8月5日 かつてプログラマーは女性の仕事だった
4Gamer:[GDC Summer]なぜ女性プログラマーは少ないのか。ブレンダ・ロメロ氏がコンピュータの発展に貢献した女性の歴史を追ったセッションを実施
今でこそプログラマーといえば男性の仕事、と思われがちだが、黎明期ではむしろ女性のほうが多く、現代のコンピューター用語を生み出したのもかつては女性が多かった。
イギリス人数学者エイダ・ラブレスが「コンピュータープログラム」のコンセプト自体を生み出し、グレース・ホッパーは「コンパイラ」や「バグ」といった言葉を広めさせた。へディ・ラマーはWiFiやGPSの基礎となる技術であるホッピング・スペクトラム拡散を設計した。
……と、このようにコンピューターの歴史を遡ると実は女性が考案して女性が設計を示したものはたくさんあったそうだ。
それが時代が変わり、コンピュータープログラマーが職種として確立し、高給職になってくると男性が一斉に入ってきて、それでいつの間にやら男性女性の比率は逆転してしまった。今では「プログラマーといえば男性」という認識だし、下手すると「女性には向いていない」みたいに言われるような仕事になってしまった。
(さらに「女性には数学的思考は無理だからプログラマーも無理」という偏見的な考えすら定着した)
この歴史を掘り返しても、古く見てもせいぜい50年くらいの話だし、ここ25年ほどを振り返ってみても1980年頃は女性がコンピューター関連の学部へ進学する数は37.1%。「プログラマーは男性の仕事」になったのは本当に最近の話だということがわかる。
でも言われてみればプログラムって女性向けの仕事かも知れない。細かい作業だし、色んな配慮もしなければならないし、バグチェックには忍耐が必要だし。そういう作業は女性のほうが向いているのかも……という言い方をすると今の社会だと「男女差別だ」という話になっちゃうんだよね。気をつけよう気をつけよう。男女で能力の差なんてないんだ、ないんだ、ないんだ。もしもあったとしても、言ってはならないんだ。
アニメの世界の話。
最近のアニメ業界は男性アニメーターに覇気がないというのはよく言われる話。出世欲がない。与えられた仕事だけこなしていれば満足、好きなキャラさえ描ければ満足。そういう男性アニメーターが増えちゃった、とはちょくちょく聞く話。要するにオタクがそのままプロになっちゃいました、と。オタク、つまり「ただの消費者」が業界に来ているわけだから、自分から何か新しいことを提唱しようという発想を持たない。そういう消費者なんだか生産者なんだかわからない、人数合わせにしかなっていない男性アニメーターがどんどん増えている。
その中で女性はキャリアアップを目指してアニメの業界を目指してくる、という子が増えてきた、という話も一方で聞くようになった話。
それで最近はキャラクターデザインや作画監督や監督に女性が増えてきたし、男性以上に実力を発揮する女性監督ももはや珍しくなくなってきた。
ちょっと前まではアニメはとにかくきっつい仕事だから男性が中心だけど、職場環境が改善されていけば男女比率は変わっていくかもしれない。そういう兆しはある。アニメはひたすら繊細な作業の積み重ねてでできるわけだから、男性より女性のほうが向いているかも知れないわけだし。
こういうとき男性がやりがちなのは、相手に意味のないレッテル張りして、「女性より男性のほうが偉いんだ!」とマウントを始めること。中身のない能なし男ほど、そういう行動に陥りやすい。「男性であること」にすがっちゃうのよね。駄弁ってる暇があれば仕事しろ勉強しろ、というのが私が常に持っている意見だけど。
前にも書いたけど、「国籍以外に自身を規定する根拠を持ち得ない人ほど極端な右翼や左翼に陥りやすい」。要するに「中身のない人間ほど、右翼や左翼になりやすい」ということ。同じことで「中身のない男ほど、性差別に救いを求めたがる」。そうならないようにしましょうね。
20年後には「アニメは女の子の仕事」というイメージに変わっているかも知れない。本当にそういう時代の変遷を前にしている。
ゲームの話に戻ってくるけど、よくよく考えたらプログラムは女性にこそ向いている仕事かも知れないから、そういう印象が付いてくると女性がこの業界をどんどん目指していくかも知れない。
男性は……まあ消費だけしてりゃいいよ。男は消費者なんだか生産者なんだかわからないやつばっかりになっちゃったから。モノを生み出す能力がなくなり、「男だぞ! 男は女より偉いんだぞ!」くらいの薄っぺらいことしか言えなくなる男は必要されなくなってしまうだろう。現代はすでにそうだけど、未来へ行くとより指先や脳を使う仕事が多くなる。そういう仕事の多くは男は向いていない。女性が増えていく、というのは必然の話かも知れない。アニメとかゲームなんかは真っ先にそういう状況になるかも知れない。
と、面白い話だったので、ぜひ上のリンク先から元記事を読んで貰いたい。
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