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12月7日 イラスト生成AI「mimic」で遊んでみた

 ずいぶん前から審査を出していたmimicだったが、やっと通過できたので遊んでみた。
 まず、私の絵を学習させる……。

 ガチガチに「mimic」の文字が入っていて、どこにも転用できないようになってるね。

 次が私の絵を見て、AIが描いたイラスト。

 いやぁこれは酷い。他の人の絵だとわりとちゃんと出ているのに、なんでこんな有様になってしまったのだろうか?
 予想としては、まず私の絵は線が途切れている部分が多く、AIには認識しづらい絵だった。第2の予想では私の絵が「よくあるキャラクターイラスト」のパターンから外れていたから。AIは学習すればするほど精度が上がるもの。こういうサービスを展開する限り、あらかじめある一定以上のイラストのパターンはすでに学習させているはず。でも私の描くキャラクターは、サービス提供者の想定していないタイプのキャラクターだった。それでたった15枚という少ない枚数からパターンを予測して絵を作らねばならず、結果、おかしなことになった……そんなところかな。

 mimicはサービスの基本コンセプトがイラストレーターの支援ツール。そのイラストレーターが普段描かないタイプのキャラクターを描画してもらって、クライアントに向けたサンプルにしてもらおう……。
 という感じだったと思うが、しかしまずいってバランスがおかしい。頭の形がおかしいし、目、鼻、口、輪郭線すべてが歪んでいる。絵として破綻している。meituでもそうだったけど、AIは絵の良い・悪いの判断はしないのだ。このクオリティのものを仕事の場では使えない。

なぜか獣耳の付いた絵が出てきた。しかも片方だけ。

たぶん男性キャラの参考画だと思うが……。バランスが悪い。

 意外と多かったパターン。ツインテールをくっつけたかったのだろうけど、片方だけ。片方だけ獣耳のパターンも多かったが、なぜ片方だけ??

 ちょっと可愛い。
 でもこれを見て、ああ他の人の描いたキャラパターンから引っ張ってきたんだね……というのがわかる。でも私のキャラクター絵にうまく馴染ませられず、どこか中途半端になってしまった……という感じ。

 一番出来が良かったのがこれかな? クールな天子サキさんって感じ。でも鼻の線といい、唇の描写といい、最後までうまくいかなかった。

 じゃあ元々はどうだったの? ……というとこんな感じ。

 ではカラーイラストではどうだろう? mimicはもともとモノクロ画よりもカラーイラストの方がパターンを学習させやすいという。では私のカラーイラストはどのように解釈されるのだろうか。
 まず元になるイラストを学習させてみた……。

 オイ、ちょっと待て。尻を頭だと間違えて登録しちゃってる奴あるぞ。大丈夫か? でも面白いので、そのままだ!

 結果がこちらだ。

 いやー酷い! というか笑える。なんともいえないボブネミミッニ感。まともなのが1枚たりともないという凄い結果になってしまった。
 あまりにも笑えるので1枚1枚じっくり見てほしい。

 比較的まともに見える1枚。でも明らかにキャラクターが違う。色んなイラストを学習元にしていたんだということがわかる。

インパクトが強烈すぎて、注目せざるを得ない一枚! 頭部の部分だけが描写された謎のモンスター。アゴがしゃくれているのも笑える。

 同じく頭部だけが描写されたパターン。ヅラがズレている。目元のアニメ調のところだけ強調されて、ボブネミミッニ感が出ている。

 それにしてもなんでこんな絵が出てしまったのだろうか。やっぱり「輪郭線」の曖昧な絵はパターン学習が難しかったらしい。それに、私の絵がそもそもAIが想定していないスタイルだった可能性もある。AIは「よくあるイラスト」のパターンはすでにしっかり学習済み、再現も容易だけど、そこから外れるパターンの絵はまだまだ難しいらしい。
 それにクオリティの低さ。mimicは「顔のみ」だけど、これはたぶん、技術的に「顔が精一杯」という感じだろうか。もしも体も出していたらとんでもないモンスターを量産していたことだろう。海外製AIツールとは比較にもならない。日本がこの分野で相当遅れをとっていることがよくわかる。このツールを使って、クライアントにキャラクターバリエーションとして提供できるか……というとできない。

 今回の経験でわかったのは、AIに勝てるのは「個性」。AIは0から1は生み出せない。AIは「よくあるイラスト」の再現はいくらでも可能だけど、そこから一歩外れるとグズグズになる。そうとわかればAIはさほど恐ろしいものでもない。みんなも自分のスタイルをどんどん開拓して、AIに追いつけないようにしよう。

 それにしても、実際使ってみると、なんでこの程度のもので炎上しちゃったんでしょうね。それだけ多くの人がAIに怯えている……という証拠もであるんだけど。
 そもそもツールとしての出来が悪いので、こんなもん脅威にもなんにもならんよ。できるのは笑いのネタにするくらいのもんですから。悪用される危険……ってこのクオリティで手書きとAIを見抜けなかったらド素人ですよ、それ。

 ちなみに元イラストはこんな感じ。もともとバランスの悪い絵だったんだけど。

頭と尻を間違えられたイラストの元ネタはこれ!

 もしかしたら私はAIと相性は悪いのかも知れない。「novelAI」も使ってみたのだけど、何を入力してもエラー画面しか出てこなかったんだもの……。「AIの有用性」とかそういうものを考えるのは、今すぐじゃなくても良さそうだ。


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