマーは無敵モードでクリアしたものを「クリアしたゲーム」にカウントしてたりするんじゃないかな。記憶を都合よく書き換えて、「クリアしたことにしたゲーム」って一杯あるんじゃないかな。記憶なんてわりといい加減なもので、裏技使ってクリアしたけど、そのあたりのことを奇麗に忘れている人って多そうだ。
それで私の経験になるけど、私もよく無敵モードとか使ってアクションゲームをクリアしていたのだけど、ふと、無敵モードで何周かした後、全部自力でやってみようかと気まぐれで思って……クリアできちゃったんだよね。敵の配置とかアイテムの配置とか、無敵モード何周かやっている間に頭に入っていたから。確か『グラディウス』とかそういう感じでクリアできるようになったという記憶。
無敵モードでゲームをやるのも意外と無駄じゃない。それで敵が出てくるタイミングとか覚えるようになるもの。覚える気もなくてもね。
そういう経験があるから、「別に死に戻りでゲームをクリアしたっていいんじゃない」って考える。それで何周かして攻略法が頭に入った頃に、死に戻りなしでゲームに挑戦する……これでいいじゃない。
それまでに飽きなければ、だけどね。
ゲームで遊ぶすべての人が上手にゲームで遊べるわけじゃないから。ゲームは楽しむためにあるのであって、こういうところで体育会系を持ち出すのもどうかと思う。ゲームが下手な人でも、どこかしらで成功体験を身につけさせないと、育っていかないよ。
以上の理由で、私は死に戻りでクリアしてもOK派です。楽しければいいんですよ。
余談。
スーパーファミコンタイトル配信に合わせて、スーパーファミコンコントローラーが発売された。嬉しいですなぁ。買うお金ないけど。
これそのものはいいのだけど、ZRとZL、これ「同時押し」ではなくワンボタンにまとめてほしかったな。ZLとZRを同時押ししなければいけないって、ちょっと面倒くさい。分けるなら「保存」と「巻き戻し」とに分けてほしかった。
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