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5月22日 Nintendo Switchの未来に関するちょっとした想像話

 Nintendo Switchの後継機の噂がまた出ている。しかも今度は、2画面になるという。

2画面折りたたみ式の『Nintendo Switch 2』発売か? 海外で複数情報がリーク

 ……と、いう話を聞いて私はピンと来た。2画面になるが、それはニンテンドーDSのような形態ではなく、2つの画面で1つの画面を表示するシステムではないのか? すなわち、3Dホログラムではないか。

〈引用〉
ホログラムを再生するためには,記録したときの参照光と同じ光をホログラムに当ててやります. すると,ホログラムは参照光と物体光が干渉してできた干渉縞を記録しているので,回折光は物体光とまったく同じ形をしたものになります.

〈引用元→物理のかぎしっぽ:ホログラフィ技術

 ……まあ説明を読んでもよくわからないんですが。
 2画面だけど、ニンテンドーDSのように開くのではなく、L字型に開いてどちらかの画面が物体光を発し、もう一つの画面で参照光を発し、この2つの光を重ねて立体を作り出す。
 ただし、3Dホログラム(ジオラマ風になる風景)は手前の空間のみで、それ以降の奥の風景、遠景の風景は通常の画面表示となる。
 3Dホログラムだとどんな利点があるかというと、ニンテンドー3DSの時に起きた問題……人によって立体の見え方が違う、人によって目が痛くなる問題、というものがなくなり、誰もが同じ条件で同じ立体を立体を見ることができて、しかもその画面は360度回転させてもきちんと立体が見える。

任天堂特許 73ce56e0

 もしも3Dホログラムであった場合、一つ合点がいくことがある。
 数年前、任天堂はニンテンドー3DSの飛び出してきた立体物、飛び出してきたオブジェクトに直接タッチペンで触れるという特許を出願していた。
 私はこの特許を見たとき「?」と思った。というのも、ニンテンドー3DSは人によって立体の見え方が違う。人によってはものすごく飛び出しているように見えても、別の人には大して飛び出しているようには見えない。そういうものの立体オブジェクトに触れるなんて、可能なのか……?
 でもこれが3Dホログラムを前提にしたものだとしたら話は早い。3Dホログラムであるならどんな人でも平等に3Dの立体が見えるわけだから、そのオブジェクトに直接タッチペンで触れる、という仕組みでも問題はなくなる。この特許も、3Dホログラム技術を見据えてのものだったとしたら?
(特許というものは維持するのにお金がかかる。大企業は体力があるからとりあえず特許を出しておいて押さえておく、ということをするが、無意味な特許で出し続けるとそれはそれで浪費になる。全く無意味な無駄打ち特許を出しまくる……というわけにはいかない)

任天堂特許 nintendo-switch-touch-pen-kinou-joycon-tokkyo-4

 もう一つ任天堂が出した特許に、ジョイコンにタッチペンをドッキングさせるというものがある。これは従来のSwitchの仕組みに組み込んで、面白いソフトと掛け合わせれば今すぐにでも発売できそうだけど、でも3Dホログラムと組み合わせればより腑に落ちる仕組みになる。空間上のオブジェクトにタッチペンに触れる可能性があるから、こういう仕組みが必要になるわけだ。上の特許と組み合わせると、かなりしっくり来る。

任天堂 特許201902020221631000

 ではSwitchの特徴であるテレビに映す機能はどうなる?
 今回いろいろ調べていて、任天堂の「テレビに映し出した2D画像を3D化させる技術」という特許が出てきた(正式には「3Dを有効にするアイトラッキング(Eye Tracking Enabling 3D Viewing)」)。要するにテレビをでかいニンテンドー3DSにしてしまおうと……なるほどその手があったか。これなら位置を把握するための眼鏡があればいいだけなので、かなりお手軽に3D映像を作り出すことができる。
 引っかかるのはこういう仕組みでどれだけの立体を作り出せるのか……。ニンテンドー3DSも結局のところ、飛び出す絵本みたいにいくつかの層を作り出すだけだったから。それに眼精疲労も気になるところ。この仕組みだと、一人しか立体が見えない、という問題もあるし。

 ただ引っかかるのは、今回「ひょっとして3Dホログラムでは?」と思いついていろいろ調べたのだが、現代の3Dホログラム技術はまだ像がぼやけている。実在感のある立体、という感じではなく、まだ幽霊っぽい。3Dホログラムゲームは興味はあるが、ゲームで扱うには時期尚早感があるような気がする。ゲームはオブジェクトとの判定が正確でなければならないし、アニメーション時に像がブレてはならない。現代のホログラム技術だと、ゲームで遊ぶほどに鮮明に表示されない。ここはどうなのだろう……。

 もしも3Dホログラムだとして、そんなカロリーの高い表示をして、Switch自体のスペックはどうなるのだろうか。私たちはSwitchのスペックがもう少し上がることを望んでいるのに、3Dホログラムなんてものを導入したら、後継機なのに実際のスペックは大して上がらない……みたいな事態になるかもしれない(むしろ逆に映像がショボくなるかもしれない)。そこもどうなのだろう。自分で書いていながら、引っかかりポイントがいくつも出てきてしまった。

3DディスプレイLookingGlass 003

 今回はちょっとした予想を書いてみたけれども、当たるかどうかはわからない。3D技術はニンテンドー3DSでゴールではなく、色んなところで色んな研究が継続して行われ、3Dホログラムについても色んな試作機が作られ、技術見本市で提示されている(コナミの『武装神姫』で採用されたボックス型ディスプレイもそんな研究の一つ。あれと同じものを2年くらい前に見かけた)。それを任天堂がスルーするわけはないだろう。ただSwitchの後継機に採用するかどうか……の話で。
 任天堂は定期的に新ハードの噂が出る。それはただの噂ではなく、部分的には本当だと思うんだ。任天堂は常に色んな技術を検証して、検討し、試作機のようなものは作っているんだろう。その一部が関係者の間で伝言ゲームをリレーしてどこかのメディアに漏れる……そういうこともきっとあるだろう。以前に、DSシリーズの後継機で、3DSを飛躍的にスペックアップさせたゲーム機の噂が出たが、そういう試験機ももしかしたら作っていたというのは本当だったかもしれない。作ったけれども、販売に至らなかった、と。
 今回は2画面のSwitch後継機の噂話を取り上げたけど、そういうものも作っていた、という話までは本当かもしれない。作っていたけれど、発売に至るかどうかわからない……と。いや、3Dホログラムは話を飛躍させすぎで、単にSwitchをDSシリーズの後継機にもしようという構想だったのかもしれない。なんにせよ、このあたりの真実は、中に入り込んで当事者にならない限りわからないことだけど。
 噂の真相は3Dホログラムである!! というのは大いなる自信を持って書いた話でもなく、「あったら面白いねぇ」くらいの感覚だ。正解率・自信度は、まあ2%くらい。占いより当てにならない。ただの与太話ですよ、これ。

 私の個人的な心証。
 前に書いたことと同じ事を書くけど、私は個人的にSwitch proはあまり歓迎していない。まずいって、Switchは現状、(どうぶつの森特需が発生していて)本体台数がものすごく売れている時期にあり、慌ててバージョンアップ版を市場に投入しなければならない局面だとは思わない。中途半端にちょっと絵が良くなる、ちょっとローディングが短くなる程度のバージョンアップではなく、もっと飛躍的にバージョンアップした「Switch2」のほうがいい。「Switchのライフサイクルはまだ半ば」と古川社長からの言葉があるから、ではあと3年ほど現行のSwitchにお勤めしてもらい、それから次世代機を堂々と発表して欲しい。
 繰り返すが今Switchは本体が供給が追いつかないくらいに売れているので、ここは次世代機との間を埋める「中継機」ではなく、堂々とした「後継機」の研究をじっくり推し進めてほしいものだ。まずPS5、Xbox Series Xの2機がノーローディングを掲げているのに、カートリッジゲームの任天堂機がいまだにローディングあり、というのはまずいでしょう。私としてはまずローディングゼロが絶対にほしい。映像が綺麗になるよりも、ローディングゼロが絶対だ
 任天堂古川社長はPS5発売後もSwitchの販売には影響はない、と語っているが、影響がないわけはないでしょう。どう考えても見劣りします。相手は8K、映画のアセット連れてこれる、というモンスターマシンなんだから。Switchは「過去ハード」になりますわ。いまSwitchが売れているのはPS4とXboxのライフサイクルがどちらも最終期だから……ってのも結構関係していると思うよ。
 そのあたりを踏まえて、スペックとしてもう少し追いつける程度……PS5のヒット作のSwitch2版が出せるギリギリの範囲……まで持ち上げて欲しいものだ。“形状のユニークさ”にばかり気を取られていないでね。


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とらつぐみ
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