6月12日 E3の話② NintendoDirect篇
まずはいつもの通り、紹介されたタイトルを並べてみましょう。
大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL 勇者参戦 2019年夏
ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて S 2019年9月27日
ルイージマンション3 2019年
THE DARK CRYSTAL AGE OF RESISTANCE TACTICS 2019年
ゼルダの伝説 夢をみる島 2019年9月20日
聖剣伝説3 TRIALS of MANA 2020年
ウィッチャー3 ワイルドハント コンプリートエディション 2019年
ファイアーエムブレム 風花雪月 2019年7月26日
バイオハザード5・6 2019年
ノーモア★ヒーローズ3 2020年
魂斗羅 CONTRA ROGUE CORPS 2019年 9月26日
魂斗羅 アニバーサリーコレクション 2019年6月12日
デモンエクスマキナ DAEMON X MACHINA 2019年9月13日
パンツァードラグーン 冬
ポケットモンスター ソード&シールド
アストラルチェイン ASTRAL CHAIN 2019年8月30日
EMPIRE of SIN 2020年春
MARVEL ULTIMATE ALLIANCE 3 The Black Order 2019年7月19日
ケイデンス・オブ・ハイラル 6月14日
マリオ&ソニック AT 東京2020オリンピック 2019年11月
あつまれ どうぶつの森 2020年3月20日
ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド続編
他多数
それでは気になるタイトルを一つ一つ取り上げていきます。
大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL 勇者参戦
色んな人が予想していた『ドラクエ11』の主人公が予想通りに参戦。来る予感がしていたから『ペルソナ』のジョーカーほどの驚きはなかったけども、ある意味で期待通りの参戦で嬉しい。
しかも……
『ドラクエ3』『ドラクエ4』『ドラクエ8』の主人公が参戦! 「勇者参戦」というか「勇者達参戦」といった状況。たぶん色違い扱いだとは思うけど、このために4人分のキャラをモデリング……キャラ1体追加なのに、作業負担は4人分という、自分を追い詰めるかのようなアイデアを出している。『スマブラ』らしい。
ところでどうして『ドラクエ8』なのか? この辺り、ニコニコ生放送のコメントでも疑問に感じたという意見が多数あった。そもそも、「ドラクエは海外では売れてないんじゃなかったのか?」……とか。
前にも書いたが、「ドラクエシリーズが海外展開に失敗した」というのは昔の話で、実は『ドラクエ8』がアメリカでスマッシュヒット(といっても大ヒットというほどではない)。この後にニンテンドーDSで『ドラクエ4・5・6』をリバイバル展開し、こちらもヒット。ドラクエが再発見・再評価される、という流れが起きた。
この背景には、『ドラゴンボール』人気もあった。『ドラゴンボール』は世界中のありとあらゆる国でメガヒットを飛ばした名作漫画。その原作者、鳥山明がキャラクターデザインを務め、しかも忠実に再現されたキャラクターが登場する『ドラクエ8』……注目されないわけがなかった。
欧米の人にとって『ドラクエ8』がファーストドラクエという認識だから、その後の『ドラクエ11』でも「ヤンガスは登場するのか?」といった質問が出たほどだ。欧米版『ドラクエ11』に『ドラクエ8』衣装がオマケで付いていたのは、そういう背景だ。
というわけで、「ドラクエは海外で売れてないだろ。会場冷えてるぞ」……なんてことはない。(バンジョー&カズーイ参戦の時のほうが盛り上がっていたけど)
しかし、なんで『ドラクエ4』勇者だったのだろう? 『ドラクエ3』は「みんなが勇者といえば」で連想する“集合無意識勇者”だが、『ドラクエ4』である理由は……。
切り札は、歴代勇者全員集合、ミナデイン+ギガスラッシュの大技。まるで東映ヒーロー大集合みたいな絵面。
しかしこうして見ると……一番かっこいいのは『ドラクエ4』勇者かな。それで『ドラクエ4』勇者が来たのかも知れない。
幕間茶番劇
NOA新社長を紹介しようとしたら、クッパ(バウザー)が乱入。コングからクッパへ。
NOA社長バウザーを動画で見るのは初めてだが、意外にもおだやかそうな雰囲気のおじさん。クッパのイメージだから、もっと荒々しい人かと……。
クッパとバウザー社長、親戚ではないらしい。じゃあ……親子かな?(たぶん違う)
THE DARK CRYSTAL AGE OF RESISTANCE TACTICS
名作映画『ダーククリスタル』のゲーム版。
名作映画の復活は嬉しいのだけど……『ダーククリスタル』を映像にするとしたら、アクションアドベンチャーじゃないかな。どうして『FFT』ふうシミュレーションゲームにしてしまったのだろう? 今の時点では『ダーククリスタル』の作風に合っているような気がしない。実際にプレイしてみると、印象は変わるかも知れないけど。
聖剣伝説3
名作『聖剣伝説』3作目のリメイク作。
すでに『聖剣伝説2』のリメイクが出ているが、こちらの評判はどうやらあまり良くないらしい……。しかも制作スタッフは同じ。
公開されているインタビューを読むと、
「『シークレット オブ マナ』への反響もフィードバックしながら、試行錯誤して行きついたひとつの答えが、この『聖剣伝説3 トライアルズ オブ マナ』です」
とある。
前作の失敗をどのように活かすのか。チームとして、ディレクターとしての成長がどれくらい作品に現れるのか。どんな名監督でも1作目は失敗するもの……だから思いがけずいい作品になっているかも知れない。期待しよう。
→ファミ通.COM:『聖剣伝説3』待望のリメイク作は、アクション性の高いバトルと、進化したイベント演出が見どころ。小山田&田付Pインタビュー【E3 2019】
『聖剣伝説3』のキャラクターといえばリース。未だに2次創作で安定して描かれ続けるヒロイン(……主にやらしー本の中で消費されたキャラだが)。時代を乗り越えて愛されるヒロインを、いかに再構築するか。リースのデザインやモーションが期待通り、期待を越えなければ、ファンは納得しない。さて、どうなることか。
ファイアーエムブレム 風花雪月
最初の『ファイヤーエムブレム』新作が発表されたとき、やけにポリゴンが粗い、背景の作り込みが弱い、でSwitch世代のゲームとしては低クオリティじゃないか……とこのブログに書いたのだけど、思えばあれは、キャラクターや世界観を読めなくするために、わざとやっていたんだろうな。まだキャラクターデザインが誰だとか、発表されていない段階だったから。
今回の『ファイヤーエムブレム』紹介映像は、ゲーム映像はほとんどなく、ムービーシーン、ストーリーパートが中心。
同窓会で学生達がかつての学舎に集まったところ、何かに巻き込まれて……という展開と読み取ったのだが、おや? 今回は学園ものではなかったのか? ムービーに「先生」ことプレイヤーキャラクターの顔がほとんど出てこないのも気になる。
現在までに公開されている情報を読むと、物語は2部構成になっていて、前半が学園もの。後半が戦争の物語になるという。前半で共に学んだ級友達が、後半戦に入って争い合う関係になる。
ユニットも今までシリーズと変わっていて、初期職業は「平民」「貴族」であって、まだ何者でもない存在となっている(ただし、体型がアーマーナイトのやつが1人いるけど)。
初級職で「剣士」「兵士」「戦士」「修道士」。
中級職で「傭兵」「盗賊」「アーマーナイト」「ソシアルナイト」「アーチャー」といった、私たちにとって馴染みある職業になる。
まだ充分に情報が出ていない段階だが、まず「平民」でレベル20まで上げて、次に「剣士」でレベル20まで上げて、さらに「傭兵」でレベル20まで上げて……みたいな育て方ができる、ということなのだろうか?
それはそれとして、ムービーシーンがアニメ映画みたいだ。どこまで作り込んでいるんだろう。こっちも気になる。
パンツァードラグーン
ドラゴンの横顔を見たとき、思わず声を上げてしまった。ずっと『パンツァードラグーン』のリバイバルはないのか、と書いてきて、半ばそう書くことがネタ化していて実際のところは諦めていたのだけど、まさかの『パンツァードラグーン』復活。これは夢か?
いや、嬉しいに決まってるだろ。買うよ、絶対。セガサターンで遊び倒した作品だから。画面を見て、「ああこの場面、憶えてる」って思ったもの。セガサターン時代は周囲の風景がほぼ海だったような記憶があるけども。
ニコニコ生放送のコメントでは「何コレ?」「知らない」という声もちらほら。そうか、若い人にとっては生まれる前だから知るわけないのか。長らく絶えていたシリーズだから。忘れられた作品になっていたんだな……。この機会に、新たなユーザーが『パンツァードラグーン』を知り、それが新作に繋がってくれれば。
(実は「海外の反応」もチェックしたのだが、やっぱり知られていなかった。若い世代はもう知らないか……セガサターン時代の傑作だったのにな。いや、知らなくて当然か。『聖剣伝説』のリースは時代を越えて知られるキャラクターになったのに……。これを機会に知って欲しい)
(あとTwitterの反応も見てみたが「グラがショボい」という意見も……。そうだよな……当時は驚きのデザイン・ビジュアルだったけど、今時代の感性だとそこまでの驚きもないか……。時代の変化が哀しい)
制作はポーランドのForever Entertainmen。セガから正式にライセンスを受けての制作となっている。セガ側の意見も聞きながら、制作を進めている、という話は出ている。
ポケットモンスター ソード&シールド
『ポケモン』新作について、語る場がなかったので、この機会に。
今回はちょっとオープンワールドっぽい仕組みになっている(多分、そこまでフィールドは広大ではない)。『ポケモン』はそもそも昆虫採取が題材になっているから、オープンワールドっぽい構成で、それぞれのポケモンの生息域を探って捕まえる……という流れになるのは、かなり理にかなっていると感じた。
それで、画面は見ての通りかなりのローポリゴン。昨今のフォトリアルな海外製ゲームと比較すると、ずいぶんあっさりして見える。
が、『ポケモン』の世界観を考えるとこれで正解。画面一杯に広がったワールドを見て、隅から隅まで『ポケモン』に見える。アートディレクターがちゃんと仕事している証拠だ。その辺に生えている木ですら、『ポケモン』らしく見える。
そしてキャラクターの可愛らしさ。毎回、ポケモンはキャラクターの可愛らしさがポイントだが、今回はシリーズ一番、というくらいみんな可愛い。
前作に当たる『ピカチュウ&イーブイ』(正確にはリメイクだが)は、少しキャラクターのバランス……頭身が変だなと感じていたけど、今回は違和感がない。全体のバランスをよくよく見ながら、がっちりと構築しているのがわかる。
今回の『ポケモン』は巨大化、ダイマックスという新要素がある。
単に、「巨大化して大技繰り広げたら格好いいだろうな」みたいな発想から生まれたのだと私は思っているのだが、これはいいアイデア。巨大化、キャラクターとの大きさの対比、大技を繰り出したときの大袈裟なエフェクト……どれも画面映えする。それに、見たまま「強そうだ」というイメージが伝わってくる。ポケモンバトルをいい感じにアップデートしている。
ただ、現時点の映像を見て難点に感じたのはアニメーション。スタジアムのモブの動きとか、あまりにも雑に作られている。動きのパターンを作るにしても、もう少し大きく、キャラクターを生きているように描いてほしいところだ。今時点だと、どうしてもコンピューターっぽい固い動きになっている。
(『ポケモン』はあまりアニメーションにこだわっているというイメージがない。キャラクターが攻撃するときのモーションとか、なんであの動きなんだろう……といつも思っている。もっと動きでそのキャラらしさは出して欲しい)
過去作のポケモンを最新作に連れて行けないことに関して、発表後、炎上が起きていた。が、発売から遠い今の段階で膿を出しておくことには意義がある。「発売後に発覚」……だったらどうなっていたことか。発売後の売り上げや評価にものすごい影響が出た可能性がある。だが今のうちに発表しておけば、発売する頃には落ち着いてきて、それを折り込み済みのものとして作品を見るようになる。どう転んでも炎上は起きるから、今のうちに……という判断だったのだろう。
ハードのスペックが上がり、表現のグレードが上がると、その分のコストが上がる。ポケモン1体にどれだけの予算/人材/時間が必要か……。私はその見立てはできないが、やはりそこそこかかるんじゃないかと。かといって表現のグレードを下げると、今の時代のユーザーの審美眼では堪えがたい物になる。Switchクラスになると、数百のポケモンを出すのは、そろそろ厳しい。そういう時代に来てしまった、というころだろう(3DSの段階でもすでにキツかった……という話が出ていたので、Switchクラスになるともうダメなんでしょう)。
今後のことを考えると、賢明な判断だったのだろう。
アストラルチェイン ASTRAL CHAIN
期待作アストラルチェイン。
気になった1コマはここ。
歯がきっちり描かれてる!
アニメ調キャラクターで歯がこういうふうに描かれるのは、非常に珍しい。私も、ちょいリアル調の絵を描いてきたけど、歯はあえてシルエットで描いていた。というのも、歯を描くと途端に口回りが生々しくなって、絵が怖くなってしまうから。
それに、Switchはそこまでスペック高くないわけだから、そこを作り込まんでも……。でも、こういうところにこだわりをもつ人が作っているんだな、とわかる。
現在はすでにゲームプレイ映像が公開されているが、見ているとチェーンで敵を巻き付ける、敵を引っ掛けて弾き飛ばす……といったアクションができると紹介されている。ただ“格好いい絵”としてチェーンが出ているのではなく、ちゃんとゲーム的なギミックとして考案されているところがいい。こういう紹介映像を見ると、俄然、楽しそうに感じる。
発売日は8月30日。……もうすぐだ! ってことは間もなく完成か、すでにマスターアップか、ってところまで進んでいるんだろう。最初の発表を見たとき、まだまだかかりそうだな、と思ってたけど、早い早い。
マリオ&ソニック AT 東京2020オリンピック
来たる2020年の東京オリンピックを記念して制作されるタイトル。
気になった1コマはここ。
うん? なんだこのレトロな画面。
マリオ&ピーチがファミコン画で、ソニック&エッグマンがメガドライブ画(メガドライブはキレイだなぁ)。これはそういう画に切り替えることもできるってことなのだろうか。
それにしても、100メートル走でソニックに勝つエッグマンって……。そんなに足早かったんか。
あとピーチ。当時のドット絵だからキャラアニメーションがないわけだけど、かなり無理やり走らせていて、面白い絵になってしまっている。
器械体操のマリオ。このオジサン、何でもできるんだな。
あつまれ どうぶつの森
ついに画面公開! 『どうぶつの森』最新作! 『あつまれ どうぶつの森』通称『あつ森』!
今回の『どうぶつの森』の舞台は「島」。たぬきちに拉致され、島流しに遭い、島開発を強制された挙げ句、多額の借金を背負わされる……史上最もブラックなひと場面が描かれる。なんだ、今回の『どうぶつの森』は流刑地なのか。
というのは冗談として。
今までの『どうぶつの森』とははっきりと違うコンセプトで描かれている。どこかの村にやってくる話ではなく、「島」。その島に色んなものを作り、後々にはどうぶつ達を招く、という展開になるのだろう。
今回の『どうぶつの森』は、DIYでアイテムをクラフトできる。たぬきちのお店である程度物を買えるようだが、必要なアイテム・家具はこっちで作ることになりそう。
今までは家具はどうぶつたちからもらったり、店に通って出てくるのを待ったりしていた(あるいは、端末で注文したり……)のだが、自分で作れる……という変更はなかなか大きい。
アイテムが作れるようになる切っ掛けは、どうぶつたちに教えてもらったり、アイテムを手に入れた切っ掛けで思い付いたりするそうだから『ドラクエビルダーズ』と同じような感覚なのだと思う。
アイテム・家具を手に入れられる手法が変わっただけだが、ちょっと面白そうな気がする。
冗談だ……と書いたものの、しかし今回のお話。「ツアーに参加したら帰りの船がなく、島開拓を強制された挙げ句、多額のお金を請求される」みたいなお話に見えてしまって、ぼったくりナントカみたいな恐さがある。えらくブラックな描かれ方をされているように見えて、笑えてしまう。
→IGN:たぬきちは住民から徴収したお金を何に使っているのか?『あつまれ どうぶつの森』のゲームプレイに関する14の新情報
ニノ国 白き聖灰の女王
映像の最後のほう、色んなタイトルが矢継ぎ早に流れていくのだが、その中で「え!」というタイトルが1つ。なんと『ニノ国』がNintendoSwitchで登場。
2011年発売『ニノ国 白き聖灰の女王』がリバイバルされる。これはNintendoSwitchだけではなく、PS4とSteamでも発売。PS4proとSteamでは4K対応。
結構な大型タイトルに入る作品だと思うのだが、こんなところでさらっと発表される。思いがけない作品なので、びっくりした。
ブレスオブザワイルド 続編
今回NintendoDirectのトリを飾ったのは、ゲーム史に残る神ゲー『ブレスオブザワイルド』の続編である。
画面を一つ一つ見ていくことにしよう。
……舞台は地下。松明の炎が暗がりに光を与える。映像の最後から察するに、ハイラル城の地下だと想像される。
じわっと浮かぶ壁には、古い時代の記録を伝える壁画。
この壁画はなんだろう……馬に乗っている人間時代のガノンのように見える。『時のオカリナ』時代の記録だろうか。
音楽は、何かの逆再生っぽく聞こえる。すでに逆再生動画が多数投稿されているので、聞いてみた。確かに逆再生すると何かのメロディに聞こえるが……。
巨大なレリーフ。
ゼルダ姫が、見たことのない巨大な動物の上に座っている。この動物は、新しい作品では何かしらのギミックになるのだろうか。
壁のレリーフはなんだろう……後で別の場所でもう一回取り上げるので、今は保留。
動物とゼルダ姫が水を飲んでいる場面。この辺りの水は清浄のようだ。
水晶がゆるく光っている。
柱にも、『ブレスオブザワイルド』特有の縄文風のレリーフが刻まれている。
足下に、不穏な何かが広がる。『ブレスオブザワイルド』の本編でも、あちこちで見られたガノンが生成する“何か”だ。このドロドロしたやつが、生成され、生命が与えられ、ハイラル各地に現れるモンスターに変化する。
このドロドロした奴がまだ生きて菌糸のように這い回っている、ということはガノンはまだ生きている、ということなのだろう。
ショートヘアのゼルダ姫……とても可憐だ。まだ困難な時代が続くと予想されるから、長い髪はばっさり切ってしまったのだろう。さっぱりしたが、それでも相変わらず美しい。
地下洞の奥の奥……そこに何がか封印されている。
展開を考えると、ガノンだろう。
『ブレスオブザワイルド』のガノンには“肉体”がなく、思念だけで復活していた。その理由が今さらながら明らかになる。“肉体”はずっとハイラル城の地下に眠っていたのだ。しかしミイラ状態になっても魂が死んだわけではなく、忌まわしき呪いをハイラル中にまき散らし、ボコブリンなどの怪物を生成し続けていたのだ。前作で「厄災ガノン」を討伐したが、それはいわゆる尻尾の先っちょくらいのものでしかなく、実は本体はこっちだった。
そのガノンが封印されている台座。奇妙な文様がある。こんなふうにクローズアップされた、ということには何か意味があるのだと思うが……しかしなんだろう? 見覚えがあるような気がする。シリーズ中のどこか、別の場所で見たような見てなかったような……。
同じモチーフは、この道中の巨大レリーフにも描かれていた。重要なものであるのは間違いなさそうだ。
(いろいろ調べて判明しました。ゲルド族を示すしるしだそうです。道理で見たことがあると思った)
ガノンの胸をがっちり掴んでいる謎の手。縄文様式の腕飾りが付けられている。
この手の主は誰だろう……。シーカー族? ううむ。なぜか『トワイライトプリンセス』を連想してしまう。
100年前、ゼルダ姫サイドの敗北が決定的になった戦いの時、すでにガノンは肉体はなく、思念の存在だった。思念の存在でしかなかったガノンは、ガーディアンを乗っ取り、まんまとハイラルを崩壊させた……というのが100年前のお話だ。
ということは、これは1万年前の残骸だろう。1万年前は大量のガーディアンと4神獣の力を背景に、リンク&ゼルダサイド圧勝として語り継がれていたはずだったのだが……真実は違ったのだろうか? ガノン討伐は実は失敗していた……? インパ達が語ってきた物語には、決定的に抜け落ちていた部分があったようだ。
(あるいは、ガノンは倒してもいずれ転生して復活するから、あえて殺さず、ミイラ状態で封印していた……とか?)
私は以前、「どうしてハイラルのあちこちにシーカー族の“試練の祠”が作られたのだろう。ガノンに圧勝して平和になったはずなのに。ガーディアンと4神獣があるのに、さらに試練の祠を作った理由は?」と疑問に感じていたのだが……ガノン討伐に失敗していたから、がその答えだとしたら?
試練の祠が作られた時期も不明だったが、この辺りが理由だとすると、作られたのは1万年前のガノン戦以後だ。
リンクの手に、何かが取り憑く。
光のエフェクトは、ガノンの周囲をふわふわ浮かんでいるあの光だ。その光がリンクに取り憑いている。掌が光っているが、たぶん掌に刻まれているトライフォースのしるしだろう。
ガノンを封印していた手がリンクに移るわけだから、おそらく“呪われた”みたいなニュアンスではなく、何かを授かろうとしている場面じゃないだろうか。
これが今回、どのように作用しているのか。これがゲーム的なギミックと関連を持つのか……興味深い。
意味深な編集で並んでいる手。1枚目は落下するゼルダ姫を、リンクが掴んでいる瞬間(直前に、地面に亀裂ができて落下するゼルダ姫が描かれている)。2枚目はリンクの手を謎の手が掴んでいる瞬間。
こういう編集、カット割りになっているということは、何かしらの意味を持たせているのだと思う。まだ意図は読めない。
落下するゼルダ姫をリンクが救う……のはわかるが、謎の手はなぜリンクの手を掴んだのだろう?
何かに対して振り向き、ショックの顔を浮かべるゼルダ姫。ゼルダ姫が見ているものとは……。
ガノンを見て驚いた瞬間ではない。ガノンを見付ける瞬間の画は別にあるし、ガノン復活に驚く画だとした場合、もっと強張った顔になるはずだ。おそらくはその後、何かを見てゼルダ姫はショックを受けるのだ。
それはそれとして、ゼルダ姫、美しい。
ガノンを掴んでいた手が離れて復活……。
やっぱりガノンは死んでなかった。死んでなかったどころか、1万年間ずっとミイラ状態で生きていた。ひえー。
こうしたPVの常として、必ずしも時系列順に画面が並んでいるわけではない。
これを元通りの順番に並べるとしたら……
洞窟内を探索するリンクとゼルダ姫。
↓
洞窟の奥で、ガノンのミイラを発見する
↓
ガノンのミイラ、振り返って覚醒。
いきなり覚醒するわけがないので、間に何かしらの事件があったのでしょう。
↓
地面に亀裂が入り、ゼルダ姫落下。
↓
リンク、ゼルダ姫の手を掴む
↓
間に何かあって、リンクの掌に何かが取り憑く
↓
ゼルダ姫、振り返って驚きの顔を浮かべる。
こんな感じだろう。
……問題は何を見て驚いたか。背景に不穏な雰囲気のパーティクルが舞っているから、すでにガノン復活後。ガノンを見て驚いた瞬間の顔ではない。多分、ここが次回作の大ネタだから、まだお見せできないところなのだろう。
もう1つ気付いたこと。
ここではゼルダ姫が松明を持っている。何かを見上げている構図。
ガノン発見時。リンクが松明を持っている。しかも俯瞰構図。
これで上の画像は、洞窟探索中で、ガノン以外の別の何かを見付けたときの画だとわかる。
ガノンの手なめゼルダ姫の画では、ゼルダ姫が松明を持っている。
地面に亀裂が入り、ゼルダ姫が落下する。よく見ると、ゼルダ姫が松明を持っていない。場面的に、ガノン発見時だと思うのだが……?
これはどういうことだろう? 「ちょっとリンク、持ってなさい」「いやいや姫様持っていてくださいよ」みたいなやりとりがあったりするのだろうか?
松明を持っていないゼルダ姫。やはり直前で落としてしまったからだろう。
意味深なシーンだらけな今回の『ブレスオブザワイルド』の動画。ゲーム史に残る偉大なる名作である『ブレスオブザワイルド』の正統なる続編、続きの物語が制作される。『ゼルダの伝説』は毎回、違う時代に転生したリンクとゼルダの物語だったから、今回のように「続きの物語」が制作されるのは非常に珍しい。
(“続編”が作られたケースは『ムジュラの仮面』が思い当たる。『神々のトライフォース2』は『~2』とあるが、実はまったく違う時代の違うリンク)
とすると、一抹の不安がある。というのも、任天堂はこうした同じ世界観・ストーリーの“続編”を制作するとき、えげつない鬼難易度のゲームを制作することがしばしばある。今回も『マリオ2』や『リンクの冒険』の再現になってしまうのだろうか。
ゲーム的な仕掛けについても少し気になる。なにしろリンクは、『ブレスオブザワイルド』の段階で充分鍛え上げられてしまった。また最初から、ハートの欠片を集め直す展開なのだろうか。RPGで同じキャラクターの続編を描く時の普遍的な問題だが、これをどう乗り切るのだろう。
もしも前作の強さを踏まえた上で、さらに高難易度のゲーム……となったら、それはそれでしんどい。
(1つの想像としては……今回の主人公はリンクではなく、ゼルダ姫だとしたら?)
舞台はどこになるのだろうか? 地下世界が描かれたことから、『神々のトライフォース』で描かれたような「裏世界」だろうか。前作と同じフィールドだった場合、あの広大なフィールドをまた探索やり直すのか……大変だなぁという気になってしまう。前作のフィールドをそのまま転用……となったら、さすがに手抜きに感じられるし。しかし任天堂は、あえて自ら面倒な手を進んで選ぶようなメーカーだ。どのようにフィールドが描かれるか、も注目だ。
まとめ
今回のNintendoDirectの感想もここまで。
今回も『F-ZERO』なかったね……。ゲームキューブ以来作られてないから、そろそろ知らない世代が出てくる頃だ。そろそろあのシリーズを復活させて欲しいが。
『零』『女神転生』『マリオカート9』といったタイトルの続報もそろそろ聞きたかった。
今回のE3は、暇だったというのもあってずっと映像を見ていたのだが、見ているとどのゲームもPS4/XBOX/PC……Switchに対応しているゲームって、どれだけあっただろうか。任天堂、NintendoSwitchが完全な離れ小島状態になっている。と、毎回思っていたのだが、今回のE3は特に強く感じた。様々なタイトルが発表されたが、この中にNintendoSwitch関連のものが、ことごとく抜け落ちている。というか、Switchのスペックが低すぎて、今のゲームシーンのトレンドから外されているような、そんな印象があった。
ところがNintendoDirectを見ると、そんな「のけもの」の空気をまったく感じさせなかった。任天堂オリジナルタイトルも、サードパーティタイトルも充実している。E3注目作である『ウォッチドッグス』も『サイバーパンク2077』もないのだけど、それに代わるだけの作品が充分に揃っていた。むしろいま最もバラエティ富んだタイトルが詰まっている。そういう印象だった。
それに、なにより一つ一つのゲームが面白そうに見えた。コレが大きい。
『DOOM ETERNAL』も映像がチラッと流れたが、Switchのスペックでこれ動くのか、という驚きもあった。Switchは「のけもの」になっていなかった。
E3を見ていて引っ掛かったのは、どのカンファレンスも最初の一本目は盛り上がるが、その後、空気が冷える一方……。どーでもいいタイトルに、スタッフインタビューやユーザーの声が編集に組み込まれて、無理矢理に尺を引き延ばしているかのように感じられる。時々大型タイトルが出てきて盛り返すが、間が退屈。YouTubeやニコニコ生放送のコメントも見ていたが、どこも荒れていた。
その中で、結局はNintendoDirectが一番たのしい一時だった。それはやっぱり編集の良さ。小さい作品はさらっと流す。MCも短く。大型タイトルでも情報がない状態なのに、しつこく引き延ばそうとしない。WiiU時代は(当時はサードソフトが少なかった、というのもあるが)だいぶグダグダしていたのだが、その時の経験があったおかげだろう、かなり見やすい動画になっていた。
今、日本でもアメリカでも、NintendoSwitchが一番売れている。日本国内ではPS4の累計販売台数をすでに追い抜いてしまったが、この勢いはもって1年……と私は見ている。なぜならSTADIA、PS5、XBOXScarlettが出揃うからだ。さすがに2世代も差を付けられると、Switchは古くさく見える。最新のゲームのトレンドに追いつけなくなる。任天堂タイトルだけは売れ続けるが、サードは静かに去って行く……そんな未来を想像している。
せめてストリーミングゲームがもっと軽快に動けば……。しかしSwitchは最近のゲーム機の中で、もっともネットが繋がりにくいゲーム機だ。これでクラウドゲームなんて「ご冗談を」と笑うレベルだ。
Switchの未来はどうなるのだろう。Switchは時々、“新型”の噂が立つが、用意はされていないのだろうか。
任天堂の未来はどうなるか……。
とりあえず今は『どうぶつの森』『ファイヤーエムブレム』『パンツァードラグーン』『続・ブレスオブザワイルド』の4本を期待して待とう。
それにしても9月周辺にタイトルが密集しすぎだ。